| 現在キャデラックの顧客は急速に若返りつつあり、キャデラックはそれら顧客を流出しないようにしなければならない |
今年20周年を迎えるハイパフォーマンスライン「Vシリーズ」は大きなヒットに
さて、キャデラックはつい数週間前に「ソレイ コンセプト」を発表したばかりですが、今回はソレイ・コンセプトの優雅さやエレガントさとはまた異なる路線を持つ未来的な「オプレント ベロシティ コンセプト」を発表。
このオプレント ベロシティは”自律性、贅沢さ、パフォーマンスが同じピュアエレクトリックカーに同居したら”というコンセプトのもとに誕生したクルマであり、見ての通り見事なバタフライドアを持つGTカーです。
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キャデラックはオプレント ベロシティ コンセプトについて多くは語られていないけれど
なお、キャデラックはこのオプレント ベロシティ コンセプトについて「体験に基づくデザイン スタディ」と呼び、ソレイ コンセプトがすぐにでも市販できそうなディティールを持っていたのとは対象的に「文字通りのコンセプトカー」だと位置づけています。
そのため現在の技術や規制にとらわれない自由な発想においてデザインがなされていますが、新しいバッテリーパック、冷却技術、およびそれらのパッケージングのテストベッドでもあるとも説明されており、車高を低く設定するためにヒップポイントを下げ、これによって困難になる乗降性を改善するために大きなバタフライドアを備えるなど試験的な試みも。
さらにはキャデラックのシグネチャーとなっている縦型ヘッドライト(とデイタイムランニングランプ)も再解釈され、センターのキャデラックエンブレムも発光仕様に。
そしてテールランプにも新しいデザインが取り入れられ、こちらもキャデラックエンブレムが光るようにデザインされていますが、リアサイドウインドウ、リアウインドウの一部はボディに溶け込むようにグラデーション仕上げを持っており、それに呼応するかのように前後ランプもボディにインテグレートされているようにも見えますね。
キャデラック オプレント ベロシティ コンセプトはこんなインテリアを持っている
そしてオプレント ベロシティ コンセプトのインテリアを見てみると、キャデラックはこのクルマにおいて「2つの異なるユーザー エクスペリエンスを作成することに重点を置いた」といい、それらは「スポーツ走行」と「自動運転」。
オプレント ベロシティ コンセプトはレベル4の自律機能を持つという設定で、これによってハンズフリー運転体験が可能になるとされていますが、一方で「ドライバーがクルマを支配下に置く」こともでき、たとえばサーキット走行時にはフロントガラス全体と拡張現実ヘッドアップディスプレイを使い、ビデオゲームのような「ゴーストカー」機能を実現し、ドライバーにコース上での最適なラインをオンデマンドで教えることもできるのだそう。
「結局のところ、サーキットをどれだけ速く走れるか、ベストタイムはどれくらいか、それを実現する最善の方法は何か、そしてテクノロジーを通じてそれをより良く実現するために、どんなチャンスがあるのか。そして、それがまさにこの研究の目的です。」
グローバル キャデラック デザイン エグゼクティブ ディレクター ブライアン・ネスビット
キャデラックというと「高級サルーン」というイメージがあるものの、現在ハイパフォーマンスライン「Vシリーズ」が非常に好調であるといい、実際にル・マン24時間レースでもその存在感を強く発揮するなどキャデラックは年々スポーツイメージを高めつつあります。
そしてこの「Vシリーズ」は今年で20周年を迎え、新しいバイヤーを取り込むことに成功しているそうですが、このオプレント ベロシティ コンセプトは、キャデラックが「次世代の、若くて裕福な顧客」を取り込むための新しいクルマだと考えていいのかもしれません。
キャデラック オプレント ベロシティ コンセプトの公式プロモーション動画はこちら
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参照:Cadillac