| メルセデス・ベンツSLCは廃止?継続? |
現行(R172)メルセデス・ベンツSLCは「SLK時代」から数えると登場以来7年を経過しており、結構な長寿モデルに。
ときどきその去就について話題が出ますが、今回はメルセデスAMGのボス、トビアス・メアース氏が「まだ次期SLCはどうなるかわかからない」とコメント。
SLCはCクラスをベースとした小型オープン(メタルトップを持つ)スポーツですが、現在この市場は縮小傾向。
よってアウディTTも頻繁にモデルチェンジをできない「長寿」モデルとなり、かつプラットフォームも現行モデルではゴルフと共有することとなっています。
BMW Z4も単独では開発費を賄えないためにトヨタ・スープラと開発費を分担する形で共同開発を行うなど、なにかと「存続そのものが危ぶまれる」セグメントですね。
次期SLCが登場するならばポルシェ718の有力な対抗馬に
今回メルセデスAMGからコメントがあったのは、「次期SLCはAMGによって開発される」と言われているためで、これによって戦闘力を高めてポルシェ718ボクスター/ケイマンに対抗しようという狙いがあるようです。
この「ポルシェ対抗」の話は結構前から出ていて、というのもメルセデスAMGは「GT」で911を、「GT 4ドアクーペ」でパナメーラを狙うなど、なにかとポルシェを目の敵に。
そして新型SLCでは718ケイマン/ボクスターのポジションを狙うということになりますが、AMGは「(メルセデス・ベンツベースではなく)独自開発モデルを多く持ちたい」という希望を持っており、かつメルセデス・ベンツ本体の開発を一部担当する機会も増えています。
実際に新型メルセデス・ベンツCLSとメルセデスAMG GT4ドアクーぺはメルセデス・ベンツとAMGとの共同開発となり、新型GクラスのフロントサスペンションもAMGの開発によるもの。
おそらくは次期SLもAMG主導による開発となりそうですが(これについてはメルセデス・ベンツ会長、ディーター・ツェッツェ氏が公式に登場を示唆している)、次期SLCについても「もしゴーサインが(メルセデス・ベンツから出れば」いつでも開発にかかれるとトビアス・メアース氏は意欲を示しており、いったん前に進むと決定されれば、次期SLCにかけられる情熱も相当なものとなりそうですね。
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メルセデス・ベンツSLの次期モデルはAMGの設計になる、という噂。
現在SLはAMG GTやSクラス・カブリオレの陰に隠れて地味な存在になっており、ちょっとかわいそうなイメージもあります(一世を風靡しただけに)。
そこで次期SLはよりスポーティーな性格を押し出して存在感を強めるためにAMGにその開発が任されると言われていますが、これは論理的に考えると「ありうる」というか「そうすべき」選択でもありますね。
というものAMG GTとSLは性格がよく似ており、これを別々に開発するのもコストや時間の無駄と言ってよく、どうせなら一緒にしてしまった方が、とは思います(その場合AMG GTロードスター系はどうなるのか、という疑問はありますが)。
加えて現在AMGは「AMG GTの4ドア版」を市販に向けて開発中とされ、このあたりはもう「ひっくるめて」考えた方が良さそうですね。
現時点でこういった「噂」が出ているレベルなので次期SLが発売されるのはまだ先になりそうで、しかしAMGが開発したものをメルセデス・ベンツブランドとしても販売するのか、それとも次期SLはAMG専用モデルになるのかも不明。
AMG自体、元は「いちチューナー」であったものをメルセデス・ベンツが買収して子会社化したものではありますが、年々その役割や存在感は大きくなる一方であり、さらには「プロジェクト1」の登場によって一気にAMGのスポーツイメージが高くなると思われ、そうなると「メルセデス・ベンツではサルーンに特化、AMGからはスポーツモデルを発売」というような分化が進んで行くのかもしれません。