>トヨタ/レクサス(Toyota/LEXUS) ■自動車各社業績/ランキング/記録等

トヨタの2025年3月期決算が公開、現状では「好調」なるも円高とトランプ関税によって1兆円の減益を予想、「販売台数は増加を見込むが利益は減る」

トヨタ

| 厳しい見通しが続く中、トヨタの見通しと今後の戦略は? |

2025年3月期の実績は高水準の利益を確保

さて、トヨタが2025年3月決算の内容を公表。

その内容を見てみると、まず連結営業利益は4.8兆円となり、これはトヨタいわく「未来に繋がる総合投資や足場固めの取り組みを進めながら、価格改定効果やバリューチェーン収益の拡大など、様々な改善努力を積み重ねた結果、高水準の利益を確保できた」とのこと。

販売台数については、トヨタ・レクサスブランドで1,027.4万台 、グループ全体(ダイハツ・日野含む)で1,101.1万台となり、特に電動車の販売は474.8万台と好調で、トヨタ・レクサス販売台数全体に占める割合は46.2%に達しています。

地域別の利益獲得状況は「悲喜こもごも」

地域別の営業利益では、日本は仕入先基盤強化による費用増がありつつも高水準の利益を確保。

北米では品質問題による工場稼働停止の影響などにより減益となったほか、アジア・その他地域(中南米、オセアニア、アフリカ、中東など)は価格改定や営業努力などにより増益へ。

株主還元としては、2025年3月期の年間配当は前期から15円増配となる90円となり、これは減益となった状況でも、長期にわたって株式を保有する株主へ報いるため、安定的・継続的な増配を実施するという方針に基づくものである、と発表されています。※2026年3月期では95円の増配を見込む

L1014312

トヨタの2026年3月期は見通しは減益なるも、未来への投資は継続

2026年3月期の連結営業利益は3.8兆円が見込まれており、これはつまり前期から「1兆円」の減益予想ですが、トヨタはネガティブな印象を投資家に与えないためか「足場固めの成果を取り込みつつ、中長期視点での総合投資を継続し、経営基盤の強化と将来の収益の柱育成を目指す」というポジティブな内容へと置き換えることに(株価対策もあるかと思うが、最近の決算発表においては、いずれの企業もこういった”言い換え”をすることが多くなった)。

なお、米国での関税影響については、4・5月分の影響見込みを暫定的に織り込んでいるとのことで、それ以降については先行き不透明さからか「考慮に入れていない」のだと思われ、もし関税が今後も継続されるのであれば、さらなる「減益予想」へと修正がなされるのかもしれませんね(いくつかの自動車メーカーが第1四半期の決算を発表しているが、BMWなどいくつかの自動車メーカーは関税が長続きしないと見ているようだ)。

販売台数については「生産台数の回復」を見込んでおり、トヨタ・レクサス販売台数は前期比101.2%増の1,040万台、連結販売台数は前期比104.7%増の980万台を計画しているほか、電動車販売台数も増加を見込んでおり、トヨタ・レクサス合計では518.4万台となる見通しであることもアナウンスされています 。

L1008264

将来の業績に影響を与える可能性のある要因

決算資料では、今後の業績に影響を与える可能性のある様々な要因にも言及していて、これには、経済情勢や自動車市場の需要・競争環境、為替相場や株価、金利の変動といった金融市場の状況が含まれますが、その他にも、以下のような要因が挙げられています。

•効果的な販売・流通、生産効率の実現と設備投資を実施する能力

•安全性、貿易、環境保全、自動車排出ガス、燃費効率などに関する法規制や政府政策の変更、および訴訟などの法的手続きの結果

•営業活動を行う市場における政治的および経済的な不安定さ

•顧客ニーズに対応した新商品の開発能力と市場での受容性

•ブランドイメージの毀損

•仕入先への部品供給への依存や原材料価格の上昇

•デジタル情報技術および情報セキュリティへの依存

•燃料供給不足、電力・交通機能のマヒ、ストライキ、労働力確保の困難さ

•自然災害、感染症、戦争、テロなどによる生産・販売への影響

•気候変動および低炭素経済への移行の影響

•有能で多様な人材を確保・維持する能力

合わせて読みたい、トヨタ関連投稿

トヨタ
トヨタは2027年までに「15台の新型EVを発売し、現在の7倍に相当する100万台の生産を目指す」。いかにトヨタであってもこれは非常に困難な目標である

| 日本と中国に加え、アメリカでも新型EVの生産を開始 | 中国の自動車メーカーが生産・販売するEVに打ち勝つのは容易ではない さて、「トランプ関税」に揺れ動く自動車業界ですが、ヒョンデなど一部自動車 ...

続きを見る

トヨタ bZ7、「日中合作」の量産仕様として初公開:ファーウェイとによる”HarmonyOS”搭載の先進EVセダン
トヨタ bZ7、「日中合作」の量産仕様として初公開:ファーウェイとによる”HarmonyOS”搭載の先進EVセダン

Image:TOYOTA | 新型トヨタbz7はトヨタが現地にて開発した「中国の嗜好にマッチした」EVである | そのため、このbz7は現地でも高い競争力を持つものと思われる さて、トヨタは上海モータ ...

続きを見る

レクサス
トヨタ、中国・上海でレクサスEV専用工場を建設へ──新エネルギー車開発で戦略的協定を締結、自動車業界では世界で2例目の「独資」、日本企業では「初」

| トヨタは中国市場を「諦めず」現地自動車メーカーと徹底抗戦の構え | トヨタにとって中国は「まだまだ伸ばせる」市場でもある 2025年4月22日、トヨタ自動車株式会社と中国・上海市政府が「新エネルギ ...

続きを見る

参照:TOYOTA

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->トヨタ/レクサス(Toyota/LEXUS), ■自動車各社業績/ランキング/記録等
-, , ,