| アルファロメオ33ストラダーレはあらゆる意味で衝撃的であり、アルファロメオが復活を示す兆候でもある |
現在のアルファロメオCEOは「初期の黄金時代のアルファロメオ」の再現を目指している
さて、アルファロメオは33ストラダーレについて「620馬力のガソリンエンジン(V6)か、750馬力のピュアエレクトリックか」という2種類のパワートレーンに関する選択肢を提示していますが、同時に「33ストラダーレのような、フオーリセリエ(シリーズ外の特別仕様車)モデルを今後も継続して発表する」ともコメント。
ただしアルファロメオは「2027年までに、販売するすべての新車をを電気自動車にする」というコミットメントについても確認しており、となると今後発表されるであろう”フオーリ・セリエ”についてはガソリンエンジンを選択できない可能性が出てきます。
アルファロメオはフオーリ・セリエを拡大する意向を示している
アルファロメオは100年以上の長い歴史を持つ自動車メーカーであり、その初期にはモータースポーツ史に残る輝かしい戦績を残しつつも、1950年以降は経営方針の変更によって量産車メーカーへと転向しています。
それによって高性能スポーツカーや高級車の生産が徐々に縮小され、それまでに行っていた「顧客の特別な注文による受注生産車(つまりフオーリ・セリエ)」の製造も終了してしまうことに。
しかし今回、33ストラダーレの発表と同時に(1969年以来となる)特別受注生産車を復活させることになりますが、この33ストラダーレは「33台が生産される」とはいえど、新たに発足したパーソナリゼーションチーム「ボッテガ」による徹底したカスタムがほどこされ、2台として同じ仕様を持つ個体が存在しないように取り計らわれるというので、事実上、この33ストラダーレは「ワンオフ」と捉えていいのかもしれません。
そしてアルファロメオCEO、ジャン・フィリップ・インペラート氏は、復活したフオーリ・セリエについて「これが最後にはならないことを約束します」と明言し、今後もこういった特別モデルを継続してゆく意向を示しているわけですね。
なお、ジャン・フィリップ・インペラートCEOはアルファロメオ初期を強く意識した展開を行ってゆく意向を示しており、「真のドライバーズカー」を提供すること、高い品質と商品価値、そして未来永劫にわたり残存する高い資産価値をクルマにもたらすことを理念として掲げていますが、その復活の狼煙がこの33ストラダーレであると捉えることが可能です。
「次に発表されるクルマは、EVになるだろう」
こういった方向性、そして発言を見るに、今後も続々「アルファロメオがもっとも輝いていた」時代を駆け抜けた数々のアイコニックなクルマをモチーフにしたフオーリ・セリアが登場すると考えて良さそうですが、アルファロメオの北米担当上級副社長ラリー・ドミニク氏はカーメディアの「この33ストラダーレが最後のガソリン車になるのか」という問に対して以下のように答えています。
答えは、ほとんどの場合、イエス です。100%確実なことは言えませんが、2024年から、本当にヨーロッパでの次のクルマは純粋なBEVとなります。おそらくその方向でいくでしょうね。
このコメントを見る限りでは、次のフオーリ・セリエはピュアエレクトリックカー、つまりBEVになるとも推測できますが、それと同時に、アルファロメオが(ポルシェやランボルギーニ、フェラーリのように)合成燃料(Eフューエル)の使用を視野に入れていないであろうこともわかります。
合成燃料に対する捉え方は自動車メーカーによって大きく分かれており、現時点では様々な(規制を含む)事情が流動的である中、アルファロメオもまたそういった状況を見極めつつ対処してゆくということになるのだと思われますが、スプリント・ザガートをモチーフにするという、33ストラダーレの次となるプロジェクトにも期待がかかりますね(できればガソリンエンジンも選択できるようにしてほしいとは思う)。
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参照:CARBUZZ