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| MC20が“MCPura”として再登場。マセラティの「純粋」なスーパーカー戦略とは? |
マセラティは「期せずして」そのラインナップが「ピュアな内燃機関のみ」に
マセラティが2026年モデルとして、フラッグシップスーパーカー「MC20」の改良版を発表し、その名称はウワサされた「MC25」ではなく「MCPura(エムシーピューラ)」。
「MC」は“Maserati Corse”(マセラティ・コルセ/レーシング部門)を、「Pura」はイタリア語で「純粋」を意味し、ハイブリッド化の波を避けた“ピュア”なガソリンスーパーカーであることを強調しています。
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メカニズムはMC20を維持、ディテールをブラッシュアップ
新型MCPuraの心臓部は、従来と同じ3.0リッターV6ツインターボ「Nettuno(ネトゥーノ)」エンジン。
このエンジンは、アルファロメオ製V6(元はフェラーリV8ベース)を基に開発され、F1由来の「プリチェンバー点火システム」を採用した唯一の市販車用エンジンです。
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- 最高出力:630馬力(7,500rpm)
- 最大トルク:約730Nm / 3,000~5,500rpm
- トランスミッション:Tremec製8速DCT(シボレー・コルベットと同型)
- 駆動方式:後輪駆動(RWD)
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外観は微細な改良、より洗練された空力と装備
デザインは大きく変わらずとも、フロント/リアバンパーを刷新して空力性能を向上。
オプションで大型リアスポイラーも追加され、GT2ストラダーレを意識したフロント周りが与えられ、アンダーボディの空力処理も見直された、とのこと。
特にオープントップ仕様「MCPura Cielo(チェロ)」では、ルーフを開けた状態でも運動性能が落ちないよう、空力と冷却効率の最適化が図られているようですね。
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ホイールデザインも一新され、しかし伝統の「3」をモチーフにしたデザインは健在です。
なお、マセラティが「3」を重要視し、あちこちで視覚化しているのは、そのエンブレムがトライデント(三叉の銛)であることに加え、創業が「マセラティ3兄弟」によってなされたという伝統を反映したためだと解釈しています。
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インテリアはより高級に、機能面も進化
インテリアでは、アルカンターラの使用範囲が拡大し、GT2 ストラダーレ由来のカーボン製ステアリングホイール(シフトライト付き)も選択可能に。
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さらに、車両情報をリアルタイム表示する「パフォーマンス・ページ」付き新型インフォテインメントシステムも搭載されています。
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マセラティはMCPuraの販売台数を大幅に絞る
なお、興味深いのは、マセラティがMCPuraの生産台数を大幅に絞るということで、2026年モデルは全世界でも限定数のみが販売され、北米だと割り当てはわずか120台(日本は何台なのかわからない。全世界で400台くらいに絞られるようだ)。
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そしてこれらにはシリアルナンバーが入るというので、マセラティはMC20とCMPuraを通じ、その価値を最大限に高めようとしているのだと思われます(その意図は、ピュアなガソリエンジン搭載車という意味のネーミングからも見て取れる)。
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2022年は「全モデルに電動板”フォルゴーレ”を用意する」と明言したマセラティ。今回は「誰も欲しがらないため」MC20フォルゴーレの発売を中止すると正式に認める
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ハイブリッド全盛の今、“ピュアガソリン”がむしろ希少価値に?
現在スーパーカー界は電動化の流れにある中で、マセラティは「純内燃機関の魅力を貫く」という立場を明確にしており、ライバルたち(フェラーリ296GTB / GTS、マクラーレン・アルトゥーラ、ランボルギーニ・テメラリオなど)がハイブリッド化を進める中、MCPuraのピュアさは逆に新鮮。
もともとMC20はガソリン or ピュアエレクトリック展開を予定しており、ハイブリッドが予定に入っていなかったことが怪我の功名となったのかもしれません(電動版=フォルゴーレを捨てることで、むしろピュアなラインナップのみが残ることに)。
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マセラティ「新型」MCPuraの公式動画はこちら
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