ポールスターがVW / アウディにて25年活躍したデザイナーを獲得と発表。相変わらずVWグループではデザイナーの流出が止まらない

｜　ポールスターは非常に洗練され完成されたデザインを誇っていたが、それがどう変わってゆくのかは楽しみである　｜

一方、アウディは旧来のデザインを捨てて新しい方向性へと進んでいる

さて、ボルボの高級エレクトリックブランドとしてスタートた後に独自の展開を進めるポールスター。

今回同社がチーフデザイナーとして（マキシミリアン・ミッソーニ氏の公認として）フィリップ・レーマーズ氏を任命したと発表しています。

このフィリップ・レーマーズ氏はフォルクスワーゲンに入社した後カーデザイン一筋にて進んできた人物であり、そのキャリアは25年にも及びますが、直近ではアウディにてエクステリアデザイン責任者を努め、A6はじめいくつかのデザインを行ったことでも知られます。

ポールスターは「デザイン主導」の自動車メーカーである

なお、ポールスターは他の自動車メーカー（ブランド）とは少し方向性が異なっており、その異なる部分とは「デザイン主導型」であり、けして機能や性能を売り物にしているわけではないということ。

実際のところ、これまでにもO2コンセプトやポールスター4など数々の魅力的で独創的なクルマを発表しており、そしてこの6年間ポールスターのデザインを率いてきたのはマキシミリアン・ミッソーニ氏。

こういった「デザインを全面に押し出した」ブランドのデザイナーを引き受けることは大きなプレッシャーだと思われますが、フィリップ・レーマーズ氏は以下のように意気込みを語っています。

「次世代のポールスターのクルマをデザインできるのを楽しみにしています。ポールスターはデザイン主導の自動車会社の模範であり、デザイン部門の責任者を引き受けるのは大変名誉なことです。

参考までに、同氏はアウディ在籍時代に自身の功績のハイライトとして（最近フェイスリフトされた）アウディe-tron GTを上げていますが、このほかにも同氏は評価の高かったゴルフ7、B6世代のパサートのデザインにも関わることに。

それだけに新天地にてその経験と鋭い感性を発揮することが期待されており、ポールスターの最高経営責任が語ったのは以下の通り。

「マキシミリアン・ミッソーニは”美学、高級感、性能”を真にポールスターらしい方法で組み合わせ、革新的なデザイン基準を確立する上で重要な役割を果たしてくれました。そして今回、フィリップをポールスターに迎えることができてうれしく思います。フィリップの自動車デザインに対する現代的なアプローチと、高級・高性能セグメントでの経験は、モデルラインナップの開発で次のステップを踏み出す上で、本当に役立つでしょう。」

フィリップ・レーマーズ氏は1979 年にケルンで生まれ、フォードのデザインスタジオでの職業体験プログラムに参加した少年時代に「自動車デザイナーになりたい」という夢を描いたそうですが、その後はプフォルツハイム大学に進学して交通デザインを学び、2005年にフォルクスワーゲンへと入社しています（2014年にアウディに移っている）。

なお、フォルクスワーゲングループは非常にデザイナーの流出が多く、傘下の各ブランドから様々な他ブランドへとデザイナーが移っており、そして移籍後に大きな活躍を見せるデザイナーも少なくはありません。

フィリップ・レーマーズ氏もその一人となることを願わんばかりですが、一方で（フォルクスワーゲングループに属する）ベントレーはボルボのデザイナーを獲得しており、デザイナー市場には「けっこう活発な」動きがあるようですね。

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参照：Polestar