| 伝統的に北米市場では日本よりも安い値付けがなされる傾向にある |
それにしてもGRスープラとの価格差が日本以上に大きく開き、GRスープラは今後苦戦することになりそうだ
さて、すでに日本ではその価格とグレードが発表されている新型フェアレディZですが、今回米国とカナダでもその価格が発表され、米国では「3万9990ドルから」という当初予想されたとおりの”4万ドルを割る”設定となっています。
まず、今回米国にて発表された価格とグレードは下記の通り。
- Z Sport・・・3万9990ドル(約516万円)
- Z performance・・・4万9990ドル(約645万円)
- Z Proto Spec・・・5万2990ドル (約684万円)
アメリカでの「Z」にはこんなオプションがある
アメリカで販売される「Z」の工場装着オプションとしては「プレミアム2トーンペイント(パッションレッド、1695ドル)」「プレミアム2トーンペイント(1295ドル)」「2トーンペイント(895ドル)」の3つが設定されていますが、6速マニュアル・トランスミッションと9速オートマティックの価格がすべて同じなのは特筆すべき点かもしれません。
「Z Sport」はもっともベーシックなグレードであり、その上の「Z Performance」となると機械式リミテッドスリップディファレンシャル、ペイントキャリパー付き大型フロント/リアブレーキ、19インチのレイズ製鍛造ホイール、ブリジストン・ポテンザS007タイヤ、ローンチコントロール、アルミペダル、フロント/リアスポイラー、サイドミラーヒーター、レザー巻きステアリング、9インチインフォテイメントスクリーン、車載WiFiホットスポット、Bose製8スピーカーオーディオシステム、マニュアルギアボックスの場合だとレブマッチングシステムが装備されています。
「Z Proto Spec」だとブロンズ塗装の19インチ・レイズ製ホイール、イエローのブレーキキャリパー、「イカヅチ・イエロー」の特別塗装、インテリアのイエローアクセントが与えられ、アメリカ国内では240台のみの限定販売。
スプラッシュガード、レーシングストライプ、エクステリアウェルカムライト、USBチャージングケーブル、フロアマット(ファーストエイドキットとカーゴネット)、イルミネーションキックプレート、インテリアアクセントライトなどのオプションが用意されています。
参考までに、2022年モデルのGRスープラの価格だと「2.0」が4万4565ドル、「3.0」では5万2915ドルに設定されており、これらに比較しても新型フェアレディZの価格は「かなり」安いと言ってもよさそうです。
現在まだGRスープラの2023年モデルの価格は発表されていませんが、新型Zへの対抗上「値上げ」は難しいと思われ、しかし「値下げ」もできないと考えられ、かわりに装備の充実などで対抗してくるかもしれませんね。※新型Zの価格は「2023年モデル」としての設定
カナダでの新型「Z」の価格設定はこうなっている
そしてこちらはカナダでの価格設定で、基本的にはアメリカ向けと同じ仕様そして価格帯を持っており、しかしマニュアル・トランスミッションとオートマチック・トランスミッションとの価格が分けられています(けっこう価格差がある)。
- Z(6MT)・・・4万8448カナダドル(約486万円)
- Z(9AT)・・・4万9948カナダドル(約501万円)
- Zパフォーマンス(6MT)・・・6万448カナダドル(約606万円)
- Zパフォーマンス(9AT)・・・6万1948カナダドル(約621万円)
- Zプロトスペック(6MT)・・・6万6198カナダドル(約665万円)
- Zプロトスペック(9AT)・・・6万7698カナダドル(約680万円)
なぜ日本国内向け「フェアレディZ関連」の価格は高い?
そして日本国内でのフェアレディZの価格設定は下記の通りで、MTとATとの価格は「同じ」だと考えて良さそう。
- フェアレディZ(6MT/9AT)・・・524万1500円
- フェアレディZ Version S(6MT)・・・606万3200円
- フェアレディZ Version ST(6MT/9AT)・・・646万2500円
- フェアレディZ Version T(6MT)・・・568万7000円
- フェアレディZ Prroto Spec(6MT/9AT)・・・696万6300円
ベースグレード(MT)同士で比較すると、日本でのフェアレディZの価格はアメリカに比べて8万円、カナダに比較して40万円高く、バージョンSTだと(それぞれ、これに相当する現地のグレードに比較して)最大で40万円、Proto Specだと14万円くらい高い価格に設定されていますが、新型フェアレディZについては、国内向け、海外向けともに日本の栃木工場にて生産されているので、輸送コストのかかる「海外市場」のほうが割安な設定というのはちょっと不思議な気もしますよね。
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ただ、北米は自動車市場、とくにスポーツカーの市場としては世界最大級であり、そのために日本だけではなく欧州の自動車メーカーもアメリカやカナダでは安めの価格設定を行うことがあるもよう(と言うか、ほとんどの場合でそうなっている。とくにBMWやメルセデス・ベンツは、本国生産モデルであっても北米向けにかなり安い価格を設定していることが多い)。
現在は「1ドル130円」くらいの円安相場となっているため、ちょっと前の「1ドル120円」の状態であればもっとこの内外価格差が開いていたということになりそうですが、円安ということもあって「思ったほど北米価格は(日本円に換算した金額では)安くなかったな」という印象も持っています。
ちなみにですが、GRスープラについては日本と北米とにおけるもともとの価格差が小さく、よって北米では「日本同様、高価な」クルマとなっていて、そのぶん現地では「(新型Zの価格が日本よりも安いため)新型ZとGRスープラとの価格差が」大きくなっているようであり、もはやGRスープラと新型Zとを同列に語ることができないほどの差があるようですね。
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