| 乗りたいクルマに乗るために、あの手この手を考える人達がいるものだ |
結果として「またとない」パフォーマンスを発揮するロータス・エリーゼが誕生することに
さて、ロータス・エリーゼ(シリーズ1)にホンダ・インテグラ・タイプRの1.8リッター4気筒エンジン(B18C)とトランスミッションを装着した個体が米中古車販売サイトに登場。
「なぜエリーゼにインテグラ・タイプRのエンジンをスワップしたのか」については北米ならではの事情があり、それは「25年ルールを回避したかったから」だと説明されています。
ロータス・エリーゼ(シリーズ1)は1996年に発売されていますが、アメリカには正規輸入されておらず、そしてアメリカには「新車時に正規輸入されていないクルマは、新車発売時から25年が経過しないと輸入し登録できない」という25年ルールが存在するわけですね。
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輸入業者はエリーゼにインテグラ・タイプRのエンジンをスワップすることでこれを回避
よって、ロータス・エリーゼ(シリーズ1)の輸入が可能となるのは2021年なのですが、このエリーゼを改造したサン・インターナショナルはそれまで待つことができず、このロータス・エリーゼを米国へと(2001年に)輸入し、そこでもともと積まれていたローバーKシリーズエンジンとトランスミッションを取り外し、かわりにこのほまれ高きホンダ製B18Cエンジンを取り付けることに。
これによってサン・インターナショナルはこのクルマを「ロータス・エリーゼ」ではなく「サン・インターナショナル RSスパイダー」として2005年に登録することに成功したとされ、しかし「登録が可能になった」理由については不明です(おそらくではあるが、完成車ではなくキットカー扱いとして登録したのではないかと推測される)。
なお、このインテグラ・タイプRのエンジンの換装にあわせてトランスミッションも同じくインテグラ・タイプRのものが移植されているそうですが、これらのメリットは運動性能の向上をもたらすだけではなく(ローバー製のエンジンに比較して)信頼性が高く、万一破損した際にも交換用パーツを入手しやすいという利点もあり、なかなかに魅力的な個体かもしれません。
現在は(2021年を過ぎているので)ロータス・エリーゼ・シリーズ1を合法に米国へと輸入・登録でき、さらにはシリーズ2であれば(2005年以降)米国に正規輸入されているため、それらを選択するという手段も考えられるものの、シリーズ1はシリーズ2よりも軽く、しかもホンダの「タイプR」エンジン搭載(ローバーKシリーズエンジンの出力は122馬力であるが、このB18Cは200~220馬力を発生)となるとこの一台を選ぶ積極的な理由が存在し、よって現在の価格は360万円程度にまで上昇していて(エンジンスワップがなされた改造車にしてはかなり高額である)、落札間際にはさらに価格が上がるものと思われます。
現在の走行距離は約17,000マイル(27,000キロくらい)、注意点としては「エンジンスワップによってトランクスペースが(インテークプレナムに)圧迫されていること」「グラスファイバー製ハードトップの一部に欠けが見られること」が記載されていますが、それらであってもこのクルマの魅力を削ぐものではなく、このエリーゼを走らすことによって得られる喜びと比較すれば「些細なこと」なのかもしれません。
なお、エンジンスワップ時にはいくつかのアップグレードが施されており、リミテッド スリップ ディファレンシャル、アフターマーケット製のカーボンファイバー・エアインテーク/エキゾーストシステム/ホイール、クァンタム製コイルオーバーサスペンション、AEM製アルミニウム・アンダードライブ プーリー、Prodimex製シフター、軽量フライホイール、カスタム仕様のロワアーム当の装着が記されています。
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参照 / Photo:Car&Bids