| 1年前にはテスラとインド工場との交渉は「不発」に終わったと言われるが |
テスラの目標である「2,000万台」を達成するにはインドを避けて通ることはできない
さて、テスラがインド政府に対し「工場建設にかかわる、新たなる提案を行った」との報道。
テスラは2022年5月にインドへとギガファクトリーを建設するに際し、それに先駆け「現在インドに輸入しているテスラ車の関税を100%から引き下げるよう」要請していたものの、インド政府がこれを拒否したことから交渉が決裂したと報じられています。
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すでにテスラは現地にて具体的な話を進めていると報じられるが
そして今回報じられているのが「テスラが最近、インド国内販売と輸出の両方のための工場を建設する計画を政府関係者に伝えた」というもので、この計画に関するその他の詳細はほとんどわかっていないものの、テスラの上級幹部が今週インドに滞在し、部品の現地調達について政府関係者と会談していると言われます。
実際のところ、テスラは今週初めにインドのナレンドラ・モディ首相官邸の関係者と話をしたいうニュースも報じられていて、しかし投資額や工場の場所についてはまだ決まっていない、とも。
インドは現在、世界第3位の自動車市場であり、2022年には約440万台の小型自動車が新たに販売され、米国の1,380万台、中国の2,480万台に次ぐ規模を持っており、テスラは「これからインドでのEV市場がまだまだ伸びる」と踏んでいるものと考えられます。
なお、テスラは「2030年までに年間で2000万台の販売」を目論んでおり、これを達成するにはそもそも生産能力を拡大せねばならず、現在の稼働中のフリーモント工場(カリフォルニア)、ギガテキサス、ギガ上海、ギガベルリンに加えてメキシコにも新しく工場を建設する予定ではありますが、これだけではとうてい2000万台を生産できず、よって大きな可能性を秘めている市場へと(複数の)工場を建設する必要があり、今回のインド攻略はそのひとつの可能性なのだと思われます。
インド市場は「けっこう難しい」
なお、インド市場は実際に大きな規模を誇るものの、その独特の嗜好、そしてサプライチェーンの特異さなど様々な特殊要因があり、非常に攻略が難しいと言われるマーケット。
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事実として多くの自動車メーカーがインド市場を開拓しようとインド市場に参入するも、成功したのはスズキだけだとも言われていて、スズキのインド市場でのシェアを見込んでフォルクスワーゲンがスズキと提携したことがあるほか(現在は提携解消済み)、トヨタも同様の目的をもって(それだけではありませんが)資本提携を行っています。
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よって、テスラがインドに工場を建設し、関税を回避して安価にクルマを販売できたとしても、インド市場がそれを受け入れるかどうかは別問題であり、イーロン・マスクCEOがこの問題をどう見ているのかはちょっと気になるところですね(ただ、インドはテクノロジー大好きな国だとも認識しているので、テスラとの相性は悪くないと考える)。
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参照:Auto News