| 溶接は4,000箇所、サプライヤーは100以上、パーツ組付けラインの長さは1キロ |
わかっていたが製造のほとんどは自動化によって行われる
さて、トヨタが「トヨタのクルマができるまで」と題した動画を公開。
この動画の中では「プレス」「溶接」「塗装」「組立」「検査」という5つの工程を経てクルマが出荷されるまで、そして各工程での詳細について触れています。
なお、トヨタによれば自動車を構成する部品は3万点もあるとのことで、たしかに動画を見ると非常に複雑な工程を経ていることがわかり、なかなかに興味深い内容となっています。
トヨタのクルマはこうやって作られる
そして今回公開された動画を紹介してみたいと思いますが、まずは「プレス」。
ロール状の鋼板シートからボディパネルが作られる様子を収録していますが・・・。
鉄の塊からパーツをくり抜いてゆく様も。
なお、鋼板シートは部位によって20種類を使い分けているのだそう。
そしてくり抜いたパーツを高圧プレス機で整形しますが、1つあたりのパーツにかかる時間はわずか3秒、そしてかかる圧力は1600トン。
車体側面だとこんな感じに整形されます。
お次は溶接となりますが、フロア、ボディサイド、ルーフの順に溶接。
溶接においては4000箇所も行うと紹介されているものの、今後導入を予定している「ギガプレス」だと数十個のパーツをひとまとめにして成形できるため、プレスや溶接の工程を大幅に削減できる、とされていますね。
-
テスラが導入してコストダウンに成功し、トヨタも採用を発表した「ギガキャスト(ギガプレス)」とは?そのメリットとデメリットを見てみよう
| これからの自動車業界はギガキャストなしでは語ることができない | トヨタはこれの導入によって開発費と製造コストを半減させることを目論んでいる さて、トヨタは先日「EVに関する新戦略」を発表し、その ...
続きを見る
そしてこの工程ではドアやボンネットなどのパーツを組み付けて・・・。
塗装前にはいったん検査を行います。
トヨタの塗装ブースでは1台ごとに異なるカラーでのペイントが可能
そして次は塗装に移りますが、まずはボディを洗浄し・・・。
下塗りと錆止めは車体まるごとプールへドボン。
シーラーを塗布した後の中塗り工程は完全に自動化がなされています。
その後は上塗りを行いますが、すべてロボットがペイントするのはもちろん、1台ごとに異なるカラーにペイントできるようにカートリッジの交換までもが自動にて交換されるシステムを導入済み(これはけっこう珍しい。他の工場だとカラーを変える際には手動で塗料の入ったカートリッジを交換したりタンクを入れ替えることが多い)。
最後にクリヤーをペイントし、その後は塗装面のチェック。
当然ながら、この検査はかなり入念に行われます。
その後は最終の組立工程に入り、100を超えるサプライヤーから納入されたパーツを組み付け。
長さ1キロにも及ぶラインにて、3,000点ものパーツを組み付けてゆくのだそう。
もちろんここではヘッドライトやテールランプ、そして内装パーツなどが組み付けられてゆきます。
シートやダッシュボードを取り付けた後にはドアを戻してクルマの完成。
完成後には検査工程に移り、まずはパーツのチェック。
外観もチェック。
ライン上を走行してブレーキやパワートレーン、そしてローラーの上でメーターの検査などを行います。
こうやってトヨタの工場では1日あたり1万台が製造され・・・。
そこから日本国内の販売店、そして海外へと輸出されることになります。
トヨタのクルマが製造される様子を収めた動画はこちら
あわせて読みたい、工場関連動画
-
ランボルギーニ・レヴエルトはこうやって作られる!工場内でのカーボンフレーム製造、パワートレーンや内装の装着を経て色とりどりのレブエルトが誕生してゆく【動画】
| すでにランボルギーニはレヴエルトの量産を行えるだけの準備を整えているようだ | 顧客スペックと思われる「カスタムカラー」と思しきレヴエルトの姿も さて、先日はスパイビデオ系ユーチューバー、Varr ...
続きを見る
-
ケーニグセグの本社と工場を紹介する動画が公開!そのパーツ一つ一つが芸術品としても通用しそうな「メガカー」はこうやって開発されている
| ここまでこだわり抜いて作られたクルマはそうそうない。おそらくはブガッティも敵わないかも | ハイパーカーを通り越してメガカーと呼ばれること、その資産価値が非常に高いこともよくわかる さて、英国人ユ ...
続きを見る
-
フェラーリはいったいどうやって車両のデザインと製造を行っているのか?SF90ストラダーレが「誕生するまで」を紹介する動画が公開
| フェラーリはうまく「自動化」と「職人技」とを使い分けている | そしてV12エンジン搭載モデルは製造工程にいたるまでが特別だった さて、かつては「フェラーリのデザイン」というとピニンファリーナが一 ...
続きを見る
参照:トヨタ自動車コーポレート