| おそらく、これ以上のコンディションを持つS2000は二度と出てこない |
米ebayに走行わずか153km、つまり「ほぼ新車」のホンダS2000が登場。
さらに驚くのは「このクルマは一度も登録されたことはなく」、書類の上でも新車であること。
さらにモデルイヤーは2009で、後期型S2000(AP2)の最後の最後ということになりますね。
開始価格は98,888ドル、つまり1000万円オーバーという値付けになりますが、コレクターにとっては何としても手に入れておきたい一台かもしれません。
後期型S2000は乗りやすいスペックを持ち高い人気を誇る
ホンダS2000は1999年に販売が開始されており、前期モデル(AP1)は2リッターエンジン(F20C)を搭載し250馬力を発生。
最高出力を発生するのは8,300回転という超高回転型エンジンで、スタート時のクラッチミートも「けっこう」回さなくてはすぐにエンストした記憶があり、実際に運転したイメージとしては「4輪のバイク(エンジン回転数だけではなく、ノイズやバイブレーションも含めて)」。
そしてやはり「あまりに乗り手を選ぶ」特性は市場には受け入れられなかったようで、後期型(AP2)ではエンジンが2.2リッターへと拡大されて出力は240馬力にダウン。
ただしこれは最高出力を発生する回転数が7,800回転に下げられたことが理由であり、逆に最大トルクは218Nmから221Nmへと引き上げられ、これを発生する最低回転数も7,500RPMから6,500RPMへと引き下げられています(つまり、トルクが低回転から太くなって乗りやすくなった)。
ざっと見たところではボディ(ベルリナブラック)はもちろん、ホイールやテールパイプにも腐食は見られず、タイヤやトノカバーといった樹脂部分の輝きも色あせていないようですね。
ヘッドライト、テールランプのレンズも高い透明度を保っており、おそらくは室内にて保管されていたものと思われます。
トランクフードの内側やヒンジなどにも錆はなく、水がかかるような環境に放置されていなかったということになりそう。
エンジンルーム内にもホコリや汚れはなく、赤いエンジンヘッドカバーもまばゆいばかり。
エアクリーナーカバーは新品同様、しかし冷却系のホースは若干表面が白化しているようにも見えますが、このあたりは製造から経過した時間を考えても「表面だけ」の劣化にとどまっているものと思われます。
もちろん工具類も完備。
内装も完全に「新車」。
レザーシートを装備していますが、乗降の際にできるボルスター(サイドの出っ張り)部分のシワも見られず、これまでに売りに出されたS2000の中でも「もっともコンディションの良い一台」と言えそう。
もちろんマットも新品。
「ハイXボーンフレーム」を採用しているため、センターコンソールはかなり高く、フロアにもリブがあるのが特徴(高剛性の証)。
ハイXボーンフレームは「サイドシル」ではなく「センタートンネル」で剛性を担保する独自の構造であり、これについてはホンダが詳細を解説しています。
当然ですがステアリングホイール、シフトレバー、パーキングブレーキレバーには「テカリ」なし。
トランスミッションは6速マニュアル。
微妙にドライバーに寄せられた設計を持つことがわかり、ここもホンダがこだわった部分なのでしょうね。
走行距離は94マイル。
ホンダ純正の「CDデッキ」つき。
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ここまで程度の良いホンダS2000はなかなか出てくるものではなく、過去には走行1,600キロ、登録歴ありの個体が5400万円で落札されたこともありますね。
そして北米限定モデル、S2000CR(クラブレーサー)が900万円で取引されたことも。
最近だと、91,000キロ以上走行し、修復歴のあるS2000 CRが340万円程度で落札されています(ほとんど新車価格と同じ。日本での発売開始時の新車価格は338万円だった)。