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| どのみち、日産は現在のままでは「生き残ることができない」であろう |
よってどこかとの提携の道を探るよりほかはない
さて、日産はホンダとの提携について「交渉打ち切り」を発表していますが、苦境に立つ日産はまだ投資家を探しているという状況です。
そして今回、ファイナンシャル・タイムズは「日本の高名な人物たちがテスラに対して日産への投資を提案する計画を立てている」と報じており、この提案は元日本政府の年金基金の投資責任者でありテスラの元取締役でもある水野弘道氏、そして元日本首相の菅義偉氏のバックアップによって進められているとのこと。
一体テスラが日産のどこにメリットを感じるのかと考えるものの、報道によれば「テスラが、日産がテネシー州とミシシッピ州に所有している生産工場に関心を持つはずである」とのことで、これら拠点にてテスラ車を生産することでテスラはさらに販売と収益を拡大できるのでは、と述べています。
現時点ではこの話の真偽はわからない
なお、フィナンシャル・タイムズは関係者に対しコメントを求めたものの現時点での返答はなく、しかし水野弘道氏はXを通じ「私はこの記事に報じられている内容に全く関与していません」、そして「テスラが日産の工場に関心を持つとは思えない」ともコメントしているようですね。
さらにはテスラCEO、イーロン・マスク氏も「テスラの工場が製品そのものであり、サイバーキャブの生産ラインは自動車業界で他に類を見ないものです」と述べているため、日産の工場を買い取って完全に内容を更新して自社の生産ラインを設置するのであればともかく、他社の工場に「生産を委託する」可能性はまず考えられないのかもしれません。※テスラの元々の工場は1962年にGMの施設として開設され、2010年に閉鎖されたものの、その後テスラが買収し同年中に再開されている
フォックスコンは「四社提携」を提案
そしてもう一つ、日本経済新聞が報じたのが「フォックスコンが、ホンダとの新しい提携を提案し、日産と三菱自動車も含めた四者提携を模索している」ということ。
このフォックスコンはiPhoneを製造していることで最も知られていますが、早い段階で日産の買収あるいは出資を検討していると報じられ、ホンダが懸念材料として挙げていた「ルノーの持つ日産株」についても買い取る意向を示していて(ただしルノーがこれに応じるかどうかはわからない)、もしかするとこの話が「加速」することになるのかもしれません。
ただしホンダが懸念を示したのはこの「ルノーの保有する日産株」のみではなく内田誠社長の存在、さらには要求として「e-Powerの廃止」があるため、ホンダがこのフォックスコンの提案に乗るかどうかはちょっと「わからない」というところですね。
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