| ヒュンダイ/ジェネシスは他の自動車メーカーとはちょっと変わった未来像を描いているようだ |
各自動車メーカーとも方針は様々だが、現時点では「どれが正しい」のかはわからない
さて、「なにか重大な発表を行う」とコメントしていたヒュンダイの高級ブランド「ジェネシス」。
今回その発表を行い、2025年以降発売する新型車にはすべてピュアエレクトリックパワートレーンを搭載し、2030年にはゼロエミッション車を8車種にまで拡大するとともに、全世界で40万台の販売を目論み、2035年には完全なカーボンニュートラルを達成するとコメントしています。※あくまでも2025年にフル電動車を既存モデルのバリエーションとしてラインアップするということだと思われ、2025年にガソリン車撤退を行うという意図ではないものと考えられる
戦略のコアは「デュアル・エレクトリフィケーション」
この内容によると、ジェネシスは今後、デュアル・エレクトリフィケーション戦略を採用することになり、バッテリー駆動や水素燃料電池を搭載したモデルも将来の製品計画の一部に。
より高性能なリチウムイオン電池、より高出力の燃料電池、そしてより効率的な電気システムの開発を行ってゆくとコメントを行っています。
ジェネシスの最初のEVは先日発表されたばかりのGV60で、年内に一部の市場で販売される予定だとされ、ベースモデルは226馬力(169キロワット)、ミッドレンジの全輪駆動モデルは325馬力(242キロワット)、トップレンジは436馬力(325kW)というスペックを保有することもわかっています。
-
ヒュンダイが高級EV「ジェネシスGV60」発表!「過剰デザイン」「過剰演出」がライバル対抗のために選んだ手段のようだ
| やはり見た目は大事。現代においてはかなりな訴求力を持つと思われる | ジェネシス特有の「ツーライン」「分割クワッドランプ」は健在 韓国ヒュンダイ(ヒョンデ)の高級車ブランド、ジェネシスより「初」の ...
続きを見る
今回の動画において、ジェネシスは「私たちは、お客様の五感と対話することを目指しています。私たちの新しいアーキテクチャーは、大胆なテクノロジーと息を呑むようなデザインを融合させ、細部までこだわった真摯な体験を提供します。温かく精巧なケアが、私たちの差別化要因となるでしょう」とコメント。
現時点ではまだまだ抽象的すぎて何が起きるかはわかりませんが、動画の中では「エアモビリティ」についても触れており、これは先日ヒュンダイが公表した「ハブ空港を建設し、短距離での”空飛ぶクルマ”の運用を行う」という構想とシンクロしており、ヒュンダイのプロジェクトにジェネシスもなんらかの形で参画するのかも。
現在、「空」を目指す自動車メーカーにはトヨタそしてポルシェがありますが、一方でアウディは撤退を表明。
-
【動画】ヒュンダイが変形ロボットカー「タイガー」発表!ドローンと合体して空を飛び、4本のタイヤつき「脚」を使用してどんな地形にも対応。月や惑星探査も視野に
| ロボット産業は採算に乗せるのが難しいと言われるが | さて、ヒュンダイが「合体ロボットカー」という、激しくメカ好きの魂を揺さぶるコンセプト、タイガーX1を公開。これは2020年にヒュンダイ内部にて ...
続きを見る
さらにヒュンダイはロボット会社「ボストンダイナミクス」を買収しており、これと連動した新たな動きがヒュンダイそしてジェネシスにも見られるものと思われ、「自動車」の形態も今後どんどん変わってゆくのかもしれません。
-
【動画】ヒュンダイ×BTS!買収したボストン社のロボット犬「スポット」とBTSがダンスを踊り、ロボット産業への本気を見せる
| 「空」「公共交通機関」への興味を示す自動車メーカーは多々あれど、今のところロボットに興味を示すのはヒュンダイをおいて他に無いようだ | ヒュンダイはロボット産業を成長分野だと捉えている さて、ヒュ ...
続きを見る
ジェネシス以外のメジャーメーカーはこういった対応を行う予定
そのほかのメジャーメーカーでは「電動化」「ガソリンエンジンからの脱却」についてはこういった意向を示していますが、いずれも流動的であり、加えて「一部市場(主に中国)ではガソリン車を残す」「サーキット走行専用モデルとしてガソリン車を継続する」「全廃期限以前に発売した内燃機関搭載車については、期限到来以後も継続販売する」といった例外も見られ、以下ではそういった例外を除いた「全体の流れ」についてのみ記載しています。
参考までに、トヨタは2017年に「ガソリン車全廃」と宣言したものの、最近のコメントでは「少なくともあと30年はガソリン車を残す」と翻意するなど、各自動車メーカー内でもその方針が大きく揺れていることがわかりますが、自動車生産台数「世界一」を争うトヨタとフォルクスワーゲンとが「逆」の戦略を持つのは興味深いところでもありますね。
自動車メーカー電動化へのロードマップ
- フォルクスワーゲン・・・2035年までにガソリン/ディーゼルを全廃
- メルセデス・ベンツ・・・2031年までにガソリン/ディーゼルを全廃
- アウディ・・・2026年までにガソリン/ディーゼルを全廃
- アストンマーティン・・・2030年までにガソリン/ディーゼルを全廃
- ランボルギーニ・・・2024年には全車ハイブリッド
- トヨタ・・・現時点では完全電動化の時期を設定せず、市場動向を見ながら随時対応
ジェネシスが公開した今後の方向性に関する動画はこちら
合わせて読みたい、関連投稿
-
メルセデス・ベンツが「あと10年でガソリエンジンはほぼ廃止」「ピュアEV注力のためPHEVは開発しない」と宣言。ますます業界はEV化を加速
| ついにメルセデス・ベンツまでもが脱ガソリン宣言 | ただし明確な時期についてはコメントせず、「流れ」に任せるという意向も さて、先日はフォルクスワーゲンが「2035年までにガソリンエンジンを全廃す ...
続きを見る
-
アストンマーティンが方針転換!「2025年にはすべて電動化」「2030年にはガソリン車廃止」「2030年の販売構成はピュアEVが50%、スポーツHVが45%、サーキット専用モデル5%」
| アストンマーティンは新体制への移行とともに計画を大きくシフト | さて、ローレンス・ストロール体制になった後、続々と新しい計画を発表しているアストンマーティン。ただし新しい計画を発表するということ ...
続きを見る
-
ランボルギーニが2025年までのロードマップを発表!2024年にはガソリン車を全廃し全車ハイブリッドに、そして2025年以降には「初の」EVを発表
| ランボルギーニは新たなる新天地「コル・タウリ」を目指す | ついに「第4の」ランボルギーニ投入計画が具体的に さて、ランボルギーニが予告通り「将来のヴィジョン」について公開。これはランボルギーニC ...
続きを見る
-
アウディが「2026年以降、ガソリン/ディーゼルエンジン搭載車を一切発売しない」。HV、PHEVからも手を引いてピュアエレクトリックブランドへと移行
| まさかアウディがここまで早くエレクトリック化を進めるとは | 一方、フォルクスワーゲングループと世界1、2を争うトヨタは「今後30年はガソリンエンジンを捨てない さて、アウディは積極的に電動化を進 ...
続きを見る
-
トヨタが株主総会にて改めて「EV一辺倒にはならず、ガソリン車も残す」と明示。なぜトヨタはエレクトリック化に躊躇するのか?
| トヨタは「出遅れている」のではなく、そもそもEVレースに参加する気がないようだ | メジャーメーカーの中で唯一「電動化一辺倒」ではないトヨタ、その勝算は? トヨタが株主総会にて、改めて「EVは時期 ...
続きを見る
-
VWが2035年までに「ガソリンエンジン全廃」と発表!アウディの「2026年」といい、思ったより速く電動化が進みそうだ
| プレミアムカーメーカーほど、ガソリン脱却を素早く行うことになりそうだ | もうガソリン車が走ることができない未来が差し迫っている さて、フォルクスワーゲンが「2035年までに、すべての内燃機関(ガ ...
続きを見る