| フェラーリは今後、フルラインアップメーカーとして販売台数を追求するのか |
フェラーリがブランド初のSUV「プロサングエ」を発売するというのは隠しようもない事実ですが、最新の報道だと、プロサングエのコードネームは「F175」、そして2022年の早い時期に納車が開始されるだろう、とのこと。
ただし驚くべきはそれだけにとどまらず、「さらに2車種」も追加にてSUV投入を検討していると報じられており、この2車種はF244とF245という開発コードが付与され、すでに(プロサングエと同じプラットフォームを使用し)開発が開始されている、ということ。
追加されるフェラーリ製新型SUVは「ピュアエレクトリック」に
そして報道によると、この「プロサングエののちに追加されるSUVはピュアエレクトリックモデルになるだろう」。
プロサングエにはハイブリッドパワートレーンが搭載されることが確認されていますが、これに続くSUVはガソリンエンジンを捨てるとされ、これは「2025〜2030年には、ガソリンエンジンを積むクルマを販売できない国や地域が登場する」ことを鑑みるに、当然の流れかもしれません。
なお、このピュアエレクトリックSUVは「4モーター」を有して610馬力を発生するとも伝えられており、かなり具体的な情報をもってウワサされているということになります。
F244、F245は登場するにしても2024年以降
加えてF244の発表は2024年、F245は2026年だと言われ、つまり「かなり先の話」。
ただ、これは「バッテリー密度がフェラーリの求めるレベルに達しない」ためだと考えられ、以前にフェラーリCEOが「ピュアEVを発売するのは2025年以降」と語った内容とおおよそ一致しています。
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フェラーリは大きな変革を迫られている
なお、フェラーリは2019年にはF8トリブート、SF90ストラダーレ、ローマ、F8スパイダー、812GTSの5モデルを、2020年にはSF90スパイダーを発表するなど精力的に活動していますが、2022年までにはこれら含めて「15」ものニューモデルを発売すると言われます。
これはフェラーリの「今まで」を考えると相当な数ということになり、それ以降も新車攻勢しかもSUVの発売が続くということになるものと思われ、2025年前後には、「フェラーリは20車種程度のラインアップを持つ自動車メーカー」となっている可能性があるわけですね。
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フェラーリの販売台数は現在の倍以上に?
なお、フェラーリは「希少性を維持すること」でブランド価値を高めている自動車メーカーで、顧客が求めるよりも常に少ない台数しか生産しないことで知られます。
現在の年間生産台数は2019年で1万台あたりですが、これは5車種程度(2019年の販売に貢献したのは488系、F8系、GTC4、812、そしてごく少数の限定モデル)で達成した数字であり、車種を大幅に増やしながらも生産台数が「ちょっと増えた」だけだと開発や生産効率(つまり利益率)が悪くなるだけなので、フェラーリとしてはもちろん販売台数を大幅に増やす計画を持っていると考えるのが妥当。
ただ、販売台数を増やすと希少性が下がるため、フェラーリはそのイメージの根幹を形成する「スーパースポーツ」についてはこれまで同様もしくはこれまで以上に販売台数を制限し、かわりにSUVラインアップを「無制限に」かつ中国に対して売りまくるのだと思われます。
ちなみにこの戦略は、先日マクラーレンが改めて述べた「SUVは絶対に作らず、販売台数は5,000台以下に収める」という戦略とは全く逆を行くもので、両者とも同じように「モータスポーツをブランドのコアとする」スーパースポーツカーメーカーであるにもかかわらず、大きな差異を持つ部分でもありますね。
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参照: CAR