Image:Praga
| 新興ハイパーカーメーカーは数あれど、実際に生産にまでこぎつける例は非常に少ない |
プラガは市販ハイパーカーでは「新参者」なれどモータースポーツでは幅広く活躍中
さて、2022年11月に日産(R35)GT-Rのエンジンを積んだハイパーカー、プラガ・ボヘマ(Praga Bohema)がチェコ共和国にて産声をあげていますが、そこから1年強が経過したいま、「正式に生産に入った」とアナウンスされています。
このプラガ・ボヘマはカーボンファイバー製のシャシーとボディを持ち、搭載されるエンジンは上述の通りGT-Rから拝借したV6ツインターボ、そしてこのエンジンの出力は690馬力にまで高められています(英国のリッチフィールドモーターズがチューンを担当)。
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プラガ・ボヘマの何がスゴいのか
パワーだけ見るとそこまで驚くべき要素はないように思われますが、プラガいわく「ボヘマのパワーウエイトレシオは一般的なハイパースポーツをしのぐ」。
その数値は1.4であり、ル・マン24時間レースを走るLMP1クラスの「0.97」には及ばないものの、「一般的な」ハイパーカーの平均値である1.45、LMHクラスレーシングカーの「1.53」を凌駕しています。
GT-Rのエンジンと組み合わせられるトランスミッションはヒューランド製シーケンシャルギアボックス、サスペンションは減衰力の調整が可能なオーリンズ製+プッシュロッド、ブレーキディスクはカーボンセラミック、そしてタイヤにはピレリ・トロフェオRという構成です。
さらにそのボディは風洞実験によってエアロダイナミクスが追求されており、時速250キロの時点で900kgものダウンフォースを発生させるそうですが(最高速そのものは300km/h)、価格は140万ドル(現在の為替レートにて約2億円)に設定され、生産台数はわずか89台のみ。
すでに受注受付が開始されており、購入を希望する顧客に対してはファクトリーツアーが開催されているほか、試乗イベントも開催された、とアナウンスされています。
なお、2024年春には一般向けに公開された後に欧州とアラブ首長国連邦そして米国の顧客へとデリバリーされる予定だそうですが、今注文すると「2025年の生産になる(つまり2024年生産分の受注は埋まっている)」のだそう。
ブラガは1907年創業の自動車メーカーであり、その後は軍用車を手掛けていたもののしばらくは活動を休止していたようで、どういった資本そして経緯にて復活したのかは不明です。
ただ、公式サイトを見るとカートやバイク、トラックなど様々な車両をリリースしており、とくに「トラック」だとダカールラリーに出場するなど積極的にモータースポーツに関わっていて、このボヘマの開発に際しても元F1およびインディカードライバーのロマン・グロージャン、(元スティグである)ベン・コリンズが開発に参加したとアナウンスされているため、モータースポーツ界ではけっこう有名なのかもしれません。
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