Image:Mercedes-Benz
| ここからの数年もまた「世代交代」「新スタンダードの確立」が連発されるだろう |
とくに電動化技術搭載車両の躍進が目立つようになるのかも
さて、毎年ニュルブルクリンクにおいては新しいスターが誕生しますが、2024年ではいままでにないほどエキサイティングな順位の変動そして様々なジャンルでの王座の入れ替わりがあり、記念すべき年になったと言っていいかもしれません。
ニュルブルクリンクは長年にわたり新しいモデルのテストベースとして、またその性能を披露する場として利用されていますが、それだけに「新興自動車メーカーや新興勢力がその実力をアピールする場」としても機能しており、ここで「2024年に記録された、注目すべきラップタイム」を振り返ってみたいと思います。
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【随時更新】ニュルブルクリンクのラップタイム最新版。ランキング100位まで、そして「SUV」「FF」「EV」「コンパクト」などカテゴリ別最速車を見てみよう
Mercedes-AMG この2年ほどでニュルブルクリンクのラップタイムは大きく短縮 ニュルブルクリンクにおける市販車のラップタイム「最新版」。 このランキングも当初「ベスト50」から始めるも、なんど ...
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メルセデスAMG One
このメルセデスAMG Oneは「F1由来の」エンジンそしてハイブリッドシステムを積むという「反則気味の」クルマではあるものの、こういったクルマの登場もまた「一つの時代」を示すもので、「6:29.090」という圧倒的なタイムをもって現在「ニュルブルクリンクの市販車におけるトップ」に君臨しており、この「6分30秒を切る」というタイムが破られることは当面ないのかもしれません。
Image:Mercedes-Benz
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メルセデスAMG Oneがニュルへと再挑戦を行い自身の記録を5秒短縮し王座を確固たるものに。なおはじめて「ニュルで6分30秒を切った」市販車となる【動画】
Mercedes-Benz | ニュルブルクリンクで「最速」を記録するには、自身でできることを極め、かつ自身でコントロールできない「運」にも左右される | さすがにいかなるスーパーカーそしてハイパーカ ...
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アウディRS Q8
そして「7:36.698」という数字をもって、ながらくポルシェが君臨していた「SUV最速」の座を獲得したのがアウディRS Q8。
車体やエンジンは基本的にポルシェ・カイエンと共通ではあるものの、機械的センターデフや専用のサスペンションシステム、エレクトリックモーターによるロールスタビライゼーションシステムなどが大きな進化を遂げています。
Image:Audi
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R8を超えてアウディRSモデル史上最高出力が与えられた新型RS Q8発表。新グレード「パフォーマンス」はカイエン・ターボGTを抜いてニュル最速SUVの座を獲得
Image:Audi | アウディは(RSブランドの)ニューモデルにおいて”ニュルブルクリンク最速”をアピールするのが通例となってきたようだ | そしてフロントグリルのアプールが強くなっているのも最近 ...
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アウディRS3
このアウディRS3はそれまで王座にあったBMW M2を抜き「コンパクトカー最速」としてタイムリーダーボードに登場。
新たなスタイリングと、トルクベクタリングリアディファレンシャル、シャシー制御やドライブラインのソフトウェア更新が施され、走行性能が大幅に向上しています。
Image:Audi
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アウディが新型RS3 セダン / RS スポーツバックを発表。現時点ではニュル最速コンパクトカー、そのタイムは997世代のポルシェ 911GT3と同じレベルに
Audi | アウディの車両制御技術は恐るべきレベルにまで達している | ここまでくればもはやスーパーカーの存在は「不要」にも思えてくる さて、アウディが新型RS3セダン / RS3スポーツバックを発 ...
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ポルシェ・パナメーラ ターボS Eハイブリッド
これまでパナメーラの最速モデルは「ノンハイブリッド」であったものの、この新型パナメーラ ターボS Eハイブリッドはその慣例を覆し、「ハイブリッドモデルでも速く走れる」ことを証明して先代に比較して約5秒速い7:24.17を記録。
現在ニュルブルクリンクの「プレミアムサルーン」セグメントでは最速のポジションにあります。
Image:Porsche
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ポルシェが「新型パナメーラで」エンツォフェラーリよりも速い7分24秒172にてニュルブルクリンクを周回し「高級セダン最速ラップ」を記録したと発表
| この「新しい王者」となったパナメーラは今後発表を控えているパナメーラのトップレンジである | 先代のパナメーラ最強モデルに比較して5秒以上もタイムを短縮 ポルシェが新型パナメーラ(グレード名はまだ ...
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ポルシェ カレラGT
こちらは何らかのタイトルを取得したわけではないものの、「20年ぶりに」「20年の進化を反映させたタイヤを装着して」ニュルブルクリンクを走り、2004年に記録したタイムを約20秒短縮する7:12.69を記録していて、スポーツカーにとって”いかにタイヤが重要であるか”を示唆しています。
そしてこのタイムは現代のハイパフォーマンスカーの多くを凌駕しており、カレラGTの実力を改めて示す例となったわけですね。
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20年で20秒。ポルシェ カレラGTに「最新技術によって製造された専用タイヤ」を装着しニュルを走行したところ、発売時に比較して20秒もタイムが短縮される【動画】
| タイヤに関する技術の進歩がようやく「数値」にて証明されることに | そして当時はカレラGTのパフォーマンスに「タイヤがついて行けなかった」ことも明らかに さて、タイヤは「クルマのハイパフォーマンス ...
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シボレー・コルベット Z06
コルベットはC8世代にてミドシップへと進化していますが、このZ06はフラットプレーンクランクを採用するV8エンジンを搭載し「スーパーカーレベル」にまで進化したバージョンです。
そのタイムは7:10.51、もちろんコルベット史上”最速”ですね。
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コルベットZ06の価格がついに「1445万円から」と発表!市販車としては最強のNAエンジンを積み、0−100km/h加速を2.8秒で走るクルマとしては破格の安さ
| ベースモデルのコルベット「スティングレイ」でも非常に高いコストパフォーマンスを誇っていたが | このコルベットZ06はすでにランボルギーニやフェラーリとは比較にならない さて、シボレーがついに新型 ...
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フォード マスタングGTD
そしてこのマスタングGTDは「アメ車ではじめて7分を切る」タイム、6:57.685を記録するという歴史的偉業を成し遂げたクルマです。
GT3レースカーに基づく特別仕様を持ち、究極の走行性能を誇る一台でもあり、これに対するシボレーの回答(コルベット Zora)が気になるところ。
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フォードがマスタングGTDにて「はじめて」アメリカ車でニュルのラップタイム「7分切り」を達成。ポルシェ918スパイダーと同タイム、FRでは歴代2位【動画】
さて、フォードがマスタングGTDにてニュルブルクリンクにおけるタイムアタックを行ったことが公に語られていますが、今回はその結果が「6分57秒685」という驚異的な数字であり、アメリカ産の量産車としては ...
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シャオミSU7 ウルトラ プロトタイプ
そして次はシャオミ SU7「ウルトラ」プロトタイプ。
ピュアEVの記録を更新する6:46.87というタイムをマークしていますが、これは「EVとして速い」というだけではなく、つい最近まで市販車最速タイトルホルダーであったメルセデスAMG GT ブラックシリーズよりも速い数字です。
Image:Xiaomi
このタイムはリマック・ネヴェーラの7:05.298よりも圧倒的に速い数字ではありますが、注意する必要があるのは「市販バージョンとは異なる、軽量なカーボンファイバー製ボディを装着していた」こと。
よって完全なる市販バージョンでのチャレンジそしてタイム公表も期待したいところですね。
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シャオミが「SU7 ウルトラ」を発表、ニュルを7分以下で走り「最速の4ドアになった」。その価格1750万円、1548馬力、0-100km/h加速1.98秒、最高速350km/hというハイパーカーの領域に
Image:Xiaomi | おまけにシャオミSU7 ウルトラの価格はポルシェ・タイカン ターボGTの半額以下である | さらに中国人の愛国心と相まって、もはや中国内では「ポルシェを買う理由」を見出す ...
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ヤンワン(BYD) U9
そしてこのヤンワンU9はBYDが実際に発売したピュアエレクトリックハイパーカーで、タイムこそは7:17.900ではあるものの、997世代のポルシェ911GT2 RSよりも速く走っており、「中国の市販車としては最速」を記録しています。※上のシャオミSU7 ウルトラのタイムアタックバージョンは市販モデルとは異なる
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ヤンワン(BYD)が最高速391.94 km/h、ニュルでは7分17.9を記録し、中国車としては「直線、ニュルで最も速いクルマ」に。なお最高速ではEVで歴代2位、ニュルだとEVでは歴代4位を達成【動画】
Image:Yangwang | 現実的な話、もはや中国車はパフォーマンスにおいても侮れないレベルに達している | 数年内にはニュルブルクリンク、最高速、加速ともに中国車が上位を占めることになるのかも ...
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2025年にはさらなる記録更新に期待がかかる
上述の通りニュルブルクリンクは「各自動車メーカーがその実力を示す場」となっていますが、それだけに多くの自動車メーカーが挑戦を目論んでいると言われます。
2025年に期待できるのはポルシェ911GT3 RS「MR」、シンガー21C、ヘネシー・ヴェノムF5等のチャレンジで、願わくばケーニグセグやブガッティといった「大御所」の参戦も期待したいところですね。
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まさかの「リアウインドウなし」。ポルシェ911GT3 RSのダウンフォースを1,000kgにまで増強するニュル必勝オプション「MRキット」登場
Image:Manthey Racing | 現時点では「どれくらい」ニュルブルクリンクを速く走れるのかは好評されていない | しかしこれまでの実績上、「9秒」は短縮されることになるだろう さて、ニュ ...
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ガソリン車でもそろそろ2秒台前半に突入しそう スポーツカーのスペックのうち、重要な要素として「0-100km/h(アメリカだと0-60mph)加速」が挙げられますが、ここで主だったクルマの数字をピック ...
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【最新版】もっとも最高速が高いクルマ、そして加速が優れるクルマ「TOP15」。最速はブガッティ・シロン、自然吸気エンジン搭載車ではいまだマクラーレンF1の右に出るクルマは存在しない
| 最高速はガソリン車、加速はエレクトリックカーが速いという図式が出来上がりつつあるようだ | とんでもない最高速を標榜するクルマは多々あるが、実際に計測を行い記録を残すクルマは非常に少ない さて、も ...
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【最新版】加速、最高速に優れるSUVランキング!0-100km/h加速は2秒台、最高速300km/hオーバーも
Lamborghini | ついにSUVの加速もついにここまで来た | さて、近年は技術の向上によってスポーツカー顔負けの動力性能を発揮するSUVやサルーンも多数存在します。その理由の多くは「エンジン ...
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