
| かつての「ヴァンテージのMT版」はほとんど注文がなかったというが |
当時とは事情が異なり、マニュアル復活は歓迎される可能性が高い
アストンマーティンCEO、エイドリアン・ホールマーク氏は2025年3月のメディアインタビューにて、「スポーティさや純粋なスポーツカー体験を開発する際には、マニュアル・トランスミッションが必要だ」と語っていますが、最新の噂によれば、アストンマーティンは2026年に「Vantage-M」と呼ばれるマニュアル仕様モデルを投入する、と見られています。
なお、ヴァンテージにはかつてMT仕様が投入されていたものの、当時はマニュアル・トランスミッションの要望がさほどなく、加えて「MTだとエミッションコントロールが難しい」ことから販売が終了することに。
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しかしその後、「MTへの飢餓感」がスポーツカー市場にて高まるにつれ「MT復活待望の声」が日に日に大きくなっており、アストンマーティンはこれに応える、ということなのかもしれません。
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アストンマーティンを取り巻く事情は「二転三転」
アストンマーティンはこの数年で「数人の」CEOが交代しているという状況ですが、これによって方針が(たびたび)大きく変わり、V6エンジンの開発が中止されたことでヴァルハラに「V8」が積まれたり、ミドシップ化される予定であったヴァンキッシュが「フロントエンジン」で登場したり。
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そしてちょっと前までのアストンマーティンは「V12エンジンを終了させる」とコメントしていたもののこれを継続させ、マニュアル・トランスミッションに関しては(ヴァラーのような)特別限定モデルにしか搭載しないと述べていたところ、今回は「ヴァンテージにも設定」されそうです。
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CEOが交代しているので「方針の変更もやむなし」ではあるものの、一部では「えぇ・・・」という声もあるようで、アストンマーティンの販売現場では「適切な説明」が求められているというのが現状なのかもしれません。
アストンマーティン・ヴァンテージSが「MT化」?
なお、アストンマーティンは最近、現行ヴァンテージの中でも最もパフォーマンス志向のモデル「ヴァンテージ S」を発表済み。
- エンジン:4.0リッターV8ツインターボ
- 出力:680馬力(6000rpm) ※標準Vantage比 +20hp※トルクは据え置き
- 改良点:スロットルレスポンス強化、サスペンション再設計によるハンドリング向上
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【新型アストンマーティン・ヴァンテージS登場】680馬力・3.3秒で0-100km/h、過去最強の「S」モデルがデビュー
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現在の「ヴァンテージS」は8速ATのみの設定ですが、性能やキャラクターを考えると、このヴァンテージSはマニュアル化の候補として理想的なモデルだといえます。
「ヴァンテージ-M」はどうなる?
現時点で公式発表はないものの、様々な観点から「ヴァンテージM」投入の可能性が高いと見られているのが現状で、こうした背景から、ヴァンテージ-Mは「究極のピュアスポーツ」を体現するモデルとして位置付けられる可能性が高いのかもしれません。
- CEOの示唆:「ヴァンテージには特別なマニュアルが必要」と明言済み。
- ブランドの方向性:アストンマーティンはドライビングピュリズムを重視する姿勢を強調。
- 市場動向:ポルシェ911やBMW M3など、一部メーカーは依然としてマニュアルを求める顧客層に応えている。
ただ、アストンマーティンの場合、ポルシェやBMWとは異なって「サーキット志向」というよりは「グランドツーリング志向」でもあるため、マニュアル・トランスミッションを「通常買えるモデルに設定しても」顧客が興味を示さない可能性もあり、となるとヴァンテージ「M」は限定モデルとしてその希少性が高める戦略が取られる可能性が考えられます。
まとめ
- アストンマーティンは2026年に「ヴァンテージ(Vantage)-M」としてマニュアル仕様を復活させる可能性が高い
- 現在発表された「Vantage S」はその布石ともいえるモデル
- 依然として少数派ながら、熱心なファン層に向けた“ピュリスト向け”戦略といえる
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