>日産/インフィニティ(Infiniti)

【日産】「新型エルグランド」「パトロール」「アリアMC」発表。ジャパンモビリティショー2025で公開された3大フラッグシップモデルの全貌とは

【日産】「新型エルグランド」「パトロール」「アリアMC」発表。ジャパンモビリティショー2025で公開された3大フラッグシップモデルの全貌とは

Image:Nissan

| ついに日産がジャパンモビリティショー2025で未来のフラッグシップ3モデルを公開 |

やはり最も注目すべきは「エルグランド」である

2025年10月29日、日産自動車は「JAPAN MOBILITY SHOW 2025」において、日本のモビリティの未来を象徴する3つのフラッグシップモデルを公開。

この発表は、日産の経営計画「Re:Nissan」の取り組みを具現化するものであると同時に、日本市場における長期的な成長と顧客満足度の向上を目指すという強い意志を示すもので、同社CEOのイヴァン エスピノーサ氏はこれらの発表に関し以下のように述べています。

「力強く活気ある日本市場は、日産のグローバルな成功にとって鍵となる」

さらには軽自動車からフラッグシップモデルまで、感動と誇りを呼び起こす魅力的な商品を提供していく目標を明らかにしていますが、ここで「3台のフラッグシップ」を見てみましょう。

待望のフラッグシップモデル3車種を一挙公開

1. 4代目「新型エルグランド」:e-POWERとe-4ORCEで究極のプレミアムミニバンへ

新型「エルグランド」は2026年夏の発売を予定しており、今回のジャパンモビリティショー2025にて先行公開。

Nissan-JMS (4)

Image:Nissan

エルグランドといえば1997年の初代モデルから「プレミアムミニバン」という新たな市場を日本に切り開いてきたパイオニア的存在で、存在感あふれるスタイリングや長時間の乗車でも快適に過ごせるシート、卓越した走行性能が長年にわたり評価を得てきたモデルです。

そこで4代目となる新型エルグランドの最大の進化ポイントは以下の通り。

Nissan-JMS (5)

Image:Nissan

特徴詳細と意義関連技術/背景
パワートレイン第3世代となる日産のハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載。低燃費でありながら、電動車ならではの力強い走りを実現日産の電動化への取り組み
走行制御進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載。様々な路面状況で安定した走行性能と快適な乗り心地を提供するe-4ORCEは高いプレミアムミニバンにふさわしい乗り心地と「運転の愉しさ」を両立
乗り心地インテリジェントダイナミックサスペンションを採用。乗員全員が満足できる、上質な乗り心地を実現長距離移動でも快適な「グランドツーリング体験」を提供
デザイン/内装“威風堂々”としたエクステリアは、ジャパンフラッグシップとしての存在感抜群。国内モデル初となる14.3インチの大画面統合型インターフェースディスプレイを採用し、上質で先進的な空間が広がっている

新型エルグランドは「長距離でも快適で、大切な人たちと上質な時間を過ごせるプレミアムツーリングミニバン」として期待を大きく超える可能性があり、トヨタ・アルファード / ヴェルファイアに一矢報いることができるかもしれませんね。

Nissan-JMS (7)

Image:Nissan

ちなみにデザイン的には「スマートで洗練」されている一方、アルファード / ヴェルファイアほどの威厳は感じられず、しかしそれが「アル / ヴェルを敬遠していた層」に刺さる可能性もあり、発売後の動向には注目したいと考えています。

251029-01_Elgrand_23

Image:Nissan

2. 70年の伝統が日本へ。大型SUV「パトロール」2027年度前半に投入決定

日本のオフローダーにとって最も衝撃的で歓喜に満ちたニュースが、「パトロール」の日本市場投入決定。

パトロールは、過去の伝統を受け継ぎながらも大胆なデザインを持ち、中東市場などで高い評価を得ているモデルです(ドバイだと、ランドクルーザー100台に対しパトロール1台くらいの割合で見かけられた。とくにNISMOバージョンが人気)。

Nissan-JMS (2)

Image:Nissan

• 発売時期: 2027年度前半に日本市場へ投入予定

• 特徴: パワフルなV6ツインターボエンジン、最新のインフォテインメントシステム、プレミアムなインテリアを兼ね備えた本格派SUV

日産は、2007年の「サファリ」生産終了以降、日本国内での大型SUVラインナップが途絶えていましたが、パトロールの投入によりこのセグメントへと再参入を果たすことに。

Nissan-JMS (3)

Image:Nissan

日産CEO、イヴァン・エスピノーサ氏は「70年以上にわたる歴史を礎にした新型『パトロール』は、日本市場においても類を見ない存在感を放つことでしょう」と、その歴史的意義と日本市場でのインパクトに自信を見せています。

このパトロールは、顧客の感情に響く「ハートビートモデル」の一つとして位置づけられており、日本の大型SUV市場に新たな風を吹き込むこと間違いなく、ランドクルーザーの牙城を崩す存在としても期待がかかります。

240904-00_7th_Patrol_07

Image:Nissan

3. フラッグシップEV「日産アリア」がV2L対応へ、マイナーチェンジモデルを先行公開

日産のフラッグシップEVである「日産アリア」は年度内にマイナーチェンジを予定しており、そのプレビューモデルが今回のショーへと参考出品されることに。

アリアはその洗練されたデザインと最新技術で知られていますが、マイナーチェンジではさらに先進性と利便性が向上することとなり、特に注目すべき改良点は以下の4点です。

Nissan-JMS (6)

Image:Nissan

1. デザイン刷新: より先進性と上質感を感じさせるフロントデザインに一新

2. インフォテインメント: Googleを搭載したインフォテインメントシステムの採用

3. 利便性の向上: EVのバッテリー電力を外部に取り出すことができるV2L(Vehicle to Load)機能の追加

4. 走行性能: 日本の道路環境において、より快適な乗り心地を提供するサスペンションの変更を実施

V2L機能の追加は、災害時やアウトドアシーンでの利便性を飛躍的に高めるものであり、EVオーナーにとって非常に実用的な進化。

日本の道路環境に合わせたサスペンションの変更からも、日産が日本市場のニーズを深く汲み取っていることが分かり、これまで北米中心の考え方が主流であった日産に訪れた「変化」を示すモデルであるとも考えられます。

251009-01_03_Ariya (1)

Image:Nissan

ちなみにですが、ぼくはアリアにちょっと興味を感じていて(運転したことはないけれど)、もう少し中古車が安くなれば買ってみようかと思案中。

なぜ今、この3車種なのか?日産経営計画「Re:Nissan」の真意

今回発表された3つのフラッグシップモデルは、単なる新型車の発表に留まらず、日産のグローバルな成長戦略である経営計画「Re:Nissan」の具体的な行動を示すもの。

「Re:Nissan」は、革新的な商品と技術、そして心に残る体験を中心に据えており、イノベーションを通じて顧客満足度を向上させ、持続可能な成長を目指しています。

日産
日産「Re:Nissan」再建計画の全貌:20,000人削減とプラットフォーム半減の真意

| 【冒頭】日産、崖っぷちの再スタート | かつて世界トップクラスの販売台数と技術力を誇った日産。 しかし2025年3月期には約6,700億円の純損失を計上し、来期の業績見通しすら出せない異常事態とな ...

続きを見る

251029-01_Elgrand_10

Image:Nissan

• 主力モデルの刷新(エルグランド): エルグランドのような既存の主力モデルにe-POWERやe-4ORCEといった先進技術を搭載し、商品力を高めることで、既存顧客のニーズに応える

• 新セグメントへの参入(パトロール): パトロールを投入することで、日産がこれまでラインナップしていなかった大型SUVセグメントを開拓し、新たな顧客層を獲得する

• 技術の進化と伝統の融合(アリア、全モデル): EV技術(アリアのV2L)や電動駆動技術(エルグランドのe-4ORCE)により消費者のニーズに応え、「感動と誇り」を呼び起こすクルマを提供する

日産は、伝統を活かしつつも、先進技術によって支えられたインテリジェントなクルマを提供することで日本市場における地位を確立し、未来像を実現しようとしていますが、そのデザインからも日産の(インテリジェントを目指すという)方向性を伺うことができるように思います。

251029-01_Elgrand_11

Image:Nissan

まとめ:日産が目指す「感動と誇り」のモビリティの未来

ジャパンモビリティショー2025で公開された新型「エルグランド」、日本投入が決定した「パトロール」、そして進化を遂げる「日産アリア」は、日産がこれから向かうべき方向を明確に示すもの。

これらのモデルは単に移動手段としての役割を果たすだけでなく、ぼくらの日常に「感動と誇り」を呼び起こす存在となることを目標として開発されています。

e-POWER、e-4ORCE、V2L、そしてV6ツインターボエンジンといった多様な技術選択肢を持つ日産のフラッグシップモデルは今後の自動車市場において大きな存在感を放つことは間違いなく、日産の「復活」を予感させる存在であるのかもしれません。

240904-00_7th_Patrol_08

Image:Nissan

あわせて読みたい、日産関連投稿

日産が中期計画に基づく対中戦略車第一号「N7」発表。内外装は中国で好まれる「お約束」デザインを採用、ネーミングまでもが「アルファベット+数字」という中華スタイル
日産が中期計画に基づく対中戦略車第一号「N7」発表。内外装は中国で好まれる「お約束」デザインを採用、ネーミングまでもが「アルファベット+数字」という中華スタイル

| 日産はフロントに「日産らしい」Vモーションデザインを採用したというが、やはり日産車というよりは中国車である | しかしそれが現代における「海外の自動車メーカーが生き残る道」なのだと思われる さて、 ...

続きを見る

【新型スカイライン登場へ】日産、再建計画の中で新たな伝説を始動。次期スカイラインは新しい開発プロセスを採用する「最初のモデル」に
【新型スカイライン登場へ】日産、再建計画の中で新たな伝説を始動。次期スカイラインは新しい開発プロセスを採用する「最初のモデル」に

Image:NISSAN | 日産、2026年黒字化を目指す大改革を発表 | その詳細は未発表ではあるが、ボクとしては「サーフィンライン」を復活させてほしい 日産自動車は決算内容とともに新たな事業再建 ...

続きを見る

日産
日産の今後について「さらなる展開」。テスラ取締役と菅元首相が「日産とテスラ」とを結びつけようと計画中、さらにはフォックスコンがホンダを巻き込んでの提案を行った模様

| どのみち、日産は現在のままでは「生き残ることができない」であろう | よってどこかとの提携の道を探るよりほかはない さて、日産はホンダとの提携について「交渉打ち切り」を発表していますが、苦境に立つ ...

続きを見る

参照:NISSAN

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->日産/インフィニティ(Infiniti)
-, , , , ,