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今までに乗ったランボルギーニ、そしてフェラーリの燃費はどうだったのか?ボクは燃費を「節約のための指標」ではなく「エンジン / パワートレイン効率性の指標」だと考える

フェラーリ296GTB

| スポーツカーそしてスーパーカーは「いかにパワーを上げつつも燃料の消費を抑えるか」が重要である |

そのほうがより「モータースポーツで勝てる」可能性が高くなる

さて、今回触れてみたいのは「スーパーカーの燃費」。

「スーパーカーに乗っていて燃費を気にするな」と叩かれそうではありますが、ぼくにとっての燃費は「節約のための数字」ではなく「エンジンの効率性」を示すもので、つまりそのエンジン含むパワートレインがどれくらい効率的であるかを知ることができる指標でもあります。

たとえば、同じ重量、同じパワーのクルマが2台あったとして、片方の燃費が優れていれば、それは「より効率的なパワートレインを持っている」と考えることができ、より燃焼効率が高かったり、より摩擦の少ない駆動系を持っているのだと推測することが可能です。

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スポーツカーメーカーにおける「燃費」の意味するところは

そして「高い燃焼効率」「フリクションの小さい駆動系」はスポーツカーやスーパーカー、レーシングカーにとって非常に重要な要素であり、「効率や摩擦が小さければ」、たとえばモータースポーツにおいては給油回数が少なかったり、破損や摩耗の可能氏が小さくなって「勝てる可能性」が高まることに。

よって、スポーツカーメーカーにとっての燃費とは、単純に「法規制に適合させたり、維持費が低いことを示す」ためのものではなく、「いかに優れたエンジン、パワートレインを持っているか」を示す指標でもあって、その自動車メーカーが「どれだけ速くクルマを走らせ、いかに多くの勝利を目指そうとしているか」、そしてそのための技術革新を追求した結果であるかだとも考えられます。

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さらに重要なのはそのクルマ全体のスペックであり、「パワーダウンして燃費が向上」しても意味はなく、「パワーそのままで燃費ダウン(これは環境規制への対応にてパワーが食われていることを示している)」もまた技術の進歩が規制に追いついていないことを意味します。

となると望ましいのは「パワーアップと燃費の向上」双方を満たしている、ということになりますが、ここで今までに乗ってきたスーパーカーの燃費を見てみましょう。

ランボルギーニの燃費はどうだったのか

そこでまず見てみたいのはランボルギーニの燃費ですが、カタログ燃費について2008-2010年頃までは10・15モード、2011-2018年秋ごろまではJC08モード、2018年秋以降はWLTCモードへの表記へと移行しており、後になればなるほど「より厳格に、より現実に即した」燃費測定方法を採用しています。

ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4(所有期間:2009年-2014年)

  • エンジン:5.2リッターV10
  • 出力:560馬力
  • 駆動方式:4WD
  • トランスミッション:6速ロボタイズドMT
  • 車体重量:1,485kg
  • 加速性能:0-100km/h 3.7秒
  • 最高速:325km/h
  • カタログ燃費:6.8km/L
  • 実燃費:6.14km/L
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ランボルギーニ・ウラカンLP610-4(所有期間:2015年-2019年)

  • エンジン:5.2リッターV10
  • 出力:610馬力
  • 駆動方式:4WD
  • トランスミッション:7速デュアルクラッチ
  • 車体重量:1422kg
  • 加速性能:0-100km/h 3.2秒
  • 最高速:325km/h
  • カタログ燃費:7.0km/L
  • 実燃費:6.19km/L

これら数値を見るに、ウラカンでは、ガヤルドと同じエンジンを搭載しつつも出力を50馬力向上させ、しかし軽量化、そしてトランスミッションのDCT化と7段化(+1段)によって燃費を向上させていることがわかります。

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ランボルギーニ・ウラカンEVO RWD(所有期間:2020年-2023年)

  • エンジン:5.2リッターV10
  • 出力:610馬力
  • 駆動方式:2WD(MR)
  • トランスミッション:7速デュアルクラッチ
  • 車体重量:1,389kg
  • 加速性能:0-100km/h 3.3秒
  • 最高速:325km/h
  • カタログ燃費:7.3km/L
  • 実燃費:6.14km/L

ウラカンEVO RWDではウラカンLP610-4と同じエンジン出力ながらも若干のカタログ燃費の向上が見られ、これは「2WD化」「気筒休止システムの導入」によるものと考えられます。

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一方、実燃費はウラカンLP610-4よりも少し悪く、その理由としては、所有期間がコロナ禍まっただなかであったので、「高速道路を使用した遠出が少なく、短距離を走ることが多かった」からなのだろうと推測。

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フェラーリの燃費はどうだったのか

そして次はフェラーリの燃費。

フェラーリ ポルトフィーノ(所有期間:2023年-2024年)

  • エンジン:3.9リッターV8ツインターボ
  • 出力:600馬力
  • 駆動方式:2WD(FR)
  • トランスミッション:7速デュアルクラッチ
  • 車体重量:1,554kg
  • 加速性能:0-100km/h 3.5秒
  • 最高速:320km/h
  • カタログ燃費:6.6km/L
  • 実燃費:5.9km/L

ポルトフィーノはウラカンと同程度の出力ながらもカタログ燃費に優れず、これはその重量に起因するものだとも考えられます(加えてFRの場合、パワーロスがMRに比較して大きい)。

なお、実燃費が優れないのは、やはりぼくがこのクルマで遠出する機会が少なかったからだと思われます。

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フェラーリ ローマ(所有期間:2024年-2025年)

  • エンジン:3.9リッターV8ツインターボ
  • 出力:620馬力
  • 駆動方式:2WD(FR)
  • トランスミッション:8速デュアルクラッチ
  • 車体重量:1,472kg
  • 加速性能:0-100km/h 3.4秒
  • 最高速:320km/h
  • カタログ燃費:6.6km/L
  • 実燃費:5.6km/L

そして「ポルトフィーノの発展版」、ローマではポルトフィーノ比で出力が20馬力向上。

エンジンそのものは基本的に同一ですが、トランスミッションが7速から8速へと多段化され、車体重量も軽くなっています。

一方でカタログ燃費はポルトフィーノに比較して変わりはなく、つまり「パワーアップと環境性能との両立がいかに難しい時代になったか」を示しているのかもしれません。

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実際のところ、メルセデス・ベンツやBMWのフェイスリフトでは「パワー据え置き」という例が多くなっていて、これは「環境規制によって失われる出力をなんと開示するのがやっと」という状況を示しているのだと思われます(それまで、フェイスリフトでのパワーアップは「常識」であった)。

フェラーリ296GTB(所有期間:2025年-)

  • エンジン:3リッターV6ツインターボ(663馬力)+ハイブリッド
  • 出力:830馬力
  • 駆動方式:2WD(MR)
  • トランスミッション:8速デュアルクラッチ
  • 車体重量:1,470kg(乾燥重量)
  • 加速性能:0-100km/h 2.9秒
  • 最高速:330km/h
  • カタログ燃費:12.0km/L
  • 実燃費:未計測

フェラーリ296GTBはプラグインハイブリッドパワートレインを搭載するため、カタログ燃費は「リッター12km」という驚愕の数値です。

ただ、PHEVの場合は燃費を算出することが容易ではなく、というのも「エレクトリックモーター駆動用バッテリーの充電状況によって燃費が大きく変わるから」。

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たとえば自宅でいつも満充電にしておき、近所を少し走るだけの用途であれば、極端な話「ガソリンを全く使用しない」ということも考えられます。

一方で、エレクトリックモーターを駆動するバッテリー残量が恒常的に「満充電ではなく」、ガソリンエンジンを回すことで充電しながら走る場合、ガソリンの消費量は「多くなりがち」。

よって実際のところどうなのか、今後の走行を持って検証してゆきたいと思います。

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