| 最近のポールスターはすっかりボルボからデザイン的に離れてしまった |
ボルボ傘下にある高級EVブランド「ポールスター」がフルエレクトリックパワートレーンを採用する「プレセプト・コンセプト(Precept Concept)」発表。
これはポールスターの新しい方向性を表すもので、先進的なデジタルインターフェース、サステイナブルな素材、最先端の安全性を備えたクルマとなっています。
ポールスターCEO、トーマス・インジェンラス氏によると「このプレセプト・コンセプトは社会そして現在自動車メーカーが置かれる現状への我々の回答であり、遠い未来を示したものではない。近い将来に発表するクルマのプレビュー的存在であり、我々がどのように環境へのインパクトを最小化することができるかという挑戦でもある」。
プレセプト・コンセプトの外観/装備はこうなっている
このプレセプト・コンセプトは一見するとスポーツクーペのように見えますが、実際は観音開きドアを持つ4ドアクーペ。
ホイールベースは3メートルオーバーとかなり長く、フロアに巨大なバッテリーパックを収めます。
ポールスターは上述の通りボルボの高級EVブランドではあるものの、最近では当初の計画からやや路線変更を行い、今ではエンブレムやグリル含めて「ボルボっぽさが消失」。
ただしボルボのデザイン的特徴であるデイタイムランニングランプ”トールハンマー(マイティ・ソーのハンマーであるムジョルニアのこと)”はデザインを変更して再現されているようですね。
フロントには通常のガソリン車が持っているサイズの「グリル」はなく、その代わり「スマートゾーン」と命名された、センサー等が集中するセクションを保有。
リアフェンダーはプレスラインの入るマッシブな形状を持ち、そこから特徴的なテールランプへと繋がります。
なお、ボルボは現在中国は吉利汽車傘下にありますが、もちろんポールスターも吉利配下。
2017年10月に上海にて「ポールスター1」が発表されるところからスタートするも、こちらはまだバッテリー性能が十分ではなかったのか、ピュアエレクトリックではなく「PHEV」。
フロントに2リッター直6ガソリンエンジン、リアにエレクトリックモーターを2基搭載しています。
そしてポールスターの大きな特徴は「中国製」。
四川省成都にあるポールスター専用の工場「ポールスター・プロダクション・センター」にて製造されていると報道されていますが、ボルボ自体も生産をすべて中国へと移管する方向にて動いていますね。
なお、ルーフ上にあるのは自動運転には欠かせないLiDARシステム。
そしてドアミラーの代わりにカメラが装着されていることも見て取れます。
ポールスター「プレセプト・コンセプト」のインテリアはこうなっている
そしてこちらはプレセプト・コンセプトのインテリア。
パネルやシートバックなど「硬い」部分は亜麻をベースとした天然素材で整形されているとのことですが、これは最近ポルシェが「718ケイマンGT4クラブスポーツ」にて採用した素材と同様(トヨタもGRスープラGT3に採用している)。
シート表皮はペットボトルからのリサイクル素材が使用され、シートのサイドサポートはコルク、フロアマットは漁業用ネットからのリサイクル素材をしようしているのだそう。
インフォテイメントシステムはアンドロイドをベースとし、センターには15インチサイズのタッチ式ディスプレイ、メーターパネルには12.5インチの液晶パネルが用いられています。
自動運転を標榜したコンセプトカーながらも現実的なステアリングホイールやコラムを持ち、これを見るに「遠い未来のクルマではない」という主張も納得できますね。