| 中国はともかく、UEの特許庁がこれをコピーだと判断しなかったのには驚きだ |
これがまかり通るならば、世界中の自動車メーカーは対策を考える必要がありそうだ
さて、上海モーターショーへ出展されたことで大きな話題を呼んだ、中国ORAが放ったフォールクスワーゲン・ビートルの「模倣品」。
あまりに似すぎているということでフォルクスワーゲンがクレームを申し入れ、その後会場から消え去ったという話を聞いていますが、今回なんとそのビートルのコピー、「ORAパンクキャット」が中国のみならず欧州(EU)でもパテントを取得したと報じられています。
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なお、中国の自動車メーカーの模倣が大きな話題となったのは、レンジローバー・イヴォークを模した「Landwind X7」で、これについてはランドローバーが現地にて訴えを起こすも、なんと「敗訴」してしまうことに。
その理由としては「イヴォークは中国よりも先に欧州地域にて発売され、デザインが既知のものであるから、とくに目新しくもなく、よって模倣してもOK」というもの。
ただ、その後もランドローバーはこれを不服として争い続け、一昨年ついに「逆転勝訴」を勝ち取ったとも報じられています。
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なぜこれがUEで登録できたのかはわからない
そういった経緯があるため、ビートルによく似たデザインのクルマが「中国でパテントを取得できた」としても大きな驚きはありませんが、フォルクスワーゲンが本拠地を置くEUにてこのデザインがパテントを取得できたのはまさに驚きです。
これは欧州連合知的財産庁(EU IPO)に対して、ORAのブランドホルダーである長城汽車(Greatwall Motors)が2021年6月3日に2件のRCD(Registered Community Design)申請書を提出し、その後6月11日に承認されたものだと報じられており、RCDはその保有者に「欧州連合の現在および将来のすべての加盟国における独占的権利」を与える、としています。
欧州の審査官が「ビートルのパクリ」を見逃すとは考えられますんが、これがそのまま通ってしまっているところを見るに、EU IPOは「これはビートルとは全く違うクルマ(たしかに5ドアではあるけれど)だと認識しているということになりますね。
そして今回、長城汽車はもうひとつ、このORAパンクキャットのバリエーションとも受け取れるパテントを登録しており、こちらはざっと見た感じ、「初代ビートル」をイメージしたものだと思われます。
全体的に丸みを帯びていますが、ヘッドライトの形状が独特で、その形状に起因して「人の顔」のようにも見えます。
こちらはリア。
ダックテールスポイラーが装着されています。
どう考えても、これが長城汽車のパテントとして保護されるということには驚きを隠せず、法的には「全く問題なく」長城汽車はこのクルマを販売できるということになりますね。
なお、このORAはホンダeやポルシェ911のなどをモチーフにした、しかし今回の「5ドア」ビートルのようにちょっとだけ何かが違うというクルマをいくつか発表しており、こういったメーカーが存続できるのも中国ならでは。
コピーが大手を振って明るい道を歩くことができるのと同様、コピーを買う側にとっても、なんら抵抗はないのかもしれません。
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参照:CARSCOOPS