| ウワサには聞いていたが、まさか本当にやるとは思っていなかった |
その可能性は無限だが、まだまだ実用化には時間がかかりそう
BMWがラスベガスにて開催される家電見本市CESにて、「E INK」なる”ボディカラーを変化させることが可能な新機能”そしてそれを搭載したBMW iX Flowを公開。
動画を見ても「完全にフェイク」と思えるほど劇的にボディカラーが変化していますが、これは紛れもない現実の話であり、BMWによればamazonキンドルのような「電子書籍リーダー(電子ペーパー)の技術を応用した」とのこと。
”ジェネレーティブ・デザイン・プロセス”を使用して、電子ペーパーがiXの輪郭にフィットするよう設計して貼り付けているとのことですが、恐ろしくコストが掛かっているんじゃないかと思います(そして事故の際に修理することが非常に難しそうだ・・・)。
BMW iX Flowのボディカラーはこうやって変化させる
BMWによると、このEインクの仕組みには電気泳動技術を利用しているといい、電気信号によって刺激を加えると異なる色の顔料が表面に出てきてボディの色を変化させるもよう。
そしてインクが色を変えるのに必要なのは”電気信号による刺激”のみで、色を維持するために電気的な刺激は必要なく、つまり色を変えるのに必要な電力は一瞬だけで、色を維持するためにバッテリーを使用することはない、とのこと。
ちなみに現在のところ対応できるのは「モノトーン(白黒)」のみとなり、「カラー」は不可。
しかし、今後フルカラー表示ができるようになれば、ボンドカー(アストンマーティン・ヴァンキッシュ)のように「反対側の景色をカメラで写し、それを反対側のボディ表面に投影することで」不可視なクルマをつくることが可能になるのかもしれません。
意外と使いみちはあるのかも
なお、この「カラーチェンジ」機能については一見無駄のようにも見えますが、EVにとって非常に重要な「バッテリー残量」を確保するため、たとえば真夏の炎天下だと、車内の気温上昇を防ぐため、ボディカラーをホワイトとしておくといいのかもしれません。
そして光を吸収したいときにはブラックに。
そしてこのEインクの特徴としては、「電子書籍に採用される」だけあって細かい情報の表示が可能であり、パネル(セグメント)単位で色を変化させることも可能。
車外からクルマの充電状態がわかるように視覚化したり、自分のクルマの所在を知らせるために明滅したり、といった用途も想定されているようですね。
もちろん、車内から車外へ向けてメッセージを発することも可能だと思われます。
おそらくは文字情報を表示することも可能だと思われ、しかし今回では単に「カラーチェンジ」のみをデモンストレーションするにとどまっているもよう。
なお、「ブラック」を50%にすれば「グレー」の表現も可能。
BMWにおける開発責任者であるフランク・ウェーバー氏によると、「デジタル体験は今後、ディスプレイだけにとどまらず、現実とバーチャルの融合がますます進むでしょう。BMW iX Flowの実現によって、私たちは車体に命を吹き込むことに成功したのです」とのこと。
たまだまだこれを実用化するには様々なハードルがあって「すぐ」手にすることはできないと思われ、しかし実用化されれば様々な用途が想定でき、楽しみな新技術のひとつでもありますね。
BMW iX Flowに搭載される「カラーチェンジ」機能を紹介する動画はこちら
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参照:BimmerToday