ポルシェと協力関係にあるのかどうかはまだ不明
ポルシェ創業者、フェルディナント・ポルシェの孫であるフェルディナント・ピエヒ氏は「ブガッティに20億円のハイパーカーを作らせた」と世間を騒がせていますが、今度はそのフェルディナント・ピエヒ氏の息子が自身の自動車メーカーを立ち上げる、との報道。
なおフェルディナント・ピエヒ氏の母はフェルディナント・ポルシェの娘であるルイーゼ・ピエヒ。
よってフェルディナント・ピエヒ氏はポルシェ家の女系家族にあたり、1937年に生を受け、1963年にポルシェへと入社しています。
なお、技術者として非常に優秀であり、904や908の設計を行った、という記録もありますね。
ポルシェとピエヒ家とはこういった因縁がある
ただ、その後に「同族経営の弊害を理由にポルシェ家をポルシェから排除」という機運が高まったために同氏はポルシェを退社することになり、その後はメルセデス・ベンツ→アウディへ(同時期にフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェも退社せざるを得なくなり、退社後にポルシェデザインを設立。現在ポルシェデザインはポルシェに併合されている)。
その後1993年にフェルディナント・ピエヒ氏はアウディの親会社であるフォルクスワーゲンの会長に就任していますが、2002年に監査役へ、そして2015年には監査役を辞任しています。
面白いのは「フォルクスワーゲングループが、2011年にポルシェを傘下に収めた」ことで、フェルディナント・ピエヒ氏にとっては、「追い出されたポルシェを、自分が会長を努めた企業が買い取った」ということに。
ブランド名はズバリ「ピエヒ」
そして今回はそのフェルディナント・ピエヒ氏の息子が自動車メーカーを立ち上げるということになり、そのブランド名は「ピエヒ(Piëch)」。
要はそのまんまのネーミングですが、その第一号車のコンセプトモデルである「マーク・ゼロ(Mark Zero)を3月5日より開幕するジュネーブ・モーターショーへと出展する、と報じられています。
現時点でこの「ピエヒ・マークゼロ」の情報は少なく、ただしレトロな外観を持つピュアエレクトリックスポーツだとされており、車体重量は1800キロ、一回の充電あたり走行可能距離は500キロ。
そのほかエネルギー回生システムやクイックチャージ対応などの機能があるそうで、使用されるプラットフォームは「ガソリンエンジンも搭載可能」。
よって今後のバリエーションとしてガソリンエンジン搭載モデルやハイブリッドも登場するのでは、と言われています。
加えてこのプラットフォームは「セダンやSUVにも転用可能」だとされていて、「ピエヒ」は総合自動車メーカーへの発展も視野に入れている、と考えて良さそう。
ちなみにポルシェ創業者、フェルディナント・ポルシェ氏が創業した理由は「最初に周囲を見渡した時、自分が夢見てきた”小型で軽量、高効率なスポーツカーはどこにもなかった。だから自分で作ることにした」というもの。
今回のピエヒ・マーク・ゼロもイラストを見る限りでは比較的「コンパクト」で、さすがはポルシェの血を引いている、と考えて良いのかもしれません。
現時点ではポルシェと協力関係にあるのか(パーツ等の供給を受けたり、充電施設を共有するのか)、それとも対立する関係となるのかは不明。
今後の動向を見守りたい自動車メーカーがまた一つ誕生した、ということになりそうです。