| SUV市場が過密になった今、ミニバンが中国そしてアメリカ、欧州の自動車メーカーから「新天地」として注目を集めている |
現時点ではほぼトヨタの一人勝ちではあるが、トヨタはライバルの猛襲に備える必要がある
さて、ボルボが突如「新型ミニバン」EM90のティーザー動画を公開。
ミニバン人気はこれまで日本特有のもので、そこから東南アジア、そして香港や中国へと飛び火した形となっていますが、まだまだ選択肢が少なく、現在のところトヨタ・アルファード、レクサスLMあたりが大きなシェアを占めると言われています。
一方、これまで最も人気の高かったボディ形状である「SUV」は市場にライバルがひしめきあっており、これ以上SUVを追いかけても投資に対するリターンが少ないであろうことが予想され、自動車メーカーにとってもはや「SUVは儲からない」、そして「SUVの次を探さねばならない」状態なのかもしれません。
現時点で可能性が高いのは「ミニバン」
そこで多くの自動車メーカーが現在注目しているのが「ミニバン」。
しかも普及価格帯ではなく「高級」ミニバンであり、これはレクサスLMがその市場の可能性を示したことで脚光を浴びたセグメント。
外界と遮断された空間で快適に移動したいと考える富裕層は少なくはなく、しかし現在それを取り込めるミニバンはほぼレクサスLMのみとなっていて、まずは中国の自動車メーカーが相次ぎ高級ミニバンを発表している、というのが直近の状況でもありますね。
そして今回はボルボもその市場を狙うということになりますが、今回公開されたティーザー動画を見てみると、まずは北欧調の快適そうな室内が映し出され・・・・。
カメラが引くと、その室内はマンションの一室ではなく、クルマの室内であることがわかります。
さらにカメラが引くと、ミニバンを上から見た全景へ。
そのあとは「Make room for life」という一文が表示され、このミニバンが快適な室内、あるいはオフィスでも自宅でもない「サードプレイス」としての役割を担うであろうことを予感させます。
ボルボのミニバン「EM90」はどんなクルマに?
現在このボルボ EM90についてわかっていることは多くはなく、ティーザー動画からは「パノラマルーフを持つこと」「(ドアハンドル形状から見て)スライドドアを持つであろうこと」「テールランプがトールハンマー」「リアガーニッシュに白い”VOLVO”文字が光る」ということくらい。
そしてこのボルボの高級ミニバンについては、今年1月にボルボ・カーズ・グレーター・チャイナ・セールス・カンパニーのプレジデントがメディア向けに行ったプレゼンテーションの中でその存在を示しており、それが今回実現するということになりそうですが、中国のメディアはこのボルボEM90とZeekr 009とが車体を共有することについて言及済み。
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実際のところ、今でも「ボルボ、ロータス、Lynk&Co、Zeekr」といった吉利汽車内の各ブランド間で車体やドライブトレーンの共有が行われていることを考慮するに、ボルボEM90とZeekr 009とが車体やエレクトリックパワートレーンを共有すると聞いても驚くには値せず、むしろシナジー効果を出すには「そうしないほうがおかしい」といった印象も。
もちろんボルボはこのZeekr 009の人工的なフェイスを「北欧風(スカンジナビアンスタイル)の」ナチュラルなルックスへ置き換え、かつトールハンマーをヘッドライト内部に仕込んでくるものと思われますが、パワートレーンについてもZeekr 009同様にデュアルエレクトリックモーターに4WD、システム合計出力544馬力というスペックが与えられることになるのかもしれません。
このボルボEM90の価格帯はもちろん、販売される地域などについても不明ではあるものの、まず中国へと投入されるのは間違いなく、アウディ、ビュイックが投入するであろう中国市場向け高級ミニバンと真っ向からぶつかる存在になるものと思われます。
ボルボの新型ミニバン、EM90のティーザー動画はこちら
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参照:Volvo Cars