「トナーレ」は「ステルヴィオ」同様に峠の名称
先日、ジュネーブ・モーターショーにて「全く新しいコンセプトカーを発表する」と発表したアルファロメオですが、実際に「Tonale Concept(トナーレ・コンセプト)」を公開。
アルファロメオはこの他にもエントリークラスの小型SUVを発売すると述べており、現在アルファロメオはFCA(フィアット・クライスラー・オートモビル)の中では稼ぎ頭、かつ伸びしろのあるブランドだという認定のもと、FCAはここにリソースを投入することにしたのだと思われます。
アルファロメオは今後大きくブランドシフトを行う可能性が出てきた
なお、今回発表されたTolane Conceptの概要は下記の通り。
- トナーレ・コンセプトはアルファロメオ初のコンパクト・プラグインハイブリッドSUV
- 成長セグメント(SUV)における、アルファロメオの美しさを示すコンセプトカー
- トナーレ・コンセプトのイタリアンスタイルには伝統や未来を投影
- アルファロメオのマニフェストに乗っ取り、細部に至るまでドライバーに配慮
- 高品質な素材がドライビングプレジャーを約束
- ドライブトレーンはエレクトリック化され、先進の技術によって高いドライバビリティを実現
アルファロメオによると、トナーレ・コンセプトはアルファロメオの伝統を現代風に再解釈したものだとされ、たとえば33ストラダーレに採用された伝統の「フォーンダイヤル・ホイール」デザインもそのひとつ(21インチ)。
サイドのボディラインは「デュエット」や「ディスコヴォランテ・スパイダー」をイメージしたもの、と発表されています。
一方でヘッドライトやテールランプ内部には新しい要素として3つのデザインを反復する「3+3」を採用するなど、まさに伝統と未来とを融合させたのがこのトナーレ・コンセプトと言えるかもしれません。
なお、アルファロメオは昨年6月に2022年までの計画を発表しており、その中には「コンパクト(C)セグメントのSUV」「ミッドサイズ(E)セグメントのSUVを投入する計画が語られていて、今回のトナーレ・コンセプトは「コンパクト」に属すると思われます。
ただ、この計画は故セルジオ・マルキオンネ氏体制下に作成されたもので、その後CEOが交代し、そこで出てきた話が「トナーレの下に位置するSUV」という、これまでになかったニューモデルなのかも。
もしこれが実現すると、現在のステルヴィオの上にひとつ、その下にトナーレ、またその下に新型コンパクトSUVということになり、「アルファロメオのSUVは合計3車種」に。
なお、「トナーレ」の名の由来は「ステルヴィオ」同様にイタリアの峠の名称から頂戴したもの。
これを鑑みるに、ほかの新型SUVも「峠」の名を関することになるのかもしれませんね。
余談ですが、最近は各自動車メーカーともそのルーツを明確にする傾向があり、その表現方法としては「国籍」。
今回のアルファロメオ・トナーレ・コンセプトも同様で、イタリア国旗を全面に押出し、フェラーリやランボルギーニもこれは同じ(アルピーヌ、ブガッティはフランスを主張)。
そしてもうひとつの方法は「伝統」をデザインに反映させる手法であり、このトナーレにおける「33ストラダーレ」のように、過去の名車やブランドの歴史を再解釈して最新モデルに与えています。
これについては、新興メーカーが「スペック」で既存メーカーを超えるだけの実力を持てるようになったこと、そして中国や中東といった市場において「伝統」をアピールすることにより、「ポっと出のメーカーとは違うのだよ」ということを該当地域の富裕層にアピールする狙いがあるのでは、と考えています。
VIA:Alfaromeo