| アストンマーティンは今回の新型V12エンジンに関する発表の中に数々の情報を散りばめている |
新型V12モデルは相当に入手が困難なモデルとなりそうだ
さて、先日はアストンマーティンDBSスーパーレッジェーラ後継モデルにV12エンジンが搭載される可能性が高いという話題をお届けしましたが、今回アストンマーティンが新型V12エンジンを公開し、その「可能性」が「確実」な領域にまで高められることに。
現時点ではその排気量やVバンクの角度、ボアとピッチなどが公開されておらず、数値として示されているのは「835馬力と1,000Nmのトルク」のみ。※技術詳細は追って公開される、とのこと
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新型アストンマーティンDBSスーパーレッジェーラ後継は「ヴァンキッシュ」?
もちろんこの途方もないパワーはツインターボによって絞り出され、そして興味深いのはアストンマーティンが発行したプレスリリースの末尾に「All will be vanquished.(すべてが打ち負かされるだろう)」と記載されていることで、となるとDBSスーパーレッジェーラの後継モデルは「スーパーレッジェーラ」の名を捨て、「ヴァンキッシュ」を名乗ると考えていいのかも。
なお、アストンマーティンは伝統的に「V」で始まる車名が与えられることが多く(例外あり)、そしてこれは今までに経営体制が変われども脈々と受け継がれた伝統です。
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そして現在のアストンマーティンのオーナー、ローレンス・ストロール氏はとりわけアストンマーティンの伝統を重んじる人物であり、少し前にはエンブレムを先祖返りさせて往年のスタイルに戻したこともあるほどなので、ここで「V」ではじまるヴァンキッシュ=Vanquishの名を復活させることはまったく不思議ではありません。※ヴァンキッシュのネームプレートは2018年でいったん途絶えている
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アストンマーティンの新型V12エンジンは「職人による手組み」に
アストンマーティンの最高技術責任者、ロベルト・フェデーリ氏は新型エンジンの発表に際し「この比類のないエンジンは、アストンマーティンにとってまばゆいばかりの新しいV12時代の幕開けにほかなりません」と述べ、同社によれば”新しい V12 エンジンは、アストン マーティンの最も独占的かつ限られた入手可能モデルに搭載される予定で、贅沢なスポーツ志向を大胆に表明するものであり、そのため、毎年、厳密に限られた数で手作りされます”。
つまりV12エンジンの生産は厳しく制限されるということを意味し、これは「MTやミドシップレイアウトを持つモデルの生産台数を絞る」という方針と同様に希少性を高める戦略だと考えてよく、前CEO、そのまた前のCEOとは異なって「数にこだわらず、高付加価値製品を適切な価格にて、少量販売することで利益率を高める」のだと思われます。
今回のプレスリリースにてアストンマーティンが述べた内容は以下の通り。
アストンマーティンは、技術的な傑作とクラスの真のリーダーとして、25 年にわたる V12 エンジンを搭載したフラッグシップの血統を継続することに取り組んできました。 社内の卓越したエンジニアリング能力のショーケースであり、感情的な関与を挑戦的に擁護し、心臓がドキドキするドライブへの直接的なルートを理解している人に本能的なパフォーマンスを約束します。
835PS と驚異的な 1000Nm のトルクを備えた新しい V12 エンジンは、比類のないものです。 最適化と改善を目標とした完全な再設計の結果、新しいエンジンは内燃プロセスのあらゆる段階を改良し、前例のないパフォーマンスと効率を達成しました。
新しい V12 エンジンのハードウェアのハイライトには、強化されたシリンダーブロックとコンロッド、再プロファイルされたカムシャフトを組み込んだ再設計されたシリンダーヘッド、さらに新しい吸気ポートと排気ポートが含まれます。 位置を変更したスパークプラグと新しい高流量燃料インジェクターにより、最適化された燃焼が実現され、クラス最高のパフォーマンスと効率が向上します。 さらに、新しい高速で慣性が低減されたターボチャージャーにより、パフォーマンスとスロットル応答性が向上しました。
Dawn of a new V12 era.
— Aston Martin (@astonmartin) May 1, 2024
All will be Vanquished.#AstonMartin #TwelveCylinders
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参照:Astonmartin