| フォルクスワーゲンは市場の不満や批判に真摯に対応する方向性を示してきた |
現在、多くの自動車メーカーが「タッチ式」から「物理式」へと一部インターフェースを逆戻りさせている
さて、フォルクスワーゲンがゴルフ8のフェイスリフト(マイナーチェンジ)版、通称”ゴルフ8.5”の内外装の画像含む一部情報を公開。
画像(公開されたのはゴルフGTI)を見る限りでは、新しいヘッドライトとバンパーを装着し、内装だとより大きなタッチスクリーン、そして物理ボタンが復活していることがわかります。
なお、この「物理ボタンの復活」はゴルフ8(の一部グレード、そしてIDシリーズ等)に採用されたタッチ式の操作方法に関する不満に対応したものだと思われ、これについて消費者間ではもちろん、フォルクスワーゲンにとっても大きな問題として捉えられていたことが報じられていますね。
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新型VWゴルフのインターフェースは大きく改善される?
インテリア画像を見てみると、これまでのゴルフが採用していた「比較的小型でダッシュボード上部に埋め込まれたインフォテインメント システム」から、ID.7、最新のID.4やパサート、そしてティグアンに見られる大型のタブレット型ディスプレイに切り替わっていることがわかります。
なお、これまでのインターフェース(主にタッチ式ディスプレイ)に関する不満は「反応が遅い」「タッチパネルの位置が不適切であり、誤ってタッチした際の誤作動が多い」というもので、フォルクスワーゲンはこういった声に真摯に耳を傾け、よりわかりやすいインターフェース(いくつかの操作系はタブレット型ディスプレイに移行するものと思われる)、そしてより誤作動の少ない操作系へと移行するものと思われます。
一方のエクステリアだと、それほど大きな印象の変化はなく、「前後バンパーとランプ類」を変更するという古典的、かつ定番の内容にてフェイスリフトを行うということがわかりますが、より「ハの字(オメガデザイン)」を強調したディティールに。
なお、グリル周辺のパーツは「別体」となっていて、この部分については「ボディ同色」もしくは「ブラック」などカラーの選択ができる可能性もあり、その場合だと見た目の雰囲気を大きく変えることができそうですね。
リアスポイラーはやや大型化し、これは2020年に発表された「クラブスポーツ」に取り付けられているものと似ていますが、フォルクスワーゲングループ各ブランドのフェイスリフトでは「上位グレードに装着されていた装備が、フェイスリフトによってその下のグレードにも標準装備化される」ことが少なからずあり(アウディだと、S-Lineが標準化されたりする)、このゴルフ8.5もその例に漏れないのかもしれません。
加えてホイールには19インチの「エストリル」が装着されているようで、こちらも”アップグレード”される装備の一つだとも考えられます。
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なお、フォルクスワーゲンはゴルフ8.5にてパワートレーン含む機能面での変更について触れていませんが、今回のティーザー画像や情報の公開については、ラスベガスで開催されるCES(家電見本市)にあわせて行ったものであり、そしてそのイベントの性質上、「クルマとしての走行性能」ではなく「インフォテイメントシステム含む機能面」へと焦点が当てられているように思います。
新型フォルクスワーゲン・ゴルフ8.5にはChat GPTが搭載
そして今回の情報公開の目玉は「ゴルフGTI含め、今後発売される車両のインフォテインメント システムにChatGPTを導入する」というトピックで、このAI システムにより、フォルクスワーゲン音声アシスタントが”既存の音声制御システムの機能を超える新機能を提供できるようになる”とのこと。
新しいアシスタントはエアコンの設定、カーナビゲーション、インフォテインメントシステムを制御できるようになりますが、それ以外にも(Chat GPT同様に)一般的なの質問に答えることも可能だといい、さらにこのAI は継続的に学習してその機能を拡張する、ともアナウンスされています。
この機能は「Hello IDA」と語りかける、もしくは指定されたステアリングホイールのボタンを押すことで起動し、フォルクスワーゲンいわく、「ChatGPT を追加することで最先端のテクノロジーがより多くの人に提供され、よりアクセスしやすくなる」のだそう。
当社は今のところ、この革新的な技術をコンパクトセグメント以上の車両に標準装備する最初の量産メーカーです。ChatGPTのシームレスな統合と当社のパートナーであるCerenceとの強力な連携のおかげで、当社はドライバーに付加価値を提供し、AIベースの研究ツールへの直接アクセスを提供することが可能となりました。
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参照:Volkswagen