| テスラで問題となるのは「需要」ではなく「需要を満たせるかどうか」 |
大量の納車待ちをどれだけ消化できるかがテスラの最大の課題
さて、ロイターによると、テスラが発表した2021年第4四半期の出荷台数が30万8600台に達し、アナリストが予想していた26万3026台を大きく超えた、とのこと。
なお、過去最高の出荷台数を記録したのは6四半期連続だといい、とくに第4四半期は前年同期比で70%増、第3四半期と比較しても30%増になったもよう。
そして今回の第4四半期の出荷台数をプラスすると、テスラの2021年通年の出荷台数は93万6172台にも達することになり、これは約50万台だった2020年の87%増(1.87倍)という数字です。
やはり主役はモデル3?
現在のところテスラからは台数別の販売台数などは発表されていませんが(数日内にはアナウンスがあるものと思われる)、これまでの例を見るに、おそらく販売最多はモデル3。
それに次ぐのはモデルYだと思われ、しかしモデルYはまだ生産が「万全」ではなく、モデルYの生産が全工場にて問題なく行われるようになれば、モデルYがモデル3の生産を凌駕するのは間違いなさそうです。
今回のテスラの出荷台数につき、伸長の理由には中国での生産増加が大きく関与しているといい、競争の激化、そして中国市場での安全面でのクレームや抗議を受けつつも順調に生産を続けているということを意味しています(ただ、中国工場での生産分は輸出にも回されており、現地生産分のすべてが中国で販売されるわけではない)。
テスラは「需要を満たせるかどうかが問題」
なお、テスラの販売台数は他の自動車メーカーのように「作った分が売れたかどうか」ではなく、「注文があった分を作ることができたかどうか」。
つまりテスラは常に「納車待ち」の状態であり、納車待ち分をどれだけ早く作って納車できるかが「問題」となります。
ほかの自動車メーカーの多くは「需要があるかどうか」が最大の問題ではあるものの、テスラの場合は需要は全く問題ではなく、その需要を満たせるかどうかが問題ということですね。
よって、当面のテスラの問題はどれだけ生産を拡大できるかどうかということですが、現在建設中の各工場、そしてウワサされるインドの工場の稼働開始によってこれらの需要を満たせる可能性も出てきそう。
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2022年はおそらくモデルSとモデルXの生産が増加するものと考えてよく、そしてうまくゆけばサイバートラックの生産が行われる可能性もあり、アナリストの予測では130万台を達成する、という意見もあるもよう。
そして2023年には間違いなくサイバートラック、そして「コンパクトな」モデル2だと言われるニューモデルの投入も待ち受けており、あと数年はテスラの快進撃が続くものと見られます(その後はいよいよトヨタやフォルクスワーゲンなどほかの自動車メーカーに追い上げられる可能性が高くなる)。
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参照:Reuters