| EVがガソリン車に比較してよく燃えるのかどうかは意見が分かれるところだが、消火に手間がかかるのは間違いない |
これだけの水が必要なのであれば、場合によっては鎮火が難しい例が出てくるかもしれない
さて、先週アメリカはペンシルベニア州中央部の州間高速道路80号線にてテスラ・モデルSが炎上し、消火するのに合計12,000ガロン(45,425リットル)もの水を要した、とのニュース。
このテスラ・モデルSはその前の週に納車されたばかりだったとも報じられていますが、車両に問題があったわけではなく、道路上の障害物に衝突したことで炎上したとのこと(幸いにもけが人はだれもいなかったようだ)。
やはりEVは燃えだすとちょっと怖い
今回の事故の当事者(テスラ・モデルSの乗員)によると、何かがテスラ・モデルSの車体底面にぶつかったのちに煙が出始め、その後すぐにドライバーはクルマを停止させて乗員3名と愛犬を避難させたそうですが、その後すぐにテスラ・モデルSは画像のとおり大きく炎上。
該当地域を担当するモリス・タウンシップ消防署のメンバーがすぐに駆けつけ消火にあたるも、現場に到着した消防車2台に搭載される水(4000ガロン)では足りず、上述のとおり最終的にはその3倍である12,000ガロンを消費しようやく消火が可能となっています。
なお、通常の車両火災を沈火するには500ガロン(1,893リットル)もあれば足りるとのことなので、今回のテスラ・モデルSにはその24倍もの水が投じられた、ということになりますね。
ちなみに今回の消火のためには「2時間ぶっとおして水をかけ続けた」とのこと。
EVの消火については自動車メーカー主導による講習が望まれる
ガソリン車だと火元を消してしまえば消火可能ではあるものの、電気自動車の場合はいったん消化したように見えても、搭載されるリチウムイオンバッテリーが再着火して燃えだすことがあり、よってこれまで報じられているEVの火災だと、いったん消火したクルマを(消防署が)持ち帰ってプールに浸けて再発火を防ぐ処理を行ったという例、どうにも消火できないので地面に穴を掘り、そこへEVを落として水を流し込み、即席プールを作って消火を行ったなどの例が報じられています。
このほか、激しいクラッシュを起こしてしまい、燃え盛るリチウムイオンバッテリーが飛散して周囲に火災を引き起こしたケースも報じられていますが、とにかくEVに関しては今までの常識にあてはまらない燃え方をするようで、このあたりは自動車メーカー主導による(消防署員への)研修などを行う必要がありそうですね。
-
国がEVを推進するのに対して消防署は「EVの事故や火災に対する対処法が不十分」。このままEVが増加すると現場が対応しきれなくなることに
「EV」「ハイブリッドカー」の火災に対するマニュアル拡充が急務 ブルームバーグによると、米国では、EVやハイブリッドカーが火災を起こした際、どう対処するかの対応マニュアルがまだ十分には整備されていない ...
続きを見る
なお、EVについては「ガソリン車よりも炎上リスクが高い」という報道もあり、しかし一方では「ガソリン車よりも燃えにくい」という統計もあるようで、これらの差は「どの部分を切り取ったのか」の差だとは思うものの、いったん(EVが)燃えだすと手を付けられない、というのは間違いなさそうですね。
-
EVの火災発生率はガソリン車の2倍!かつEVは深刻かつ大規模リコールが多く、メーカーに大きなダメージを与えている模様。消費者にとっては車両コスト高、任意保険高騰など負担増か
| このまま「未体験ゾーン」へと一気に踏み込むと、自動車メーカーを苦しめ、社会的にも大きな問題を引き起こす可能性がありそうだ | やはりもうちょっとエレクトリック化はゆっくり進んだほうがいいのだと思う ...
続きを見る
あわせて読みたい、EVと火災関連投稿
-
【動画】3週間廃車置場に放置していたテスラが突如燃える!EVはガソリン車と違い「乗ってなくても燃える」「燃えると消火が難しい」のが問題だ
| さらには特殊な消化方法が必要となり、消化にかかる手間と時間もガソリン車とは大きく異る | EVの普及とともに様々な問題が出てくることになりそうだ さて、EVには発火の可能性が常につきまとい、統計上 ...
続きを見る
-
中国にてEVの火災が増加。保険料はガソリン車よりも20%高く、各社とも激化する競争に対応するため開発期間を短縮し発売を急いだことが原因か
| 中国だけではなく、世界中で同様の問題が起こりうる | やはり急激なEVシフトは様々なひずみを生むようだ さて、中国にて「EVの保険料は、ガソリン車に比較して20%ほど高い」という報道。現在中国はも ...
続きを見る
-
【動画】充電完了直後のVW製EV、ID.3が発火→炎上。閑静な住宅地で他車を巻き込んで燃え尽きるも、こういった場合の補償が「自分持ち」だとちょっと怖い
| 自動車メーカーとしては、完全に過失が証明されない限りは補償を行わないものと思われる | もし火災の損害額を自分で負担することになると、それはあまりにも恐ろしい さて、オランダにてフォルクスワーゲン ...
続きを見る