| たしかに公園側の定める要綱には明確に4WDの定義が定められ、それ以外での走行は許されていないようだ |
ドライバーも素直にこれを認め、公園側の主張を受け入れる
さて、スバル・クロストレックにてユタ州の国立公園を総走行したドライバーが、米国国立公園局(NPS)から「もしスバル・クロストレックにて同公園を再走行すると、5,000ドルの罰金刑もしくは6か月の禁固刑が課される可能性がある」という警告文書を受け取ったとして話題に。
クロストレックは高い最低地上高を持ち四輪駆動システムを採用していますが、この四輪駆動システムについては「AWD」だと表現されていて、国立公園側はこれを「4WDとは異なり、同国立公園の定める要件を満たしていない」として安全性に疑問を呈したようですね。
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北米だとスバルは安全性と走破性に重点を置いたプロモーションを展開しているようだが
なお、北米のスバルは(日本とは異なって)そのAWDシステムにつき安全性と走破性に重点を置いたプロモーションを展開しているとされ、それは一連の「ウィルダネス」グレードの展開を見るとわかりやすいかもしれません、
ただし今回の報道を見るに、米国国立公園局はスバルのAWDシステムの走破性に疑問を呈しているということになり、クロストレックのオーナーに宛てた手紙では「キャニオンランズ国立公園のニードルズ地区にあるコロラド川オーバールックロードでは、登録されている車両が全輪駆動車(AWD)である場合、4輪駆動車4WD)のみの走行となります」と明確に記載されており、つまりAWDと4WDとを明確に区別している、ということに。
“If you know TuckerRoo, you know that he’s a bundle of happiness & love. Always excited for adventure whether it’s hiking, camping, or shopping… I truly owe a lot to him for helping me get through the challenges of life.” #SubaruLovesPets #MakeADogsDay
— Subaru (@subaru_usa) October 19, 2022
(🗣️, 📸: IG @ battle.wgn) pic.twitter.com/OaZS5wmnkM
なお、このクロストレックは該当のルートを問題なく走破していて、つまり立ち往生して公園側やほかのツーリストに迷惑をかけたわけではないそうですが、米国国立公園局はさらに”監督官の要綱”を引用し、コロラドオーバールックロードやその地域の他の特定の道路では「地上高の高い4輪駆動車」が必要であることを伝えています。
ただし(今回問題なく完走したことを考慮すると米国国立公園局の対応は厳しすぎるように見えますが)米国国立公園局の言い分もわからないでもなく、というものこれまでにも数え切れないほどの車両が国立公園にて立ち往生したり事故を起こしているためで、公園管理側としては少しでもそのリスクを低減したいのだと思われます。
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参考までに国立公園局のウエブサイトでは、4輪駆動車(4WD)の定義は以下の通り。
「4輪駆動車とは、少なくとも15インチサイズのタイヤ / ホイールと、フレーム、ボディ、サスペンション、またはディファレンシャルの最低点から地面までのクリアランスが少なくとも8インチ(約20センチ)あるスポーツユーティリティビークル (SUV) またはトラックと定義されます。4輪駆動車には、前輪と後輪の間にトランスファー ケースがあり、4輪駆動が作動すると、前輪と後輪のドライブ シャフトが一緒にロックされます。全輪駆動 (AWD) 車はこの定義を満たしていません」
もう一つ参考までに、北米仕様のクロストレックの最低地上高は8.7インチ(約221ミリ)で、これはフォード・ブロンコの8.4インチよりも高い数字(ホイールは17インチ)。
よって国立公園局の定める定義を満たしているようにも思えますが、スバルの採用するAWDシステムは(スリップが検出されるまで前輪駆動車として機能する他のAWDクロスオーバーやSUVとは異なり)常時4輪にトルクを分配するものの、「(センター)デフロック」機能を備えておらず、よってここが国立公園局が「安全ではない」と判断する理由なのでしょうね(今後増えるであろうクワッドモーターを搭載するオフローダーをどう扱うのかは興味があるところではあるが)。
いわゆる「オフロード4WD」が採用する4輪駆動システムでは、ドライバーが前輪と後輪の車軸をロックできるため、(舗装された路上でのハンドリングとマナーは最悪になりますが)滑りやすい悪路、急勾配や砂利道、雪上など厄介な状況では非常に有効に機能することとなるものの、クロスレックはそれができず、よって4WD車に比較して危機対応能力が劣ることは間違いないのかもしれません(今回のクロストレックのオーナーについても、この警告によって危険性を理解したと語っている)。
なお、スバルが「4WD」ではなく「AWD」と表現するのは(スバルは自動車市場はじめて四輪駆動を乗用車に取り入れた自動車メーカーである)、「4WD」だと称すると本格オフローダーやトラックとの混同あるいは誤認を招く可能性があるためで、それを避ける意味で(おそらくはマーケティング上の理由から)AWDと呼び始めたのだと言われています。
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参照:TheDrive