| この「ラウンジ」という考え方自体は珍しくないが、ヒュンダイはさらに可能性を追求 |
ここしばらくでヒュンダイのデザインには一定の共通性が見られるように
さて、ヒュンダイ(ヒョンデ)がロサンゼルス・モーターショーにて「SEVEN(セブン)コンセプト」を発表。
これはミッドサイズSUV「アイオニック7」の市販モデルを予告するもので、ラウンジのようなインテリアを持つ「ミニバン型未来派モビリティ」。※アイオニックはヒュンダイのエレクトリックブランド
ヒュンダイ・モーター・ノース・アメリカ社長兼CEOのホセ・ムニョス氏によると、「SEVENコンセプトは、電動化されたモビリティの未来に向けたヒュンダイの創造的なビジョンと高度な技術開発を示すものです。その革新的な室内空間、環境に優しいパワートレイン、そして最先端の安全性と利便性の技術は、現代自動車のSUVのお客様にとってエキサイティングな未来を示すものです」とのこと。
ヒュンダイ・セブン・コンセプトはこんなクルマ
このセブン・コンセプトにつき、ヒュンダイが開発したエレクトリック・グローバル・モジュラー・プラットフォーム(E-GMP)をベースにしており、もちろんパワートレーンはフルエレクトリック、航続距離は300マイル(483km)以上、、10~80%の充電をわずか20分で行うというのが「目標スペック」。
セブン・コンセプトの外装にはバイオペイントが施され(その詳細は不明)、内外装にはエコロジーに配慮した素材を使用しているといい、たとえば内装では、鉱物性漆喰、竹材やカーペット、バイオレジンなどのほか、ほとんどがリサイクル素材や再生可能素材でできています。
エクステリアについては、一般的なSUVとは異なる、空気力学的にピュアなシルエットを目指しましたといいますが、ちょっと前に発表された「スターリア」を連想させ、アイオニック5にて導入されたパラメトリック・ピクセル・ライトを採用するなど「ヒュンダイらしい」デザインに仕上がっているようですね(車両の起動時にはアニメーション表示がなされる)。
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ヒュンダイ・セブンが重視したのは「インテリア」
そしてヒュンダイが強調するのは「外にあるものより、中にあるもの」を重視したということで、つまりはインテリアこそがこのヒュンダイ・セブンのハイライトということになりそう。
エレクトリックモデル専用プラットフォームのメリットを活かしてホイールを可能な限り端に寄せ、3.2mのホイールベースを確保することで室内の容積と快適性を最大限に高めており、ラウンジ状の空間を実現するため、従来のシート列を捨てて、セクショナルカウチ(ソファ)と回転式シートを採用しています。
また、インテリアには抗菌作用のある銅を多用し、ファブリックにも銅を織り込んでいるそうですが、”衛生的なエアフローシステム”の採用により、空気はルーフレールを通って後輪の後ろの通気口からキャビンの外に排出されるほか、乗客が車から降りた後に室内をUVC除菌することも可能だとしており、つまりは「公共モビリティ」として不特定多数の人が乗車することを考えているのでしょうね。
車内のコンソールは「ユニバーサル・アイランド」と呼ばれ、ここには冷蔵庫などの家電製品や、シューズを収納するシューケア・コンパートメントなどが収められており、ルーフ内張りには、エンターテイメント等のコンテンツを表示し、また室内全体の雰囲気を(照明によって)変えることができるパノラミック有機ELスクリーンを搭載しています。
なお、運転席は回転することができ、使用しないときにはステアリングホイールなどが格納されて隠れるようになっていて、これを見るに、ヒュンダイはセブン・コンセプトを完全自律走行車として想定しているもよう。
よってコックピットをスリムかつコンパクトに収め、その後ろの居住空間を最大化したということになりますが、コーチドアをピラーレスとし、キャビンへのアクセスについても考慮されています。
ヒュンダイ・グローバル・デザイン部門のシニア・バイス・プレジデントであるサンヤップ・リー氏は「セブン・コンセプトは、あえて既成概念にとらわれないデザインを採用しました。個性を損なうことなく、ユニークな空力的なピュアフォームを用いており、EV時代に必要なSUVのあり方を進化させます。インテリアは、家族のリビングスペースとして新次元の空間を提案しています」と語ります。
上述のとおり、このセブン・コンセプトは「アイオニック7」を示唆すると見られているものの、現時点では技術的に解決せねばならない問題も多いように思われ、市販時にはかなりトーンダウンしてしまうか、発売自体を数年先に伸ばすことで実現性を高めるのかもしれませんね。
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参照:Hyundai