| 発表から2年越しで生産開始。いかなる犠牲を払ってでも手に入れたいクルマだ |
つい先日、ラルフローレンによるプレタポルテコレクションに触発された「カントリー調」のポルシェ911、”ロデオ・コンセプト”を発表したばかりのルーフ。
そのルーフが今回、2018年に発表した「SCR」の生産を開始した、と発表しています。
なお、ルーフは「チューナー」というよりは、ちゃんとドイツ政府から認可を受けた「自動車メーカー」であり、ポルシェからバラの状態でパーツ供給を受け、そこに自社のパーツや技術を盛り込んでクルマを組みた立てて販売するというビジネスモデルを持つ会社。
よって販売時の車名も「ルーフ」であってポルシェではなく、基本的には「ポルシェとは別のクルマ」と認識すべきブランドでもあります(完成済みポルシェをチューンすることもある)。
ちなみにクラシック911をベースにしたクルマをリリースしていた頃、空気抵抗を減らすためにルーフにあった「雨樋」を削り取ってツルツルにしてしまうというほどのこだわりを見せており、妥協なきクルマづくりでも知られます。
ルーフSCRはこんなクルマ
そんなルーフが発表したニューモデル「SCR」ですが、見た目は930世代あたりを彷彿とされるクラシック911。
ただしその中身はRUFによる完全新設計で、ボディパネルはフルカーボンとなるオリジナル車。
ちなみにSCRのシャシーがこちら。
カーボンファイバー製のモノコックシャシーを使用してパイプフレームと組み合わせ、重量はわずか1250キロに収まるという”スーパーカー”となっています。
ルーフは昨年も独自設計、しかし見た目が911となる「CTRイエローバード」を発表していますが、そちらとの差異は簡単に言うとエンジンが「ターボか自然吸気か」。
CTRイエローバードに積まれるエンジンは”ターボ”、しかし今回発表となるSCRはその自然吸気版である4リッター・フラット6を採用し、出力は510馬力。
トランスミッションは6速MTのみというハードコアな車となっています。
一見レトロな911、しかし中身はカーボンモノコックフレーム、プッシュロッドサス採用!710馬力、最高速360km/hのルーフCTRアニバーサリーが発表
なお、ルーフSCRの価格も今回はじめて公開され、驚きの650,000ユーロ(7700万円)であることも明らかに。
生産台数が限定されているわけではありませんが、年間の生産能力が15台しかないとのことで、これが事実上の「制限」となりそうです。
ルーフSCRのインテリアはこうなっている
こちらは今回はじめて公開されたルーフSCRのインテリア。
930世代の911を彷彿とさせるデザインを持ちますが、ステアリングホイールそのものは991世代の911から拝借したもの。
シートには伝統のチェック柄を採用しています。
ペダルはいかにも頑丈そうな金属製。
クラッチペダルはオルガン式ではなく「吊り下げ式」。
メーターもクラシック911のデザインや配置に準じますが、各メーター内には液晶表示のための「小窓」が設けられています。
内外装はまさにクラシックポルシェそのものですが、ポルシェがこのクルマを黙認しているのはちょっとした謎。
これまでのルーフであれば、ポルシェからパーツを購入するのでポルシェにもメリットがあったはずですが、新型CTR、このSCRについてはポルシェ製パーツはほとんど無く、よってポルシェからすると「内外装をコピーされたクルマ」でしかないはず。
しかしそれでもポルシェが黙っているということは、RUFがちゃんと話を通している(そしてポルシェもルーフの功績を評価して認めている)、とも考えられます。