| 同じくTCRに参戦するVWはロードバージョンの「ゴルフGTI TCR」を発売している
米国マツダが、MAZDA3をベースにしたレーシングカー「MAZDA 3 TCR」を発表。
「TCR」はツーリングカーレースにおけるひとつのカテゴリで、フォルクスワーゲン・ゴルフ等が参戦していますね(日本でもTCRジャパンが開催されている)。
そこでこのマツダ3TCRですが、もちろん市販モデルのマツダ3をベースにしたもの。
デザインはカリフォルニア州アーバインにあるマツダ・デザイン・アメリカによるもので、TCRのレギュレーションにマッチし、かつ市販車のデザインを崩さないように慎重に行われた、とのこと。
マツダ3TCRに搭載されるエンジンは350馬力
なお、今回公開されたのは「カスタマーカー」つまりこのクルマを使用してレースに参加する顧客向けのレーシングカー。
車両の開発はマツダ・ロードスターを使用したワンメイクレース「MX-5カップ」参加用車両を手掛けたロング・ロード・レーシングだと発表されています。
350馬力を発生する4気筒ターボエンジン、そして6速トランスミッション(パドルシフト)を有すると紹介されている以外、今のところスペックは非公開。
ただし、当然ながらFIAのホモロゲーションを取得しており、36の公式レースに出場ができる、としています。
北米では「モータースポーツ活動」がそのメーカーのイメージを左右する
マツダの北米法人にてCEOを務める毛籠勝弘氏によると、「これはマツダ3を周知させる絶好の機会でもあり、我々マツダの顧客に対し、新たな機会を設ける場でもある」とコメント。
さらに「我々の成功のうち、いくつかはIMSAやSRO TCにおいて、熱心な顧客がマツダ車を走らせたことによって得られたものであり、次世代のマツダ製レーシングカー、つまりマツダ3TCRでも同じように成功を重ねたい」と語っていて、やはり北米ではモータースポーツ活動が非常に重視されているということもわかりますね(モータースポーツでの成功が、市販車の販売を左右する部分がある)。
今回公開されたオフィシャルフォトを見るに、マツダ3TCRはフロントバンパーが交換され、フロントフェンダーはワイドなものへと交換され、リアには「オーバーフェンダー」つき。
フロントにはリップ、サイドステップにはウイングが装着されています。
リアだとスワンネック状のステーを持つウイングが装着され、リアバンパーが交換された上でディフューザーが追加されているように見えます(テールパイプはセンター一本出し)。
なお、このマツダ3TCRは2020年1月26日から開催となる「ロレックス24」のサポートレースがデビュー戦となる見込み。
出走するチームは明かされていないものの、ドライバーはMX-5カップにてチャンピオンを獲得したブライアン・オルティス選手だとアナウンスされています。
おそらくは日本でもその勇姿をサーキットで見ることができることになりそうですが、マツダ3は完全新設計によるプラットフォームを持っているために高いポテンシャルを持つものと想像でき、その走りに期待したいところですね。
マツダ3の「マツダスピード」版は?
こういったモデルが登場すると気になるのが「市販モデル(ロードカー)で、マツダ3のホットバージョンは出ないのか?」
ただしマツダ自身、(市販モデルの)マツダ3発表時には「マツダスピード版は考えていない」とコメント。
この理由については「市場が小さいから」だと述べています。
しかしながら当時と今とでは事情が多少異なり、というのも「マツダ3は予想通りの販売台数を獲得できていないから」。
マツダ3の販売はモデル末期の先代をも下回り、想定を大きく下回るペースでの販売台数。
つまり相当な苦戦を強いられている、と報道されたています。
となるとマツダは「マツダ3拡販のために」なんらかの対策が必要ということになってきますが、もっとも期待が大きく、しかし販売が不調な北米市場での販売を活性化するには「モータースポーツイメージを反映させた、ハイパフォーマンスモデル」の投入が一番有効なのかもしれず、当初の決定を翻し、「マツダ3のハイパフォーマンスモデルもあるんじゃないか」と考えています。
VIA:MAZDA