
| 全体的に「マニュアルトランスミッション」回帰の傾向が強く見られる |
この記事の要点まとめ
- マニュアル需要が拡大: 多くの車種で2024年よりもMTの選択率が上昇
- 驚異の選択率: スバル・BRZは90%、WRXは85%と、購入者の大半がMTを選択
- 高級・スーパーカーでも人気: パガーニ・ウトピア(75%)やキャデラック(61%)など、プレミアム層ほど「操る楽しさ」を重視
- トヨタ・ホンダの健闘: GRカローラは71%、インテグラは22%と、日常使いの車でもMT愛好家が急増
「マニュアル車はもう絶滅した」――そんな悲観的な言葉をよく耳にしますが、2025年の販売データはその予測が間違いであることを証明しています。
一部のメーカーではMTモデルの供給が減っているにもかかわらず、残されたMTモデルを選ぶユーザーの割合は、むしろ上昇傾向にあることがデータから明らかに。
2025年 主要モデル別:MT選択率(販売比率)リスト
このデータを公開したのは米国カーメディア、Motor1で、実際に各全メーカーに問い合わせた結果を集計した結果なのだそう。
ここで驚きの「MT選択率」をまとめた表を見てみましょう(ホンダからは回答がなかったものと思われる)。
2025年 MT車販売比率表
| メーカー / 車種 | MT選択率 (2025) | 前年(2024)比較 | 備考 |
| スバル BRZ | 90 % | ↑大幅上昇 (前回77.8%) | 驚異のMT大国 |
| スバル WRX | 85 % | ↓微減 (前回86.7%) | 依然として圧倒的多数 |
| ポルシェ 911 (対象モデル) | 83 % | - | GT3 Touringは特注並みの人気 |
| パガーニ ウトピア | 75 % | ↑上昇 (前回70%) | ハイパーカーでも「アナログ」が主流 |
| トヨタ GRカローラ | 71 % | ↓微減 | AT版登場の影響を受けるも高水準 |
| マツダ ロードスター(MX-5) | 約 70 % | ↑上昇 (前回60%) | ライトウェイトスポーツの鑑 |
| キャデラック CT4-V Blackwing | 61 % | ↑大幅上昇 (前回50%) | GM唯一のMTが異例のヒット |
| トヨタ GRスープラ | 56 % | - | 最終年を飾る高い支持 |
| ニッサン フェアレディZ (Z) | 46.1 % | - | 約半数がMTを選択 |
| アキュラ インテグラ | 22.0 % | ↑上昇 (前回19.8%) | プレミアム市場で異例のMT増 |
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なぜ今、人々はあえて「マニュアル」を選ぶのか?
自動変速機(AT)の性能がMTを凌駕し、0-100km/h加速でもATの方が速い現代。
それでもMTが選ばれるのには、数値化できない「3つの理由」が存在します。
1. 「自分の意思」で操る没入感
最新のクルマは電子制御が完璧すぎ、時に「クルマに運転させられている」感覚に陥ることも。一方でMTはミスをすればエンストし、上手く決まれば最高の快感を得られる。この「対話」こそが、効率を求める現代社会において最大の贅沢となっています。
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2. 資産価値(リセールバリュー)の高さ
中古車市場において、MT車は「希少性」から価格が落ちにくい傾向にあります。特にポルシェやBMW Mモデル、スバルのスポーツモデルなどは、MTであること自体が将来のプレミアチケットになるという計算も働いています。
3. 「最後かもしれない」という危機感
欧州の排ガス規制(ユーロ7)や電動化の波により、純粋な内燃機関+MTの組み合わせは「まさに今しか買えない」状態。多くのユーザーが「今のうちに本物のエンジン車を味わっておきたい」と駆け込んでいる実態があります。
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結論|2026年、MT車は「究極の趣味」として生き残る
2025年のデータは、MTが「安いから選ぶ」という消極的選択肢から、「自分らしさを表現するためのプレミアムな選択へと進化したことを示しています。
アキュラ・インテグラのように、ラグジュアリーセダンであってもMT比率が上昇している事実はこのトレンドが一時的なブームではないことを物語っています。
さらにはGRカローラへとトヨタ入魂のスポーツ8速AT、「GR-DAT」が導入されたとしてもMT比率が高水準で移行していることも見逃せず、やはり多くの人々が「MTを求めている」ことも理解可能。
加えて、キャデラックのように、「そのブランドに一つしか選択肢がない車種では、非常に高いMT比率を誇る」ことも見逃せず、これはつまり「どのブランドにもMTを求める人がいる」「MTの存在はそのブランドにとって重要な意味を持つ可能性がある」ことを示唆しているのかもしれません。※BMW「M」がメルセデス「AMG」、アウディ「RS」に対して成功した理由もそこにあるのかも
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メーカー側もこういった状況を十分に理解しており、ヒョンデが実用化し、トヨタが開発中とされる「EV向け擬似MT」のように、操作する喜びを次世代へ繋ごうと模索しているのが現在の状況。
ギアを一段入れ、クラッチを繋ぐ。
その瞬間、ぼくらとクルマが一つになる。
2026年も、この美しい文化は熱狂的なファンに支えられ、力強く走り続けていくことになりそうですね。
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参照:Motor1



















