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トヨタ「過去最高の売上高、利益」の裏には「下請けいじめ」?トヨタとは反対に系列のデンソーなどは軒並み「減収減益」のナゾ

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| 日本古来の「地主と小作人」という関係は21世紀になっても変わらない |

ダイヤモンド・オンラインにて、”トヨタ、過去最高益の裏にある新次元の「ケイレツ搾取」”という記事が公開に。
これは、トヨタの発表した「2020年3月期上半期の決算につき、売上高と純利益が過去最高」であったのに対し、トヨタの系列会社であるデンソー、アイシン精機が減収減益となっていることに注目したもの。
つまり、トヨタの「好調」は、系列会社からの搾取の上に成り立っているのではということですね。

トヨタは「合理的な判断」が出来る会社だ

今回トヨタの発表した上半期決算の内容は、連結ベースで売上高4.2%(前年同期比)増、純利益は2.6%増。
それぞれ15兆2856億円、1超2750億円という内容です。

ダイヤモンド・オンラインでは、この理由は大きく分けると2つあると分析しており、ひとつは「原価低減」、そしてもうひとつは「販売台数の増加」と見ています。

原価低減について、トヨタは昔から「カンバン方式」を採用してきたことでもわかるとおり、効率や合理性を重んじる会社。
最近だとTNGA思想に基づき、プラットフォームや、エンジン・トランスミッション含むドライブトレーンの共通化にはじまり、グローバル的に見て、一部地域でしか展開していない「ヴィッツ」や「オーリス」を廃止して世界共通車種としたことや、「スープラ」の共同開発、北米においては新型ヤリスを「MAZDA2」のOEMとしたことなど、製品単位で「無駄な支出」を排除してきたことがわかります。

トヨタが今後新型車に採用するトランスミッション、エンジン、4WD、HV技術を公開。燃費を18%削減可能

さらにもっと大きな視点だと、マツダやスバル、スズキとの関係性を強め、それぞれの会社の強い部分を活かす形で業務提携を行い、「それぞれの会社が、同じことをして支出を増やさないように」という考え方も推し進めています。※トヨタはグループ内でも「重複事業の廃止」を推進中

このあたりはホンダのような「なんでも自社で行う」という純血主義に比較すると情熱が感じられないようにも見えますが、トヨタは自動車メーカーでは数少ない「創業者一族が経営を行う」自動車会社であり、代々のトヨタ自動車社長は、幼少の頃から会社(トヨタ)を存続させること、一族の利益を守ることを叩き込まれてきたのだと思われ、ここからくる「合理的な経営判断」だとも考えられます。

つまり、生き残るためには何かを切り捨てないといけないという判断がしっかりできており、妙なプライドは身を滅ぼすことになる、ということを理解しているのでしょうね。※大義のためになにかを犠牲にできる

トヨタがEV普及に向けて本気を出した。スバルと共同開発EVのほか、合計6車種の発売計画、壮大なビジネスモデルを公開

トヨタは車種数を増やすことで販売を増加させた

そして「販売台数」については”新車攻勢”にて過去最高の販売台数を実現したということになりますが、トヨタは日産やスバルとは異なり、「人々の嗜好をすべて拾う」という考え方。

たとえば日産は「コンパクトカー」だとノート、「ミニバン」だとセレナ、「SUV」だとエクストレイルといったように、そのカテゴリの中で強いクルマが一台だけあればいい、という考え方。※最大公約数的だとも言える
車種を増やせば増やすだけ設計や生産、販売管理など「無駄」が生じるという考え方で、極度にスリム化を図っています。

スバルはといえば、コンパクトカー、ミニバン、SUVといった競争の激しいところから撤退し、かわりに「ワゴン」に特化。
プラットフォームもおそらく「SGP」のみにしたいと考えているはずで、エンジンもEJ20のように30年も「使い回す」など無駄な投資を避けています(日産と異なるのは、ニッチに特化したこと)。

スバルは北米ワゴン市場にて”85.7%”ものシェアを持っていた!残り14.3%をアウディ、ボルボなど欧州勢が取り合う中で余裕の販売を見せる

反面、トヨタは「ニッチではなくメインストリーム」「とりこぼしはならぬ」と考えているようで、たとえばコンパクトカーでも「ヤリス」「アクア」「スペイド」「タンク」「パッソ」「ポルテ」「ルーミー」「カローラスポーツ」と多数が揃います。
同じコンパクトカーであっても「価格優先」「燃費優先」「スタイル優先」「使い勝手優先」「乗員数優先」など様々なユーザーがいると思いますが、それらすべての需要を満たすクルマを「個別に」用意するということですね。

ただ、そうなると異常にお金がかかるので、上述の通り「コンポーネント共通化」「無駄な車種を統廃合する」「他社と提携する」ことによってより多くのモデルを発売し、それによって販売台数を最大化するということに。

実際のところ、2019年10月の国産車販売台数ランキングでは、トヨタはTOP50のうち実に29台を占めており(かつ上位)、こうなるともう国内市場はトヨタに牛耳られている、と考えても良さそう。
そして現代では、人々の嗜好というのは同時多発的に多種多様化していて、ぼくはトヨタの考え方が「正しい」とも考えているわけですね(フェラーリのように、強烈なコアバリューを持っている場合はこの戦略は正しいとは言えないが、フェラーリもライバルの台頭によって”多様化”を強いられている)。

トヨタ絶好調の裏で泣いているのは?

そしてここからが本題ですが、上で述べたとおり、トヨタは好調なのに、デンソーやアイシン精機が「減収減益」を記録していることには要注目。
現代の自動車は様々な安全、環境に関する規制に適合する必要があるために開発コストが嵩み、他社との競合にてより優位に立つには様々な新機軸(コネクティッド技術、運転支援技術など)を盛り込む必要があります。

記事では「クルマはハードとしての価値を失う」としていますが、これについてはぼくも完全に同意。
それはスーパーカーも同じで、かつては「速く走りたければスーパーカーを選択するしかない」というハード中心の選ばれ方をしているものの、現代では「他の人が持っていないものを持ちたい」「カッコイイから」といった選ばれ方にシフトしているように思います。
これはSUVも同じで、ほとんどのSUVオーナーがオフロードを走らないということも「SUVはハード重視で選ばれているわけではない」現実を示唆している、と言えそうです。

クルマをハードウエアとしてではなく、移動のためのモビリティという“サービス業態”として捉えるMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)なる概念が登場して以降、クルマに関する価値観は一変した。消費者にいかなるサービスを提供できるかが問題になり、近い将来には、もはやハードウエアとしてのクルマには重きが置かれない時代がやってくる。

こういった時代がやってくると、自動車の開発コストについてはこれまでとは全く異なる部分に費やされることになり、その開発を請け負う「下請け」がそのコストを負担するという現実も。

そしてトヨタはその技術を「優越的地位」によって比較的安価に手に入れ、それをクルマに実装することで魅力ある(コストパフォーマンスの良い)製品づくりが出来るということになり、これが「トヨタは最高の売上、最高の利益」なのに、系列会社が「減収減益」という”闇”ではないか、というワケです。

VIA:DIAMOND ONLINE

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