| スバルはトヨタの株を購入し、トヨタのハイブリッドシステムを拡大採用 |
ここ数ヶ月、新型トヨタ86/スバルBRZについては様々なウワサが出ており、双方から「次期86/BRZは存在」という声が聞かれていたわけですが、今回トヨタが「TOYOTA 86/SUBARU BRZ 次期モデル共同開発」を行う、と公式に発表。
これはトヨタとスバルとのさらなる提携強化の一環として発表されたもので、しかしこういった発表にて具体的な車種について言及するのは極めて珍しく、しかし両者はこの場を通じて「スポーツカーを諦めていない」と伝えたかったのかもしれません。※トヨタからのプレスリリースはこちら
スバルは事実上、トヨタの系列会社に
今回(トヨタとスバルとの資本提携について)発表された内容につき、要約すると「これまで以上に両社の連携を強める」というもので、一部を抜粋すると下記の通り。
両社は、2005年に業務提携について合意して以来、SUBARUによるトヨタ車両受託生産や、トヨタからSUBARUへの車両供給、ならびにFRスポーツカー「TOYOTA 86」/「SUBARU BRZ」の共同開発などの協業に取り組んでまいりました。また、自動車業界に大きな変化が訪れている今、CASE領域を含む新しい領域における対応が求められており、本年6月にはSUBARUのAWD(全輪駆動)技術とトヨタの電動化技術を活用した、EV専用プラットフォームおよびEV車両開発にも取り組むことで合意したことを公表いたしました。
今回の資本提携にともない、トヨタはスバルへの出資比率を現在の16.38%から20%へと引き上げ、スバルはトヨタの追加出資額とほぼ同じ800億円ぶんのトヨタ株を購入することに。
なお、トヨタは2005年にスバル株の8.7%を取得し筆頭株主となっていますが、そこから徐々に出資比率を高めてきた、ということになりますね。
一方で(ブルームバーグによると)スバルはこれまでトヨタ株を所有していなかったと報じられているので、今回の資本的系によって「両社は切っても来れない関係」に至ると考えて良さそうです。
ちなみにこの「20%」はデンソーやアイシンへの(トヨタの)出資比率と同水準とのことで、今回の出資比率増加によって事実上「スバルはトヨタの系列会社」になるわけですね。
次期トヨタ86/BRZはどうなる?
そして今回の発表とともに公表されたのが下記。
・両社の強みを持ち寄り、最高に気持ちの良いAWDモデルを共同で開発 ・TOYOTA 86/SUBARU BRZ 次期モデル共同開発 ・Crosstrek Hybridに続き、他のSUBARU車へもTHS(トヨタハイブリッドシステム)の搭載を拡大 ・コネクティッド領域での協調、自動運転分野での技術連携 |
ここまでドドンと強調されるといやがおうでも期待が高まりますが、トヨタのスポーツカー開発を統括する多田哲哉氏によると、すでに次期トヨタ86/ SUBARU BRZ開発チームはその活動をスタートしている、とのこと。
そして「ファンは86がスープラを超えることを期待している」とも語り、そのため次期86はスープラを超える必要がある、と決意を表明しています。
現在のところ次期86/BRZについては全く情報がなく、現行モデル同様にスバル車をベースとしスバルで製造するのか、ハイブリッドを積むのかどうか、ターボエンジンが採用されるのか、4WDとなるのかどうかなど不確定要素多数。
これまでの報道からするに、次期86やBRZは「ピュアスポーツ」を貫く可能性が高いと思われ、となるとハイブリッドや4WDはなさそうですが、「ターボエンジン」は世界中にて待望論があり、これは無視できない要望かもしれません。
なお、スバルのクルマをベースにするにしても、スバルの新しいプラットフォーム「SGP」はFRには使えないという話もあり、ここもちょっと気になるところですね(このプラットフォームは4WD対応であり、プロペラシャフトが前後に貫通するので、FRに対応できないわけはないと思う)。
そしてトヨタ本体としては「エレクトリック」に注力する必要があり、おそらくはトヨタ本体にて次期86/BRZを開発することはないと思われ、よって現行同様にスバルによって開発が製造が行われるものと推測されますが、まだまだ次期86/BRZがどうなるのか、そして開発がどこまで進んでいるのかはわからず、次なる情報が出てくるのを待ちたい、と思います。