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| 伝説の復活、ル・マン覇者「911 2.5 S/T」 |
数十年の時を経て「幻のバーンファインド」のウワサを辿り発見される
2013年に「サンフランシスコ近郊の納屋で、1972年にル・マン24時間レースのGTクラスを制したポルシェ911 2.5 S/Tが発見された」というニュースがかけめぐっていますが、このポルシェ911 2.5 S/Tは2016年にフルレストアされて当時の輝きを取り戻し、そして今回は「そのポルシェ911 2.5 S/Tと同じ」リバリーをまとう現代版911 S/T(ワンオフ)と並ぶ姿が公開されています。
ちょっと補足しておくと、この「ル・マン優勝車」であるポルシェ911 2.5 S/Tは1975年リバーデールでの参戦を機に引退し、その後は数名のオーナーの間を転々としたものの、行方不明となってしまいます。
ただし2008年になってこのクルマのウワサが浮上し、「幻のポルシェ911 2.5 S/T」を求めてスイスのコレクターが渡米して発見し、自身のものとしたのが今回紹介される(現代版911 S/Tとともに並ぶ)911 2.5 S/T。
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911 2.5 S/Tはポルシェの総力を挙げてレストアがなされる
この911 2.5 S/Tはポルシェ・クラシック総力を挙げてのレストアがなされ、1,000時間以上の板金作業と最新の防錆技術を用いて蘇えることとなっていますが(完成時には当時のポルシェ公式コンテンツでも紹介されている)、ボディカラーは当時の記録をたどってライトイエロー(コード117) にペイントされ、ル・マン優勝当時と同じゼッケン「41」が記されるなど、”まるで時空を超えたかのように”蘇生されることに。
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現代に甦る「新型911 S/T」
そして2024年、同じオーナーのガレージに収まったのが 現代版911 S/T。
オーナーの依頼により、ポルシェ Sonderwunsch(ソンダーヴンシュ=特別注文プログラム) が1972年のマシンをモチーフに製作を行い、以下の仕様が再現されています。
- 同じライトイエロー(コード117)をハンドペイントで再現
- ダークシルバーのマグネシウム鍛造ホイール
- ブラックのブレーキキャリパーとインテリア
技術面では最新の911 S/Tをベースに、自然吸気4.0ℓフラット6を搭載。
最高出力525PS、9,000rpmまで回る高回転型ユニットを軽量ボディ(1,380kg)に収め、6速MTと組み合わせています。
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ポルシェの「Sonderwunsch」が描く未来
こちらが当時の911 2.5 S/Tで・・・。
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こちらが現代版911 S/T。
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今回の「S/Tデュオ」が示すのは、伝説を忠実に蘇らせることと現代に新たな解釈を吹き込むこと。
- クラシックモデルの修復では、当時の資料に基づいた完全再現に加え、最新技術で耐久性を向上。
- 現行モデルの特注車では、オーナーの想いを具現化しつつ、量産車と同等の品質と保証を維持。
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ポルシェが誇るカスタマイズ哲学は「過去と未来の架け橋」として、限りない創造性を示しているようですね。
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