| ここまで「曲がる」クルマには未だ乗ったことがない |
830馬力を開放する「クオリファイ」モードの加速はまさに異次元
さて、岡山国際サーキットにて開催されたフェラーリ296GTB試乗会「Esperienza Ferrari」へと参加。
これはインストラクターについていただきサーキットを走行できるほか、プロのレーシングドライバーの運転にてホットラップを体験できるという非常にありがたいイベントです。
なお、用意されたフェラーリ296GTBは合計4台で、そのうち3台が「標準」仕様、そして1台がサーキット走行に特化したオプション「アセット・フィオラノ・パッケージ」を装着した個体となっています。※撮影用の一台を含めると5台
「Esperienza Ferrari」イベント会場はこんな感じ
会場となったのは上述の通り岡山国際サーキットですが、事前に誓約書や注意書き、そしてサーキットに入場する際のパスを送付いただいています。
途中の道が狭いと聞いていたので(資料にもその旨記載があり、推奨ルートが記載されていた)マツダ・デミオにて参加することに。※途中タヌキやなんやら野生動物がいっぱい出てきた
そしてこのパスをミラーにかけておくことでスタッフの方により安全に誘導していただけるわけですね。
岡山国際サーキットはイベント期間中「貸し切り」なので会場はフェラーリ一色。
こちらはブリーフィングルーム。
ここでレーシングドライバーの方からクルマの解説、当日のスケジュール、運転の注意点や操作・走り方のコツ、ドライビングポジションについてのレクチャーを受けることになりますが、これが非常に参考になり、プロのドライバーさんには大変感謝。
チェアや備品などがフェラーリっぽい赤で統一され、ストローまでもが「レッド」となっていて、フェラーリのイベントは今回に関わらず、使用されるペンやバインダーに至るまで「フェラーリの世界観」が演出されており、このあたりは「フェラーリならでは」。
パドックに用意されたチェアにはフェラーリの毛布。
なお、パドックには撮影用に背景とともにセットされた296GTBが置かれており、ここで試乗前に296GTBとともに記念撮影を行い、帰りにはカバーに収まった写真、そしてギフトとしてフェラーリのデイパックをいただくことに(ありがとうございます)。
用意されたフェラーリ296GTBを見てみよう
そしてこちらがパドックに並ぶフェラーリ296GTB。
F1マシンでもおなじみの「ティートレイ」!
本当にティーカップを載せてみたくなりますね。
テールパイプはオプションの「マットブラック」。
こちらはアセット・フィオラノ・パッケージ装着車。
試乗のためにこれら296GTBをコースに出すことになりますが、296GTBはプラグインハイブリッドなので「モーターのみで」走行でき、その場合は文字通り無音です。
その後は用意されたヘルメットとグローブを着用し、各自割り当てられた296GTBへと向かいます。
なお、試乗はイキナリ自分の運転にてコースに出るというハードルの高いものですが、インストラクターの方が同乗してくださり、さらに適宜アドバイスをいただけるので安心して走行できました(ありがとうございます)。
コース脇には「赤、黄、緑」のパイロンが置かれており、それはそれぞれ「ブレーキングポイント」「ステアリングを切り込むポイント」「クリッピングポイント」を示しているので、サーキット走行に不慣れな人でもブレーキングが間に合わないということはなく、安心して、そして安全に走るための配慮がなされています。
ボクはフェラーリ296GTBに乗ってこう思った
そして実際に自分の運転でフェラーリ296GTBを走行させた印象ですが、「接地感がスゴい」「しなやか」「とにかく曲がる」というもの。
以前にF8スパイダーに試乗させていただいた時にもそのしなやかさを実感していますが、296GTBでサーキットを走ってもその印象はまったく変わらず、むしろしなやかさに起因するグリップの高さに驚かされることに。
加えてピッチ、ロールが極端に小さいにもかかわらず「ガチガチ」ではないところも「びっくり」。
さらにはステアリングホイールを切り込んでゆけばどれだけでも曲がるコーナリング性能の高さも驚愕するレベルにあり(想像したよりも遥かに曲がる)、このあたりはサーキット試乗でないと絶対にわからなかっただろう、と考えています。
ちなみに(車内で聞く)サウンドについては「タービンに入る前の排気音を室内に届けるデバイス」が導入されているとアナウンスされていることからもわかるとおり、かなり直接的なサウンドが耳に届きます。
印象的にはV12の高音を連想させるもので、車外で聞く音よりもずっと高い周波数を持つようですね。
そのほか感じたのはブレーキが非常に扱いやすいこと。
F8試乗時には「ストロークが長い割に奥の方で効く」ブレーキにやや違和感を感じましたが、これはコーナー進入前にガツンとフルブレーキングし、ジワジワとペダルを戻すことで車速をコントロールしやすいように設計されているようで、今回はじめて「なるほど、あのブレーキはサーキットに焦点を合わせていたのか・・・」と感じることに。
このあたり、やはりフェラーリは「サーキットを走らせてナンボ」ということなのだと思います。
自身の運転で走ったのは4周ですが、走行前には「4周も走ったらお腹いっぱいになりそうだな・・・」と想像していたものの、実際に4周を走ってみるとそれでは全然足りず「もっと走りたい」と心の底からの渇望が生じるほどの刺激を持っていて、これこそが「フェラーリ」ということなのでしょうね。
その後はプロドライバーの運転にてホットラップを走ることになりますが、これに使用するのは上述の「アセット・フィオラノ・パッケージ」装着車。
そしてこの車両には4点式シートベルトが装着されていて、クルマに乗り込んだのち、スタッフの人がベルトを体にあわせて締め上げてくれるのですが、これはまさに「(映画でよく見る)打ち上げ前のロケットに乗り込んだ宇宙飛行士をシートにガッチリ固定する」様子を連想させ、「そんなに走りがハードなのか・・・」と恐怖をおぼえ、しかし実際に走行してみるとまったく不安のない安定した走りだったため、こちらも存分に楽しむことができ、ドライバーの方には感謝です。
ちなみにストレートでは260km/hを超えていますが、やはり加給がかかった後の加速は特筆モノ(0−200キロ加速は驚愕の7.3秒)。※ぼくが自分で運転した際にはコーナーの脱出速度が低いため、200km/hがせいぜいだった
その後はラウンジにて軽食をいただき・・・。
レーシングシミュレーターも体験させていただき、無事イベント終了。
今回、試乗会に呼んでくださったオートカヴァリーノさん、イベントに携わった方すべてにお礼申し上げます。
当日のイベントの様子についてはfacebookページのアルバム「フェラーリ296GTBイベント(157枚)」に保存中。