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ゴードン・マレーの「熱狂的ファン」が1.2億ドルをGMAへと出資。これによって異例の「あえて売らない」成長戦略へとシフトが可能に

ゴードン・マレーの「熱狂的ファン」が1.2億ドルをGMAへと出資。これによって異例の「あえて売らない」成長戦略へとシフトが可能に

Image:Gordon Murray Automotive

| 「パトロン」がその企業を支えることはよくあるが、それにしてもこの額には驚かされる |

この 記事のハイライト

  • 究極のファンによる1.2億ドルの投資: Halo Cars Groupが1.2億ドル(約187億円)をGMAに出資。共同代表のタリク・ウアス氏は、GMA最初の顧客(T.50の第1号車購入者)であり、同社の全モデルを所有する熱狂的なファンである
  • 「成長」ではなく「希少性」への投資: 通常の投資は規模拡大を目指すものの、今回の目的は真逆。生産台数をさらに限定することで、ブランドの「希少性」と「職人技」の価値を後世まで維持することを目指している
  • 2039年までのロードマップを確立: この資金により、2039年までの製品計画を推進。特に「スペシャル・ビークル部門」を強化し、既存モデルの特別仕様や過去の名車の再解釈モデルなど、12の新規プロジェクトを加速させる
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マレーへの「最高のクリスマスプレゼント」:1.2億ドルの軍資金がもたらされる

伝説の設計者、ゴードン・マレー率いるゴードン・マレー・オートモーティブ(GMA)に強力な後ろ盾が出現。

その「後ろ盾」とは投資会社「Halo Cars Group」で、このHalo Cars GroupがGAMに対して1億2000万ドル(約187億円)もの戦略的投資を行ったことが正式に発表されています。

そして今回の投資がユニークなのは、その「出し手」と「目的」にあり、その詳細を見てみましょう。

出資者は「全車種コンプリート」のオーナー

Halo Cars Groupのマネージング・パートナーであるタリク・ウアス氏は、自他共に認めるゴードン・マレーの「スーパーファン」。

彼はGMAの市販第1号車であるT.50の最初の購入者であるだけでなく、同社がこれまでに発表したすべてのモデルを所有しています。

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「規模拡大」を拒否:あえて「売らない」という投資哲学

通常の自動車産業への投資は、工場の拡大や量産化による収益向上を目的としますが、しかしウアス氏の考えは正反対。

「これは規模(スケール)への投資ではなく、さらなる希少性(スケアシティ)への投資です。既存の極めて限定的な割り当てをさらに制限することこそが、ゴードン・マレーのオーダーメイドの職人技とエンジニアリングの芸術性を、世代を超えて永続させる鍵だと信じています」

タリク・ウアス

この「アンチ成長投資」とも言えるアプローチにより、GMAは市場の圧力に屈することなく、1台あたりの価値を極限まで高めるラグジュアリー戦略を追求できるようになるわけですが、つまりタリク・ウアス氏は「GMAがクルマを売らなくてもすむよう」お金を投じたということになりますね。

ただ、「売らない」ようにするだけだと投資を回収できず、そのお金もやがては尽きてしまうため、この投資は今までの「量産車」から「ビスポーク」へと軸足を移すための資金として活用されることとなるもよう。

2039年までの「夢の地図」とスペシャル・ビークル部門

今回の投資により、マレーが描く2039年までの長期製品ロードマップが現実味を帯びたものとなっており、その内容は以下の通り。

  • 12の新規プロジェクト: 現在、すでに12のプロジェクトが進行中
  • スペシャル・ビークル(特別車両)部門の強化: 既存モデルをベースにしたカスタムオーダー(ビスポーク)、マレーが過去に設計した名車の現代的解釈モデル、そして完全な新型車など、超少量生産のプロジェクトに注力
  • デリバリーの加速: すでに完売しているT.50やT.33の生産・納車スピードを向上させ、既存の顧客満足度を高める

背景:32億円で落札された「S1 LM」の衝撃

この巨額投資の背景には、GMAの市場価値の爆発的な高まりがあります。

わずか数週間前、ラスベガスで開催されたオークションでは、ゴードン・マレーの伝説的傑作「マクラーレン F1 LM」をオマージュした最新作「S1 LM」(5台限定の最終シャシー)が2,063万ドル(約32億円)という驚異的な価格で落札。

これはチャリティ目的以外で競売にかけられた「新車」として史上最高額の記録です。

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【史上最高額】ゴードン・マレー GMSV S1 LM が約32.4億円で落札。“新車として”史上最も高い取引額(ただしチャリティオークション除く)となる
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これによってGMAの送り出す車両の価値の高さが証明され、「より少なく、より高く」売るための投資がタリク・ウアス氏の目的であり、これによってGMAの価値を引き上げ、ひいては自身のコレクションの価値も上がってゆくことを目指しているのだと思われます。

2026年にはデザイナー活動開始から60周年を迎えるゴードン・マレー。

熱狂的な投資家という最高のパートナーを得て、彼の「妥協なきエンジニアリング・アート」は、EV化の波の中でもさらに輝きを増していくことになりそうですね。

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参照:Gordon Murray Automotive

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