| いかにロールスロイスのデザイナーが優れていようとも、それを形にする現場の技術が追いつかない? |
中国最古にして最大級の自動車メーカー、FAW(中国第一汽車集団)の展開する高級車ブランド、紅旗(ホンチー/Hongqi)。
そのフラッグシップたる「L5」はその価格約9000万円、そして中国共産党幹部が乗るクルマとして知られ、G20など外国で重要会議が催される際にもVIPとともに現地を訪れることが報じられています。
その価格8600万円!ロールスロイスのデザイナーを獲得した「紅旗」が発売する、中国でもっとも高級なクルマ”L5”を見てみよう
紅旗には一般人向けのモデルも
ただ、紅旗にはほかにもいくつかのモデルがあり、「H7」「H5」といったクルマも。
これらのクルマについては一般人も購入できるようですが、その価格については謎(中国の自動車メーカーは価格を最優先表示する傾向があるものの、紅旗は”格”を重視しているためか、価格情報を載せていない)。
そして今回画像が流出したのが「H7」のフルモデルチェンジ版。
このH7(現行)は全長5095ミリ、全幅1875ミリ、全高1,485ミリという堂々たるサイズで、エンジンは3リッターV6、出力は230馬力というスペックです。
そのサイズからするにメルセデス・ベンツEクラス~Sクラス、BMW 5シリーズ~7シリーズあたりのライバルとなりそうで、価格についても「そのあたりと同じ」なのかも。
なお、ここで取り上げたのは、現在紅旗のチーフデザイナーが、最近までロールスロイスに在籍し、ロールスロイスの業績を上向かせたという功績を持つジャイルズ・テイラー氏だから。
紅旗はジャイルズ・テイラー氏の獲得によって商品力を向上させ、世界中へと「輸出」を行いたいという意向を持っているようで、「これからどう変わるのか」は注目に値する、とぼくは考えているわけですね。
ちなみにこちらは紅旗が以前に公開したティーザー画像。
かなり特徴的なLEDデイタイムランニングランプを持っていますね。
そして紅旗のブランド名を示すかのような「レッドのアクセント」も健在です。
こちらはリア。
クーペスタイルの流麗なフォルムを持つようです。
やはりデザイナーには独特の個性がある?
そしてジャイルズ・テイラー氏が移籍した後に紅旗で発表したのがこの「S9」。
新型H7と共通するフロント周りを持っていて、H7ともども「ロールスロイスっぽい」雰囲気も見られます。
ロールスロイスのデザイナーが移籍した中国・紅旗。カリナンっぽいSUV、1,400馬力のハイパーカー(0-100km/h加速1.9秒)S9を発表。ただし詳細は明かされず
それを考えると、やはりデザイナーの作品には「その嗜好が反映される」とも言えそう。
ただ、紅旗も「ロールスロイスという作品を見て」ジャイルズ・テイラー氏をスカウトしようと決めたのだと思われ、よって(本人の意向は置いといて)紅旗においても”ロールスっぽい”デザインを同氏に求めているのかもしれません。
しかし、今回の新型H7、S9を見ても、ジャイルズ・テイラー氏のデザインに「現場」がついてこれていないような印象も受け、細部の仕上げに「中国っぽい」ところが見られるように思います。