| ここに究極のドライバーズカー、アリエル・アトム4R誕生。その価格1148万円ナリ |
ただし絶対にその価値に見合うだけの満足感を得られるのは間違いない
さて、超過激なクルマを作ることで知られる英国の自動車メーカー、アリエルが最新モデル「4R」を発表。
これはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにてリリースされたもので、2018年に登場した「アトム4」のハードコアモデル、そして「アトム3.5R」の後継モデルという位置づけです。
そして注目すべきは、アトム4同様にホンダ・シビック・タイプRの2リッター・ターボエンジンを積んでいることであり、しかしアトム4Rでは(アトム4の)310馬力から400馬力にまで出力を向上させています。
アリエル・アトム4Rは「究極のドライバーズカー」
アリエルはこの「アトム4R」の開発に際して”究極のロード&サーキット・パフォーマンス”に焦点を当てたといい、そのために必要とされた出力が「400馬力」。
そしてアリエルは、エンジンの冷却システムとインタークーラーシステムを新たに開発することでこの出力を達成したわけですが、0-96km/h(0-60マイル)加速は2.7秒、0-161km/h(0-100マイル)加速は6.5秒以下、そして最高速はじつに274km/h(このクルマで最高速を出すには、少しばかりの勇気が必要であることは間違いない)。
アリエル・モーター・カンパニーのヘンリー・シーバート=サンダース取締役によると「私たちは、公道でもサーキットでも、究極のドライバーズカーとしてアトムを進化させる努力を続けています。4Rは、素晴らしいアトム3.5Rの足跡をたどり、再びストーリーを前進させます。これは本当に驚くべきクルマで、私たちは当然のことながら誇りに思っています」。
実際のところ、このアトム4Rが「驚くべきクルマ」であることは疑いようがなく、常識では考えられない「1秒で5つのギアを落とせる」トランスミッションもその理由の一つ(おそらく、人間の身体の方がこの衝撃に耐えることができないだろう)。
空気圧式パドルシフトによって操作を行うクワイフ製6速シーケンシャル・ギアボックスを装備し、シフトダウン時にはスロットルをブリップさせ、シフトアップは(クラッチを使わずに)フルスロットルで行えるため、推進力が途切れることはない、とされています。
アトム4Rに採用されるサスペンションは(アトム4と同じ)プッシュロッドですが、4R専用に設計されたオーリンズ製TTX36ダンパーを組み込んでおり、スプリングは「ロード用とサーキット用」の2つから選択可能(後者はとんでもなく硬いに違いない)。
アップライトにはアルミ削り出しのパーツを採用して強度の担保と軽量化を実現し、カーボンホイールとともにバネ下重量の軽減に貢献します。
ブレーキシステムにはカーボンセラミックディスクを採用し、そのほか細部の軽量化によってアトム4Rは28kgの軽量化に成功していますが、その車体重量はなんとわずか567kgにとどまっていて、これは一般的なスーパーカーの車体重量に比較して1トン近く軽い数字です(ランボルギーニ・ウラカンの車検証上の重量は1,610kgである)。
アリエル・アトム4Rのパフォーマンスはドライバーにあわせて調整が可能
ただ、こういった数字から想像する過激さとは裏腹に、アトム4Rは親しみやすさも備えているといい、実際にターボブーストは3段階から選択可能となっていて、自身のスキルや環境にあわせて出力を変化させることも可能です。
さらには調整可能なトラクションとローンチコントロールも標準装備され、ABSシステムも12段階から効きを調整することができるといい、(オススメはできませんが)完全にオフにすることもできるのだそう。
(ほとんど存在しない)ボディパネルと空力コンポーネントは、計算流体力学とBrambleと呼ばれる新しいクラウドベースのシステムを使用して設計されており、実際にプロトタイプを組み上げるまでに「シミュレーション上にて」様々なセットアップを試すことができたと紹介されていますが、こういった「シミュレーション上にて解析を行い、セットアップを詰めてゆく」のはここ最近の新しい手法だと言えるかもしれません(ランボルギーニのル・マン・ハイパーカー、SC63もこの方法によって開発されている)。
なお、このアトム4Rはオーナーの要求する正確な仕様に合わせて1台1台手作業で製作されるとのことで、アリエルによれば、エンジン、ギアボックス、サスペンションにはさまざまなオプションが用意され、それぞれの顧客が自分のドライビングスタイルに合ったクルマに仕上げることができるようですね。
たとえばダッシュボードにリバースカメラ(のモニター)を搭載したり、ビデオ付きのサーキットタイミングシステムを組み込むこともできるとされ、それぞれのオーナーにとっての「満足の行く仕様」を再現することができそうです。
なお、アトム4Rの価格は64,950ポンド(現在の為替レートにて1148万円)なので、けして安くはありませんが、その対価に十分以上に見合うパフォーマンスを持ち、そしてほかのクルマでは味わえない満足感を与えてくれることになりそうです。
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参照:Ariel Motor Company(Facebook)