■自動車各社業績/ランキング/記録等■

2025年8月の外国メーカー車「新規登録台数速報」。ランボルギーニがなんと2.6倍の伸びを見せるなど「異変」も。市場の動向を徹底分析

ランボルギーニ

| はじめに:2025年8月の外国メーカー車市場概況 |

輸入車市場全体としては「微増」ではあるが、一部メーカーが大きく伸びる

2025年8月、日本における外国メーカー車の新規登録台数は、前年同月比100.5%と微増を記録し、堅調な市場が続いています 。

これは、新モデルの投入や各メーカーの積極的な販売戦略が功を奏した結果と言えそうですが、特に市場のトップを走り続けるブランドから、急成長を遂げるブランドまで、あるいは販売を失い続けるブランドまで「状況は様々」。

2025年8月 外国メーカー車 新規登録台数ランキング(TOP20)

まず以下は2025年8月の外国メーカー車新規登録台数をまとめたランキング表です。

順位ブランド名当月登録台数前年同月比 (%)1-8月累計登録台数累計前年比 (%)
1メルセデス・ベンツ3,48079.832,84496.2
2BMW2,47393.022,860106.7
3VW1,587146.421,330135.1
4アウディ1,37997.914,88299.5
5BMW MINI1,401127.712,405137.8
6ボルボ78798.68,03090.0
7ポルシェ609119.45,938117.4
8ジープ610103.45,64494.7
9ランドローバー49768.35,650105.1
10プジョー502143.43,457129.1
11フィアット270101.92,70885.6
12BYD23980.22,100141.4
13ルノー14964.82,01056.4
14シトロエン13881.71,79094.0
15フェラーリ114162.995799.5
16アルファロメオ162311.5798118.8
17ランボルギーニ79263.3479138.6
18ヒョンデ75163.0613143.2
19アバルト3420.91,24147.1
20マセラティ4569.251263.4

市場動向の考察:ブランド別の明暗と今後のトレンド

トップブランドの動向

  • メルセデス・ベンツは8月の販売台数では前年同月を下回ったものの、依然としてトップの座を維持。
    1-8月の累計でも高い水準を保っており、安定したブランド力がうかがえますが、しかし、前年比が減少傾向にある点は、今後の戦略を考える上で注目すべきポイントです。
  • BMWは8月は前年同月を下回りったものの累計では前年比106.7%と好調を維持しています 。
    SUVから電気自動車まで、多様なラインアップがユーザーに広く受け入れられているようですね。
  • VWは、8月の販売台数が前年同月比146.4%と大幅な増加を記録し、累計でも135.1%と非常に好調 。
    これは、主力モデルの刷新や魅力的な価格設定が消費者に響いた結果だと捉えていいのかもしれません。
L1017742

注目すべき成長ブランド

  • BMW MINIは8月単月・今年累計ともに前年を大きく上回る成長を見せていて、コンパクトで個性的なデザインが都市部の若年層を中心に人気を集めているとも考えられますが(加えてルノー、プジョー、シトロエンからは魅力的な内燃機関搭載モデルが出てこないことも関係しているものと思われる)、ここまで価格が高くなったミニが売れているのはぼくにとっての「予想外」。
  • ポルシェは8月、累計ともに好調で、累計販売台数は前年比117.4%となっています 。
    高級スポーツカーだけでなく、SUVやEVモデルの人気も販売台数を押し上げており、バランスに優れる車種構成に強みがあるのかもしれません。
  • BYDは、累計販売台数が前年比141.4%と驚異的な伸びを示していますが、電気自動車(EV)メーカーとして、日本市場での認知度と需要が急速に高まっていることが見て取れます(もうすでに試乗車含むデモカー登録が一巡したと思われるので、現在の販売は実需なのかもしれない)。
L1008046

このほか、ランボルギーニが前年同期比で263%(ランボルギーニはもともと成長著しいブランドではあるが、ここまでの伸びは記憶にない)、フェラーリが162%と好調な反面、マセラティは69%と低調です。

一方、同門のアルファロメオは311%と非常に好調で、これはおそらく「ジュニアの登場」が大きく影響しているものと思われます(つまりアルファロメオというブランド自体の人気は衰えず、魅力的なクルマがあれば販売が伸びる)。

そしてこれにかかわらず「新型車を投入すれば効果が現れる」のが自動車市場の常ではあるのですが、マセラティの場合はニューモデルの追加が販売に貢献していないようで、この傾向は「かなり深刻な状況」を表しているのかもしれません。

L1019441

ユーザーの関心と今後のトレンド:中古車市場と維持費

新車販売のデータからは消費者の「新型車への関心」が読み取れるものの、その中においても、VWやBMW MINIのようなブランドが好調なことから、燃費やサイズ、維持費を意識した選択が増えている可能性が見え隠れします。

なお、ここ最近では国産車の価格が非常に高くなっていて(プレリュードが617万円、など)、そうなると輸入車との価格的バッティングが生じることも考えられ、さらに「輸入車の中古」へと目が向く可能性も。

物価が上昇し可処分所得が減少するいま、消費者の選別基準は「よりシビア」になるものと推測でき、様々な方面において新しい動きが見られることになりそうですね。

L1008031

あわせて読みたい、関連投稿

ランボルギーニ
ランボルギーニがまたまた「最高記録」。納車台数、売上高、営業利益ともに過去最高を記録し販売台数においてはフェラーリを視野に入れる

| ランボルギーニは現時点ですべての戦略そして行動が「プラス」に作用している | この不確実性が伴う自動車業界においては「最強ブランド」のひとつであると言えるだろう さて、成長路線をひた走るランボルギ ...

続きを見る

フェラーリ プロサングエ
上場から10年。フェラーリ(RACE)の株価、業績、販売台数の変遷:ラグジュアリーブランドの戦略と未来とは

| フェラーリの株価は今年に入って「最高値」を記録 | フェラーリの成長は過去のブランド価値に依存するものではなく、未来を作り出そうと据えう人々によってもたらされている しかも「トランプ関税」の懸念が ...

続きを見る

アウディ
販売台数2桁減のアウディ「価格を引き上げることで利益を確保する」。メルセデス、BMWに対するアドバンテージを持たないままの値上げは自滅を招くか

| その価格に見合った値上げでなければ現代の消費者は「まず買わない」だろう | 今のアウディは「排他性」を失っており、まずはそれを取り戻すことが先決だと考えられる さて、2024年はアウディにとって非 ...

続きを見る

参照:日本自動車輸入組合

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

-■自動車各社業績/ランキング/記録等■
-, , , , ,