| ロールスロイス・ファントムにはもともと「こだわり」を反映させるためのスペースが車内に用意されている |
150層もの積層カーボンをインテリアに使用
さて、ロールスロイスはこれまでにも様々な顧客からのオーダーに応じる形でワンオフモデルを製造してきましたが、今回はまたあらたなワンオフモデル「ファントム・カーボンヴェイル」を公開。
このファントム・カーボン・ヴェイルはドバイの顧客によって注文されたものだといい、デザインはロールスロイスによってなされ、インテリアにアーティスト兼彫刻家のアラスター・ギブソン氏が製作したカーボンヴェイル・ギャラリーが組み込まれています。
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アーティストは元F1メカニック
ちなみにこのアラスター・ギブソン氏は元F1のメカニックだといい、現在はアーティストとして活動しているという変わり種。
たしかに数年前、所属するF1チームにて「使用しなくなった」カーボンファイバー製パーツを加工してアートを作っているメカニックがいるという話を聞いたことがあり、そのアラスター・ギブソン氏が「その人」なのかもしれません。
このカーボンヴェイルはファントムのダッシュボードへと組み込まれていますが、これは通常「自動車に使用される」カーボンファイバーとは異なり、4〜5層のレイヤーではなく「少なくとも150枚のカーボンファイバー」を積層して樹脂を浸透させ、これらを圧縮して強固な塊に成形したものだとされています。
ちなみにファントムのダッシュボードは、こういった「オーナーのこだわり」を表現するためのスペースとして最初から設計されていて、これまでにも「刺繍」「特別な木」など様々な”オーナーの思出入れ”が埋め込まれています。
ちなみにこのカーボンヴェイル(一番上の画像にあるキューブ状の物体)は高級モーターヨット「118ウォーリーパワー」からインスピレーションを得ているとのこと。
そしてこのファントム・カーボンヴェイルのボディカラーはブラックに近いメタリックグレー(カーボンファイバーを意識しているのだと思う)、コーチラインは鮮やかなマンダリンオレンジ。
ちなみにフロントに装着されるマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」もカーボンファイバーで製作されている、とのこと。
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そのほか、ウインドウモールやパルテノングリルのルーバーなど、通常はクロームもしくはポリッシュで仕上げられるパーツにつき、ブラックでの仕上げが施されているようですね。
インテリアはホワイトとブラック、そしてマンダリンオレンジとのコンビ。
このファントム・カーボンヴェイルについて価格の公表はなされていないものの、当然ながら「安くはない」と考えて良さそうです。
ロールスロイスはレイスとドーンの受注終了を発表
そしてロールスロイスは2ドアモデルであるレイスとドーンの受注を終了させ、その生産は(現在受注を受けている)2023年をもって完了することになり、直接の後継モデルはない、とコメント。
これは同社CEO、トルステン・ミュラー・エトベッシュ氏が英国Autocarに語ったものですが、ロールスロイス初のフルエレクトリックカー、スペクターが登場するよりも早く生産が終わるということを意味し、その間ロールスロイスは「2ドアなし」で戦う必要が出てきます。
ただ、いざスペクターが登場すれば、このスペクターのボディ形状は2ドアクーペなので「レイスの穴を埋める」ことも可能となり、その後スペクターのオープンモデルが登場すればドーンの後継としても機能することになりそうです。
なお、このスペクターについては謎が多く、しかしウワサではBMW iX M60をコンポーネントを共有していると指摘されており、となるとスペクターは最低でも最高出力610ps(449キロワット)、最大トルク1,100ニュートンメートルというスペックを誇ることになりそうですね。
ただ、プラットフォームに関しては同社オリジナルの「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」を使用するものと思われ、これはその後投入される「電動」ロールスロイスにも採用されると言われています。
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参照:Rolls-Royce, Autocar