| やはり人々は「限定」モデルに弱く、近年はクルマを投機対象と見る向きが多いようだ |
NSX TypeSは早期に完売するとは考えていたが、まさかここまでとは
さて、つい数週間前にホンダはNSXはの最終限定モデル「NSX Type S」を発表したところで、これは全世界で350台のみの限定販売となり、アメリカ市場に300台、日本市場向けに30台、そしてその他の市場向けに20台が販売されます。
そしてちょっと驚きなのが、アメリカ市場向けの300台について、発売開始後24時間以内に予約金の入金含めて「完売した」ということ。
更に驚かされるのは、現時点で「キャンセル待ち」がすでに100人もいることでです。
なお、ぼくがこの数字に驚いているのは、NSXはこれまで「売れないクルマの代表格」であり、2020年には128台しか売れていなかったにもかかわらず、今回300台が24時間で売れてしまったことで、いかに限定といえど「これだけ売れるポテンシャルがあったのか」とびっくりしているわけですね。※ちょっと前の話だと、日本でもNSX Type Sの完売が近く、ホンダ側が「顧客を選定する」といった段階にあるようだ
-
ホンダNSXが米にて名実ともに「もっとも売れないスポーツカー」に!年央で販売終了となったBMW i8よりも売れず、"これでいいのかホンダ?"
| ただしホンダは「これでも問題ない」というか「想定通り」と捉えているようだ | さて、2020年は自動車メーカーにとってタフな年であり、これまで肩を並べてきた自動車メーカーにとっても大きな差が生じた ...
続きを見る
もしもホンダNSX Type Sが限定ではなかったら?
そしてここで思うのが「もしホンダNSX Type Sが限定でなかったら」。
今回の完売劇については、「限定」という要素が大きく関係しているのは間違いなく、しかしこれが限定でなく、「NSX Type Sが、NSXのバリエーションのひとつとして発売されていたならば」どうなっていたんだろうな、ということ。
300台が24時間という勢いに及ばずとも、それなりに売れて「NSXが存続する道を切り開き、ハイパフォーマンスモデルの需要を再確認させ、ホンダにNSX Type Rの開発を決意させるだけのインパクトを与えたのだろうか」、と考えたりするわけです。
ホンダNSX TypeSはこんなクルマ
ホンダNSX TypeSは単なる限定車ではなく、現在のアキュラ各モデルにも共通するデザイン、しかしよりアグレッシブなフロントマスクに加え、リアディフューザーやサイドシルなどのカーボンパーツを新たに採用し、前後トラックの拡大やサスペンションの再調整を行い、さらに3.5リッターV6+ハイブリッドのシステム合計出力は600馬力(447キロワット)、492ポンドフィート(667ニュートンメートル)に達するなど、「いち限定車としてはありえないほどの充実した内容」を持っています。
なお、パワーアップに関しては、レーシングバージョンである「NSX Evo」に搭載される新型ターボチャージャーとバッテリー容量の増加により実現されたもので、EVモードでの走行距離も伸びており、さらに9速デュアルクラッチ・ギアボックスも再調整されてシフトアップが50%速くなり、新たにラピッド・ダウンシフト・モードが追加されるなど、あらゆる方向で進化を遂げています(こういった内容を見るに、やはりホンダはNSX Type Sを、NSXのフェイスリフトモデルとして用意していたものの、何らかの事情で”NSXの販売終了が決まったため”限定モデルとして売り出したのではと思わせる)。
-
【動画】ホンダが新型NSX Type Sを発表!出力向上、軽量化、足回り強化、そしてスタイリングのアップデート。生産終了が惜しいほどの魅力的なスーパーカーに
| 内容を見ていると、もしかしたらNSX Type Sはホンダがフェイスリフト版として用意していたNSXなんじゃないかとも思える | 限定台数350台のうち300台はアメリカへ さて、一連のティーザー ...
続きを見る
NSXの復活はまだまだ先
ただ、いかに人気があろうとも今回ホンダNSXの販売が打ち切られることは間違いなく(まさか販売終了を撤回するわけにはゆかない)、そしてあと数年というタームで後継モデルが登場することを期待することも出来ず、しばらくはまた「NSX不在」の機関が続きそう。
現在、初代NSXは神格化されるほどのポジションを獲得していますが、今回の「即完売」といった状況を見るに、NSX TypeSもまた、初代のレベルまでとはゆかなくても、ある種の「伝説」となりうるのかもしれません。
合わせて読みたい、ホンダNSX関連投稿
-
ホンダNSX Type S生産第一号が驚愕の1.1億円で落札!なんと落札者は通常版NSX第一号を1.3億円で落札したのと同一人物だった
| チャリティーオークションに対する考え方は日米で大きく異る | それにしても去りゆくクルマに1億1000万円も支払うとは さて、ホンダ(アキュラ)は先日NSXの最終限定モデルとして「NSX Type ...
続きを見る
-
ホンダが「3代目NSXは実現する」とコメント!ホンダにとってNSXとはその考え方を世に示す手段であるようだ。そこでボクは初代と二代目NSXの違いを考えた
| 初代NSXはNSXの「X」が示すとおり未知の新しさがあったが、二代目NSXは既知の技術やコンセプトだった | 加えて、二代目NSXはその必然性が希薄で、NSXにしかできず他のスポーツカーにできない ...
続きを見る
-
ホンダが新型NSX Type Sを国内発表!価格は2794万円~、購入には「ホンダによる審査」があるかもしれないようだ※なお北米では1870万円~
| いまのところ「抽選」販売は考えていないらしい | 日本国内向けの「30台」はこれまでのNSX Type S販売台数からすると、すぐに売り切れてしまいそう さて、ホンダが日本国内において、「NSX ...
続きを見る