
| リコール台数=これまでの販売台数だと見られている |
つまるところ、現在までサイバートラックは6.4万台しか売れていない
テスラが「サイバートラックのライトが明るすぎて対向車の視界を妨げる」可能性があるとして約6万3,619台の車両をリコールすることを発表。
対象は2023年11月から2025年10月までに製造された、”ほぼすべての”サイバートラックだと報じられ、よってリコール台数=累計生産台数ということになりそうです(発売前には150万台程度の予約が入っていると言われたが)。
問題となったのは「明るすぎるパーキングランプ」
なお、問題となっているのはヘッドライトそのものではなく、「パーキングライト」の明るさ。
このパーキングライトが「米国の連邦自動車安全基準(FMVSS 108)による光度上限」を超えていたことが判明したわけですが、これがわかったのはユーザーからの指摘ではなく「社内でのフォトメトリック(光度)テスト中」。
このテストを行っている際にLEDライトが想定以上の明るさを出していることを確認し、その原因はソフトウェアが誤ってライトユニットへと過剰な出力を指示していたことにあると結論付けています。
リコール対応は「オンライン」にて
このため、テスラはハードウェア交換ではなく、OTA(Over-The-Air)によるソフトウェアアップデートで修正対応を実施予定であるとも報じられ、つまりユーザーはディーラーやサービスセンターに車両を持ち込む必要がなく、これは「テスラならでは」、そしてソフトウエア定義車両ならではのメリットだといえそうですね。
実際のところテスラのOTA対応は、従来のリコール対応と比べて迅速かつ効率的で、ハード交換が不要なためディーラーやユーザーの負担も小さく、もちろんテスラにとっても「費用負担を最小限に抑えること」が可能です。
とはいえ、開発段階でのテスト精度や品質管理体制には依然として課題が残ることも事実であり、特にサイバートラックはリコール回数が少なくはなく、それは「新しく開発した機構や装備が多いから(逆に、モデルYはモデル3の”派生”ともいえるクルマであったため、ブランニューモデルであってもトラブルは少ない)」。
となると、これまでのテスラの車両との関連性が大きくないであろう「サイバーキャブ」にも同じことがいえる可能性があり、サイバーキャブについても投入初期にはなんらかのトラブルが頻発することが考えられ、テスラはサイバートラックでの事例を教訓とし、開発段階において様々な対策を導入する必要があるのかもしれません。
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なお、北米ではライトに関連するリコールは珍しくはなく、 2024年にはポルシェがマカンEV約3,000台を(同様に)ライトの光量過多でリコールしており、こちらもソフトウェア更新で対応済み(ただしディーラーにクルマを持ち込み、ソフトを上書きする必要があった)。
一方、2022年にGMCがSUV「テレイン」で同様の問題に直面した際は、ライト部分に“ステッカー”を貼るというアナログな方法で対応したこともあって、その対策は各社各様ということになりそうですね。
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