
| ベントレーのインテリアにおける進化の新たな焦点は「カップホルダー」 |
EV時代では「他とは異なる視点」が重要に
近年の自動車インテリアでは、大型スクリーンや音声認識、ジェスチャーコントロールなど電子系装備の革新に注目が集まっていますが、そんな中でベントレーは、もっと身近で基本的な装備 ―― カップホルダーに革新をもたらそうとしています。
同社が世界知的所有権機関(WIPO)に提出した特許申請によれば、これは単なるドリンクホルダーではなく「世界一豪華でハイテクなカップホルダー」とも呼べる存在であることがわかります。
EV時代が生んだ「深型コンソール」対応
ベントレーによると、EV化によって従来のドライブシャフトや排気管が不要になり、「コンソール部分がより深くなる新しいデザインが可能に」。
その一方で「深すぎるカップホルダー」は使い勝手が悪く、飲み物が取り出しにくいという課題も生まれています。
これに対する解決策が、電動で高さ調整が可能なカップホルダーというわけですね。
Image:Bentley
自動昇降・蓋付き・センサー連動
特許によると、このカップホルダーは以下の機能を備えることが明らかに。
- 電動昇降機構:飲み物を取り出しやすい高さまで自動で持ち上げたり、安定性を重視して下げたりできる
- スライド式蓋:蓋を閉じることで急ブレーキや旋回時のこぼれを防止
- センサー制御:加速度や車両の挙動に応じて自動でホルダーが反応。乗員が乗車すると自動でオープンすることも可能
- 温度調整機能:ベントレーらしく、飲み物を温めたり冷やしたりできる加熱・冷却機能も搭載
こうやって見ると、まさに“飲み物専用のラグジュアリーシステム”といえそうですが、ぼくとしては「ジンバル」を搭載してほしかったな、というところ(故カール・ラガーフェルドは、自身の愛猫が車内でも水を飲めるよう、ジンバルを搭載し「こぼれない」給水器をクルマに搭載していた)。
Image:Bentley
それでもまだ残る「課題」
そしてこの特許申請には「ひとつ欠けている点」があると指摘されており、それは「カップの直径や形状への対応」。
小さすぎるエスプレッソカップや、巨大なソフトドリンクカップなど、サイズの違いによるフィット感の問題は依然として残されており、もしこの問題を解決できれば、ベントレーのカップホルダーは“真の王者”になれるかもしれません。
なお、ベントレーは新しいCEOを迎え、新時代に向けたデザインコンセプトも発表済み。
おそらくは「今まで以上にパワフルで、今まで以上に豪華な」グランドツアラー路線へとシフトするものと思われますが、新コンセプトに沿って設計する市販車の登場を心待ちにしたいと思います。
Image:Bentley
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参照:CARBUZZ