
| トヨタは「より多くの人々の、より多くの需要」を満たすことを目的としたクルマづくりを行っている |
そして今後、その方向性はさらに加速するであろう
トヨタは、モデルチェンジに関しては他メーカーに比べて慎重な姿勢を貫くブランドとして知られています。
たとえば「タンドラ」「セコイア」「4ランナー」などのSUVやピックアップトラックは、前世代モデルを10年以上も継続生産しており、かつ車種の性格も「ほぼ同じまま」。
例えば他社が「同じ車名であっても」コンパクトカーからSUVへと”キャラ変”させることがあったとしても(とくに欧州車に多い)、トヨタはその名称とキャラクターとを一致させ続け、変化させるとすれば「(マークIIのように)サブネームを独立させる」ことくらい。
ただし直近では「クラウン」にSUVを追加するなど、その動きにも変化が見られ、2020年代後半に向けてトヨタはその動きをますます加速させようとしています。
すでに明らかになっている未来のトヨタ車たち
そこで今回はトヨタが公式に発表・示唆したり、幹部がコメントしたり、信頼性の高い情報源が報じた内容に基づき、「今後の要注目モデル」を紹介してみたいと思います。
■ 新型電動ピックアップトラック(EV)
- ボディタイプ:ミッドサイズ・ピックアップ
- パワートレイン:ラダーフレームまたはモノコック構造
- 登場予定:2026年
- ステータス:ティーザー公開済み
Image:TOYOTA
これは「タコマ」に似たEVコンセプト、あるいは「EPU」と呼ばれるユニボディ構造の小型ピックアップとして既に披露されているもの。
2026年に登場予定の3台の新型EVのうちの一つとして、EVトラックが姿を現すことはほぼ確実と見られています。
おそらくは既存モデルの「置き換え」ではなく、新しく設定される新規車種になるのではと見られているようですね。
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■ 電動ランドクルーザー(Land Cruiser Se)
- ボディタイプ:フルサイズSUV
- パワートレイン:EV
- 登場予定:2026年
- ステータス:ティーザー公開済み
2023年のジャパンモビリティショーにて「ランドクルーザーSeコンセプト」として登場。
ユニボディ構造とプレミアムな雰囲気が特徴で、米国では「レクサス」ブランドで導入される可能性が示唆されています。
Image:TOYOTA
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■ 新型3列シート EVクロスオーバー(bZシリーズ拡充)
- ボディタイプ:ミッドサイズSUV
- パワートレイン:EV
- 登場予定:2027年
- ステータス:米国生産が決定
ケンタッキー工場で製造される予定の新型bZファミリーには、3列シート仕様の新型EVが含まれており、コンセプトモデル「bZ Large」の市販版がこのうちの一つとなる見込みです(スバル トレイルシーカーのトヨタ版)。

Image:TOYOTA
■ セリカ(Celica)
- ボディタイプ:クーペ
- パワートレイン:内燃機関(ICE)
- 登場予定:2027年
- ステータス:可能性あり(開発中)
トヨタ幹部は「セリカと名乗る可能性がある車両が、かなり開発の進んだ段階にある」と発言。
電動化ではなく軽量なICE(内燃機関)スポーツカーとして登場する見込みで、商標出願も進行中であるため、登場する可能性が「非常に高い」と見られる一台。
ただしその車格に価格帯、駆動方式などは「ナゾのまま」ではありますが、ラリーカーを彷彿とさせる4WDを採用するのでは、と見られています。
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■ 新型小型ピックアップ(仮称「Stout」)
- ボディタイプ:ユニボディ構造の小型トラック
- パワートレイン:ハイブリッド
- 登場予定:2027年
- ステータス:可能性あり
「フォード・マーベリック」の成功を受け、小型ピックアップ市場は急拡大。
トヨタもこれに応える形で、コストを抑えた新型トラックを企画中とされ、「Stout」の名称がすでにアルゼンチンで商標登録されていることから、南米を中心に展開されるのではという推測も。
■ 新型ランドクルーザーFJ
- ボディタイプ:小型ボディオンフレームSUV
パワートレイン:ハイブリッド - 登場予定:2027年
- ステータス:ティーザー公開済み
「コンパクトクルーザーEV」や「FJクルーザー」を彷彿とさせるデザインのSUVとして、コンパクトなランドクルーザーという立ち位置にて登場予定。
2024年秋の東京モビリティショーでの発表が予想されており、インドネシア含む東南アジアで販売中の「ハイラックスチャンプ」の兄弟車になるのではというのが大勢の予想です。
Image:TOYOTA
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■ MR2
- ボディタイプ:ミドシップ・スポーツクーペ
- パワートレイン:内燃機関(ICE)
- 登場予定:2028年
- ステータス:ティーザー済み
伝説の2シーター「MR2」が復活する可能性も浮上しており、さらにはトヨタのアニメシリーズ「Grip」では「MR2 Mk4」の記述が確認されているために何らかの動きがあるのは疑いようのない事実。
また「GRヤリスM」コンセプトを使ったミドシップ後輪駆動車の開発も進行中で、これは次期MR2の布石と見られていますが、つい先日「開発が難航中」とも報じられており、登場時期については後ろ倒しとなる可能性も。
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そのほか、登場が期待される「ウワサの」クルマたち
これらのほか、未確認情報としては「次期GRスープラ、次期GR86はトヨタの自社開発モデルになる」というものも。
現行モデルではそれぞれBMWとスバルとのパートナーシップにて開発がなされているのは既知の通りですが、トヨタの新しい戦略のもと、そして一定の成功を収めたと考えていい「スポーツカー戦略」をさらに推進させるケースとしてコストが投じられる可能性が示唆されています。
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これらについては確報がなく、よってトヨタからの情報提供、あるいはプロトタイプのスパイショット / スパイビデオがない限りは「判断ができない」状況です。
さらに「GR」ブランドからはGR GT3の市販バージョンが登場するものと思われますが、すでにレクサスLFRと思しき車両、そしてGR GT3(レーシングバージョン)と見られる試作車がグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて公開されていて、しかし市販(ロードカー)版については発売まで含めて不透明な状況です(市販バージョンはレクサス版のみにとどまるという可能性も)。
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なお、ぼく的に「ぜひ発売して欲しい」と考えているのがTjクルーザー。
日本のカーメディアは「発売秒読み」と報じ、しかし北米のディーラーミーティングではまったく話が挙がらなかったことから「そもそも開発自体がなされていなかった」と見られています(このクルマを北米で発売しないということは考えられない)。

Image:TOYOTA
そして「番外編」はルナローバー、つまり月面探査車として発表された「ルナクルーザー」で、ランドクルーザーオーナーとしては、この「ランクル(FJ40)顔を持つ」クルマが月面を走ることを楽しみにしているわけですね。
まとめ:トヨタは「保守的」から「革新的」へ?
いろいろなウワサがあるものの、これまで慎重な姿勢だったトヨタも、今後数年間で一気に多様な車種展開を進めてゆくことがわかるかと思います。
そしてトヨタはもともと「より多くの消費者の需要や使用目的に寄り添うクルマ」の開発を標榜しており、スポーツカー愛好家にとってはMR2やセリカの復活、アウトドア派にはFJやEVランドクルーザー、そして東南アジアや南米向けにはシンプルで使いやすく安価なクルマ、さらには多種多様なパワートレインなど、それぞれのユーザーにとって、それぞれの魅力を放つ新型車が揃う時代が来るのかもしれません。
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参照:CARBUZZ