まさかここまで急速に中国化が進むとは
ロータスが「エヴォーラGT4コンセプト」を上海モーターショーにて発表。
これは文字通り「GT4クラス」に参戦することを想定したクルマで、2020年に実際に戦うことになるレーシングカーのプレビューとなります。
ただ、驚くべきは前半分が英国国旗(ユニオンジャック)風、そして車体の後ろ半分が中国国旗風なところ。
英国と中国との融合
なお、車体後部には「BUILT IN BRITAIN(英国で作られ)」「RACING INTO CHINA(中国でレースをする)」という文字。
これはそのままの意味で、このエヴォーラGT4の開発自体は英国のロータス本社にてその経験を生かして行われることになり、参加する競技は中国国内、ということになります。
ベースは市販モデルのエヴォーラで、車体構造もノーマルに準じた「アルミの構造材を接着したもの(GT4は改造範囲が狭く、その反面参戦コストが低く抑えられる)」。
ボディパネルはカーボン製となり、補強や安全装備を加えたにもかかわらず車体重量は1200キロに収まっていると発表されています(ノーマルのエヴォーラはマニュアル・トランスミッション車で1325-1395キロくらい)。
エンジンは3.5リッターV6、出力は450馬力なのでパワーウエイトレシオは2.67と非常に優れた数値となり、最高速度は274km/h。
トランスミッションは規定に従い6速シーケンシャルを採用しています。
そして面白いのは、ロータスが中国においてドライバートレーニングスクールを開設するということ。
おそらくはここで育成した中国人ドライバーのドライブにて「オールチャイナ」チームを構成し、世界を戦うことが目標だと考えられますが、ロータスの親会社となる吉利汽車はかなり壮大な計画を持ち、レースにおいてはロータス、エレクトリックにおいてはポールスター(ボルボ)ブランドにて世界制覇を狙うことになりそう。
現在ロータスについては様々な報道がなされ、新型SUVに加えてハイパーカー「オメガ」、さらには直近のニューモデル「タイプ130」、そして既存モデルのリニューアルなど。
生産地も中国に移転する可能性が高いようですが、中国はもともと英国に対する憧憬の念が強く(アメリカを仮想敵国としている反動かも)、中国人としてもロータスを受け入れ、支持する可能性が大きいのかもしれません。
こちらはエヴォーラGT4コンセプトのコクピット。
もともとエヴォーラのシートは中央に寄っていますが、それがさらに真ん中に近い位置に移動させられていることがわかります(しかしペダル位置を考えると、この位置が本来の姿のようにすら思える。つまり市販モデルはかなりオフセットされている)。