■TEST DRIVE(色々な車の試乗記) >マセラティ(Maserati)

マセラティ・ギブリに試乗。運転するときは窓全開、エンジン回転数5000回転以上でヨロシク

投稿日:2017/07/20 更新日:

マセラティ・ギブリに試乗。
マセラティはぼくのあこがれのブランドですが、なかなか購入する機会のないまま今に至ります。
ぼくにとっての「マセラティの魅力」は、とにかく「セクシー」なこと。
アウディのように機能美あふれるデザインを持っているわけでも、ランボルギーニのようにエクストリームなデザインを持っているわけでもありませんが、「他メーカーでは絶対に持ち得ないセクシーさ」を持つのがマセラティ、と認識しています。

マセラティのマークは「銛(モリ)」で、これは創業地であるイタリア・ボローニャの有名な「ネプチューン像」の持つ三叉の銛=トライデントにちなんだもの。
加えてマセラティ三兄弟(アルフィエーリ、エットーレ、エルネスト)の結束を表現している、とも言われています。

よってフロントフェンダー横にあるエアアウトレットも「3つ」など、3にまつわるデザインが多いのもマセラティの特徴でもありますね。

なおマセラティというと最近のグラントゥーリズモ、クワトロポルテ、ギブリのイメージが強く「GTカー」的印象があるものの、かつてはF1にも参戦し1957年にはワールドチャンピオンを獲得するなどモータースポーツにおいてもその存在感を発揮してきた会社。

そのマセラティが放つ最新セダンが「ギブリ」で、初のディーゼルエンジン搭載モデル、初の「1000万円以下」のマセラティとしても話題に。

ガソリンエンジンはV6一本となり、これはフェラーリF1チーム(スクーデリア・フェラーリ)でエンジン設計を行っていた人の作となり、エンジンそのものの製造もフェラーリの工場。
フェラーリのV6エンジン、というとアルファロメオ・ジュリアQ4を思い出すものの、それとは別の専用設計となるエンジンだそうで、Vバンクは60度(アルファロメオ・ジュリアQ4は90度)。

「4ドアのフェラーリ」と言っても過言ではないのがギブリですが、まずはそのスペックから。

トランスミッション:8速 AT
全長 x 全幅 x 全高:4,970 mm x 1,945 mm x 1,485 mm
車両重量:1,950 kg
エンジン型式:60º V型 6気筒+ツインターボ
総排気量:2,979 cc
最高出力:350 ps(257 kW)/5,500 rpm
最大トルク:500 Nm/1,600-4,500 rpm
最高速度:267 km/h
0-100 km/h加速:5.5 秒

次いでスタイリングですが、まさに「セクシー」。
車体が大きくサイズに余裕があるために伸びやかなデザインができ、フロントはグリルを頂点に「突き出た」ようなデザイン。
フェンダーは前後とも大きくうねり、躍動感を感じさせます。

反面ヘッドライトは薄く「睨みの効いた」表情を見せ、全体の印象と相まって、すぐにでも飛びかかって来そうな猫科の動物を連想させるところ。

パーツ一つ一つの作りが基本的に大きく(トライデントもデカイい)、これは日本車やドイツ車と圧倒的に異なる部分で非常に新鮮。

インテリアも同様に各パーツが大きく(スイッチやステアリングホイールも大きい)マセラティ独特のイメージ。
余計な加飾はなくシンプル極まりないデザインを持ち、しかしそれでいて繊維さや優雅さを感じさせるつくりとなっていますが、「こういった高級感はマセラティにしか出せないだろう」という印象で、これはまさに「イタリアンデザイン」の真骨頂と言えそうです。

もはやこういった雰囲気を持つ車はほかに見られず、最近は「高級感」を出そうとするとアルミルックのトリムやパーツ類を使用するメーカーばかりなので、マセラティの内装は逆に新しくも感じます。

シートも大きく、腰掛けたときに安心感を感じさせるもので、スイッチ類も「あるべきところにあり」、最近のジャーマンスリーの車のように、車に乗り込んでスタートさせるまでに「えーっと・・・」と悩むこともありません。

言うなれば歴史と品格のあるホテルの部屋や調度という印象ですが、よくよく考えると家具であっても高級感を出すのに「アルミパーツ」を使用するわけではなく(形状や素材など本質を追求するはず)、その意味ではマセラティのインテリアはまさに「高級インテリア」としての考え方を持ち、一方で最近のインフォテイメントを重視したメーカーのメタリックな内装は「ガジェット」的印象があって、自動車といえどもその方向性が多岐に渡っているようにも感じられます。

さて実際に運転した感じですが、外装のパーツや内装の作り同様に「大きく安心感がある」という感覚。
繊細さとは対極にあるおおらかさを持っており、サスペンションやハンドリングはとくにその印象が強い、と思います。

柔らかく安定感があり粘りがあるところは「繊細で締め上げられた」ドイツ車とは大きく異なるもので、しかし柔らかいからと言って不安は皆無。
もちろん繊細でないからといって思うように操ることが出来ないわけではなく、思った通りのラインを描けるハンドリングも持っているようですね。



基本はニュートラルステア、おそらくアクセルを踏み込むとオーバーに転じる性格だと思われますが、普通に走る限りは極めて安定性が高く、何も気にせずに走れる(踏める)車だと思います。
まさに「大船に乗った」安心感のある印象ですが、こういった乗り味を持つ車もなかなか無く、記憶を探ってみた範囲で該当しそうな車だと「ポルシェ・パナメーラ」がこれに近いかもしれません。

本気のスポーツカーだとロードインフォーメーションがある程度は重要で、「対話」を重ねながらカーブを曲がったりするものですが、ギブリの場合はおおよそどんな状況でも操作した通りの反応を返してくれる懐の深さを持っており、そのためか不要な情報はドライバーに伝えないようにしているフシも。

ノイズ、バイブレーション、ハーシュネスが非常に低いレベルに抑えられており、価格帯を考えてもそれは「優秀」と言えるほど。

ギブリにおいて特筆すべきはその「エキゾーストサウンド」で、これは「フェラーリ製のエンジン」というところから想像する期待を裏切らない、素晴らしい音となっています。
低速走行時は室内に入ってくる振動や音は「極小」ですが、エンジン回転数が5000回転以上になると一気に音質が変わり、甲高いフェラーリの「あの音」に。

ギブリのエンジンは「ターボ」ではあるものの、こもったような音はなくNAのように甲高い、管楽器から発せられるような美しい音を響かせます。

思うにエンジンのバンク角が「60度」ということで排気系の取り回しにおける自由度が高く、かつ左右バンクそれぞれに独立した給排気系が与えられていることでこういった「サウンドチューニング」が可能になっているのかもしれません。

「V6でこんな音が出るとは」というのはちょっと驚きで、試乗する機会があるならば是非ウインドウを全開にしてエンジン回転数を5000回転以上にしてみることをお勧め(マニュアルモードでギアを低めにキープ)。

ギブリは外観こそ「サルーン」、そして乗り心地や静粛性も一級品のサルーンであるにもかかわらず、そのハンドリング、サウンドはまぎれもないスポーツカー(F1チャンピオンシップ獲得はダテじゃない)。
これはレヴァンテを試乗した際にも感じたことではありますが、マセラティは「サルーンはこうあるべき」「SUVはこうあるべき」というような固定概念を持っておらず、ボディ形状にかかわらず「まずマセラティであること」がもっとも重要であると考えているんじゃないか、とも思います。

「良いサルーンを作ろう」とするとすでにメルセデス・ベンツやBMW、そしてアウディやポルシェがあり、「良いSUVを作ろう」としてもそれは同じ。
マセラティが生き残るには「マセラティであり続けること」が一番重要だとマセラティ自身が理解していると思われ、ギブリはそれがよく表れている車でもありますね。

マセラティの車は、例えようとして他のメーカーで「似ている」車を探すのが難しく、また「比較」もしにくい車。
それはやはりマセラティが「他の特定の車をターゲットとした」開発を行っているのではないからだと思われ(価格設定も同じ)、やはり「マセラティはマセラティなのだ」と思います。

なお今回試乗でお世話になったのは「マセラティ箕面」さん。
八光さんが経営するディーラーの一つですが、八光さん系列はどのディーラー(他にはフィアット、ジャガー・ランドローバー、アルファロメオ、アストンマーティン、マクラーレンなどがある)の営業さんも本当に車が好きな人が多く、いつも参考になるお話を聞かせてくれます。

今回マセラティ箕面さんにおいても、マセラティのエンジンについて「Vバンクの角度」についての説明をいただきましたが、自動車ディーラーにおいて「Vバンクの角度」という話が出たのは初めて。

その他カタログにも記載されていないようはお話も聞かせていただき、大変感謝です。

この記事を読んだ人は、他にもこんな投稿を読んでいます

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でintensive911をフォローしよう!

-■TEST DRIVE(色々な車の試乗記), >マセラティ(Maserati)
-, , , , ,

© 2020 Life in the FAST LANE. Powered by AFFINGER5