| ここまでのことを平気でできる神経を疑ってしまう |
さて、最近は(以前とは異なり)オリジナリティの追求を重要視していると言われる中国の自動車メーカーですが、まだまだ「コピー」「パクリ」から抜け出せないメーカーも存在する模様。
今回紹介するのは湖北省の「Hunkt(ハンクト)」なるブランドのCanticie(カンティシー)なるモデルで、なんとボンネットに「レンジローバー(RANGE ROVER)」のバッジを装着していることがわかります。
なお、HunktはHanling Autoのブランドのひとつだそうですが、以前に「Zotye T900」として販売されたクルマと同一に見え、会社やブランドが買収されたのかもしれません (もしくは経営元が同じで、ブランド名を変更したか。中国では評判が悪くなるとブランド名を変更し、しかし同じ商品を売り続けることも多い)。
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さすがに中国でも評判が芳しくないようだ
CarnewsChinaによれば、このカンティシーは中国でも「悪名高い」コピーだということで、このレンジローバーのバッジ(車体前後のRANGER ROVER文字、グリル内のエンブレム等含む)は約2,000円のオプションなのだそう。
そしてもちろん、「本物のバッジやエンブレムが」この価格にて販売できるわけではないので、Hunktはこれらバッジを自前で製造している、と考えられます。
最近は中国でも「コピー」に対する判断が厳しくなった
参考までに、以前には「ランドウインドX7」なるレンジローバー・イヴォークのコピーが存在し、しかしあまりに批判が強かったのか、フェイスリフトにて「すこしだけイヴォークと異なる外観」に。
現在は中国内でも「コピー」に対する批判があるという事実を示している事例だと言えそうですが(中国のカーメディアも、中国製のコピー車を批判するようになった)、未だにこのカンティシーのような事例があることには驚かされます。
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なお、「その割に」カンティシーはレンジローバーの外観をコピーしておらず、しかしこれはランドローバーが訴訟を起こした際に「言い逃れ」できるようにということなのかもしれません。
ちなみに、ランドローバーは上述のランドウインドを訴えているものの、こちらについていったん「敗訴」、しかしその後には逆転勝訴しており、Hunktはこういった事例を考慮したのだとも考えられます(エンブレムやバッジのコピーであれば、訴えられてもそれを取り外せばすむという判断なのかも)。
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ハンクト・カンティシーのボディサイズは全長4985ミリ、全幅1995ミリ、全高1819ミリ、ホイールベース2997ミリ。
対するレンジローバーでは全長4999ミリ、全幅2073ミリ、全高1835ミリ、ホイールベース2992ミリ。
こうやって並んだ図を見ると、プロポーションをそっくりコピーし、ディティールを変更することで批判を躱そうとしたのだろうということも推測可能。
ただしハンクト・カンティシーに積まれるエンジンは2リッターターボ、最高速は185km/hとされるので、外観やサイズは似ていても、その性能は大違いということになりそうですね。
価格についてだと、ハンクト・カンティシーは159,800元(日本円で約260万円)から、そしてレンジローバーは1,220,000元(日本円で1970万円)からなので、大きな開きがあることがわかります。
中国だとまだまだそのブランドと固有のデザインに対する認知が進んでおらず、実際にこのクルマにレンジローバーのエンブレムを装着すると、「騙されてしまう」人が多いのかもしれません。
トヨタ・ハイラックスのパクリも
もうひとつ参考までに、こちらは「Qingling Taga H」なるピックアップトラック。
Qinglingは比較的小さな自動車メーカーで、かつてはいすゞからライセンス供与を受けてビークロスの中国版を生産していたことがあるそうですが、このTaga Hについては「トヨタ・ハイラックスのそっくりさん」。※エンブレムはいすゞに似ている
こちらは本家トヨタ・ハイラックス。
ヘッドライト形状、グリルやサイドウインドウのグラフィック等に共通点が見られますね。
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参照:CarnewsChina